紛争・難民

紛争で真っ先に犠牲になるのは子どもたち

子どもたちが闘いの手段として狙われ、利用されています

世界では2 億5,000 万人近くの子どもが武力紛争によって被災した国や地域で生活しています。紛争から逃れている難民の半数以上が、最も弱い立場にある子どもたちであり、長引く危機の中、希望のない未来に直面しています。

出典:UNICEF2016

紛争は子どもを殺害し、親を奪い、誘拐や拷問の対象とし、子ども兵士として利用します。近年頻発する自爆テロや、学校で学ぶ子どもの集団誘拐事件などは、戦時でも子どもを保護すべきとする国際人道法を無視し、むしろ、子どもを犠牲にすることを闘いの手段としています。


食糧や生活用品などの支援を受け取るために集まるコンゴ難民

子どもたちの命の危険と、失われる成長の機会

紛争に巻き込まれた子どもたちは、爆撃などの攻撃や地雷などにより命を落とす危険と隣り合わせです。攻撃から逃れるため、わずかな食糧と水だけで何日も歩き続ける結果、極度の栄養不良や病気にもなります。特に女の子は、性的な暴力を受けるリスクが高まります。

多くの子どもたちが、武装勢力によって子ども兵士にさせられることを恐れて家を後にしますが、正式な書類もなく子ども一人で旅することはむしろ、リスクを高めます。また、避難先での教育保健サービスの提供も問題です。避難が長期化すると、子どもたちは、教育を受けられないまま成長し、その後の人生の機会まで失うことになります。

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焼けてしまった自分の家の前に座り込む男の子。マラカイ地域では何千人もの住民たちが避難を余儀なくされました(南スーダン)

子どもの命をつなぎ、成長を支えるために

ワールド・ビジョンは、紛争から逃れるために難民/避難民として故郷を後にした子どもたちとその家族を支えるため、食糧や生活用品の支援を行います。

物資の支援だけではなく、戦闘現場を目の当たりにし、大変な逃避行を経て避難場所へたどり着いた子どもたちの心のケアのために、チャイルド・フレンドリー・スペースを運営し、子どもたちが安心して遊んだり、話したり、学べる環境も整えます。

また、子どもたちが、将来のために教育を受け、成長の機会を失うことがないように、難民キャンプや、避難先のコミュニティにおいて教育支援を行っています。

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難民キャンプの中にあるチャイルド・フレンドリー・スペース。紛争の影響によるストレスを抱えている子どもたちが多いため、心の回復、また、子どもらしさを取り戻すことができるよう、子どもたちが安心して安全に過ごせる場所を提供します(ヨルダン)

紛争前の予防と、紛争後の復興支援

ワールド・ビジョンは、コミュニティレベルで平和構築が進められるよう、住民同士を対象とした活動を行って紛争を予防するとともに、紛争発生の可能性がある地域では、早期警戒(early warning)により人々の受ける影響をできる限り少なくできるよう努めています。また、紛争終了後、地域や国の再建にあたる人々を支えることも、次の紛争発生を予防する大切な活動です。


1994年のジェノサイド(大虐殺)を乗り越え、未来に向かって歩んでいるルワンダの子どもたち。コミュニティでは平和構築のためのワークショップなどが開催され和解のために取り組んでいます。写真協力:前康輔

勉強できるようになった今、私は、医者になりたい!


エチオピアのクレ難民キャンプで暮らす女の子、ニャウェッチちゃん (14 歳)。
家族と一緒に6 日間歩き続け、エチオピアまで逃れてきました。南スーダン
の生活から環境が大きく変わった今の心境を次のように話してくれました。

「南スーダンにいたときは、パイロットになりたいと思っていました。でも、再び勉強できるようになった今は、医者になりたいと思っています。人のために働いて、命を救いたいからです。今は、学校が2 部制になっていて、一番暑い午後
に通学しなければいけないことや、南スーダンの授業科目と少し違うなど、色々
な困難がありますが、医者になるために勉強を続け、いつか家族と一緒に平和
になった祖国に戻りたいです





アートがもたらす平和の祈り

2013年12月以来、およそ90万人もの南スーダン難民が、世界の中でも最も革新的な難民政策をとっている国、ウガンダに逃れています。ヴィオラちゃんは、16歳にして、妻であり母親です。南スーダンの紛争により両親を亡くし、残された家族を養うためには、結婚するしか選択肢がありませんでした。

多くの南スーダン難民が厳しい環境下で生活する中、彼らに少しでも希望を持ってもらおうと、ワールド・ビジョンとアパーシャル(Apartial)というアーティスト集団が、彼らが歩んできたストーリーや未来への想いをアートを通して表現するというプロジェクトを立ち上げました。ヴィオラちゃんは、どのような絵を描きあげたのでしょうか。 平和を切に求める子どもたちのストーリーとアート作品をぜひご覧ください。

リンク A Brighter Futureプロジェクトの詳細はこちら



恐怖と夢 ~シリアと世界の子どもたち~

6年に及ぶ紛争は、シリアの子どもたちに消えない傷跡を残しました。難民の子どもたちの多くは、生活費を稼ぐために「子ども時代」を過ごすことなく働いています。紛争が6年目を迎えた今、ワールド・ビジョンは、シリアの子どもたちが抱えている恐怖と夢について調査しました。また、暴力にさらされることが、子どもの世界観にどのような影響を及ぼすかを探るため、比較的安全な国に住む子どもたちにも同じ質問をしました。そこから見えた、意外な結果とは?

世界中のすべての子どもたちが、恐怖と夢を抱いています。それが現実のものとなるかどうかは、私たち次第なのです。回答の統計結果、そして子どもたちが、それぞれの夢と希望について語る動画をぜひご覧ください。

ドイツのアーティスト、Herakutの絵を模写するヴィオラちゃん


「ぼくの恐怖は、空爆。ぼくの1番の夢は、パイロットになること。世界中を飛び回れるなんて、とても素敵だよね」(ハムザ君/10歳)

「ぼくの恐怖は、妹たちに何かが起きること。ぼくの1番の夢は、ジャーナリストになることです」(モハンマド君/16歳)

「私たちは、夢を見続けられることを、夢見ています」
ギナちゃん16歳、ヌールちゃん14歳



南スーダンでは現在「遠隔」で⽀援活動を⾏っています

外務省は南スーダン全⼟に退避勧告を出しており、危険度は最⾼のレベルの4。
現在ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフも、⽇本政府による助成⾦事業で
は、南スーダンでの駐在、または渡航さえも制限されている状況です。

南スーダンで実施している事業のうち、ジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成⾦と皆さまからの募⾦により⾏っている教育・栄養⽀援事業は、武⼒衝突が再発した2016年7⽉以降、外務省による渡航規制により、⽇本オフィスから遠隔で事業管理を⾏っています

事業担当の千⽥スタッフは、南スーダンオフィスのスタッフと、メール、Skype
ミーティング、毎週・毎⽉の報告等を通し、毎⽇密に連絡を取り合っています。
また、ケニアにて、定期的に南スーダンオフィスのスタッフと事業調整会議を⾏
い、事業実施⽅法の確認や活動の振り返りを⼊念に⾏い、事業が円滑に進むよ
う、また事業の質を担保できるように努めています。

しかし、遠隔での事業管理では、⽇本側への報告・相談・確認等に時間を要する
ことにより、現場のスタッフが直⾯する課題に迅速に対応できないなど、現地側
に負担がかかっています。1⽇でも早くワールド・ビジョン・ジャパンのスタッ
フも事業地に⼊り、⼀緒に活動に取り組むことができるよう⽬指しています。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、「命をつなぐための緊急⽀援」、「回復⼒強
化のための復興⽀援」を軸に、教育と保健・医療の両分野で、南スーダンに残る
⼦どもたち、難⺠として国外に逃れた⼦どもたちへの⽀援を続けています。

南スーダン事業担当の千田スタッフ







クレ難民キャンプで暮らすニャウェッチちゃん


ワールド・ビジョン・ジャパンの活動

過去の紛争・難民に関するお知らせ(一部)