世界の貧困と子どもたち

世界の約5人にひとりが1日1.25米ドル未満で生活しています

貧困とは?

「貧困」の定義はひとつでなく、国や機関によって異なります。たとえば、世界銀行は、「国産貧困ライン(1日1.9ドル未満)で暮らす人を貧困層と定義しています。

貧困の捉え方には、必要最低限の生活水準が満たされていない状態の「絶対的貧困」と、ある特定社会の集団の中で、大多数の標準に比べて貧しい状態の「相対的貧困」があります。

持続可能な開発目標(SDGs)」*の中では「世界中の、あらゆる形の貧困を終わらせる」ことが17の目標の1つ目として盛り込まれています。「あらゆる形の貧困」とは、経済的な問題だけではなく、教育や就業機会を得られないこと、また、食料や水、病院、住居などの必要な物やサービスがない、あるいは受けられないことが含まれます。

*世界のリーダーが2015年9月の国連サミットで採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた17の目標。

母親が亡くなり祖母に引き取られたエマニュエルくんたち兄弟。ほかに7人の子どもがいて、全員が栄養のある食事をすることはできません(ザンビア)
母親が亡くなり祖母に引き取られたエマニュエルくんたち兄弟。ほかに7人の子どもがいて、全員が栄養のある食事をすることはできません(ザンビア)

数字で測ることのできない、子どもにとっての「貧困」

経済的な数字で測れなくても、子どもにとって、「子どもの権利条約」にある権利が守られていない状態や、一人ひとりが持っている可能性が閉ざされてしまっている状態も「あらゆる形の貧困」に含まれます。

子どもたちの健やかな成長には、水、衛生施設、栄養、住居、教育、情報などの基本的な社会サービスを利用できる環境を整えることが不可欠です。

また、近年では絶対的貧困率の改善が見られる一方で、先進国における所得格差が史上最大レベルに拡大しています(出典:OECD2015)。また、開発途上国でも、経済成長に伴い就業機会や人口が都市部に集中し、農村部に依然として貧困が存在している問題も深刻化する傾向が見られます。

願いは「おなかいっぱい食べること」。長引く紛争により、生きていくうえで最低限必要な食糧さえ確保できず、尊厳ある社会生活を営むことが困難な状態になっている子どもたちがいます(アフガニスタン)
願いは「おなかいっぱい食べること」。長引く紛争により、生きていくうえで最低限必要な食糧さえ確保できず、尊厳ある社会生活を営むことが困難な状態になっている子どもたちがいます(アフガニスタン)

貧困の中に生きる子どもたちの日常生活

貧困撲滅のための総合的なアプローチ

貧困を生み出す原因は、国や地域によって様々です。多くの要因が複雑に絡み合うことによって貧困が生まれます。そのため、貧困を解決する方法も多様であり、政治、社会、経済、環境など総合的な取り組みが必要です。

「持続可能な開発目標」では2030年までに「極度の貧困(生きるために必要な食糧すら手に入れられないほどの貧困)」を終わらせることを目指して、経済成長を促し、教育、健康、社会的保護、雇用機会を含む幅広い社会的ニーズを充足する戦略が必要であることが認識されています。貧困層や脆弱層の人々を守り支えるための仕組みとしての「社会的保護」や、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援すること等が目標のターゲットに設定されています。

カーストの低い不可触民(アウトカースト)の子どもたちは差別を受けることもあり、特に就学率や出席率が低い傾向があります。特に女の子の可能性は閉ざされがちです(ネパール)
カーストの低い不可触民(アウトカースト)の子どもたちは差別を受けることもあり、特に就学率や出席率が低い傾向があります。特に女の子の可能性は閉ざされがちです(ネパール)

根本的な貧困解決を目指した支援

ワールド・ビジョンは、各国政府や国際機関、他のNGO等と連携しながら、支援事業とアドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)に取り組んでいます。

また、貧困の要因ともなる紛争や災害発生時の緊急人道支援を行う際にも長期的な視野に立ち、人々の生活基盤の復興を支援します。

ワールド・ビジョンは貧困を解決するために、地域の自立を目指した「チャイルド・スポンサーシップ」を核として活動しています。1人の子どもだけを対象にしたお金や物の提供ではなく、地域の人々とともに子どもの健やかな成長のために必要な環境を整えていきます。保健衛生の改善、教育機会の拡充、生計向上等、幅広い分野で長期的な支援を行っています。

また、活動の成果を地域の人々自身が将来にわたって維持し、発展させることによって貧困から抜け出せるように、人材・住民組織の育成にも力を入れています。

家族の収入を増やすための生計向上プログラム。20人の女性が集まりかご作りをしています。かごを売って現金収入を得て、子どもたちに栄養のある食べ物を買うことができるようになってきています(カンボジア)
家族の収入を増やすための生計向上プログラム。20人の女性が集まりかご作りをしています。かごを売って現金収入を得て、子どもたちに栄養のある食べ物を買うことができるようになってきています(カンボジア)

日本に住む子どもたちが世界の問題に関心を持ち行動するために

国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、日本の子どもたちが世界の現状をよく理解し、積極的に国際協力に参加していくことを願い、小学校・中学校・高校向けのグローバル教育プログラムを用意しています。

総合学習や人権教育のための「講師派遣」、
修学旅行や職場体験学習のための「事務所訪問の受け入れ」を行うとともに、
教育現場でお使いいただける教材を用意しています。

また、世界に目を広げた子どもたちがすぐに行動を始められるよう、チャイルド・スポンサーシップや募金によるご協力の方法も紹介しています。

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訪問した小学校の児童から授業後にメッセージを受け取りました

子どもの貧困に関連するその他のリンク

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