保健・栄養

世界では年間590万人の子どもが5歳になれずこの世を去ります

毎日約16,000人以上の子どもが、5歳未満で亡くなっています

世界では590万人の子どもたちが、5歳の誕生日を迎えることなく命を落としています。1日あたりにすると、約16,000人以上。その大半は容易で安価に予防・治療できる病気が原因となっています。

とりわけ、生後28日未満で亡くなる割合は増加傾向にあり、総死亡数の45%を占めています。生まれたその日に短すぎる生涯を終える子どもの数は年間100万人にのぼります(出典:UNICEF2016)。

予防接種を受けられない、あるいは安全な水を使うことができない子どもたちの多くは、5歳まで生きられない、または健康に問題を抱えた人生を歩む可能性が高くなります。

また、子どもたちの死亡の約45%は、直接的・間接的に栄養不良が原因となっており、世界の5歳未満の子ども4人に一人にあたる、1億5860万人が発育阻害であると言われています(出典:UNICEF2016)。

栄養のある食事ができない子どもたちは、身体的または生まれながらの能力を十分に発揮できないまま育ち、学習能力や将来における収入獲得能力が制限されてしまうことがあります。

生まれたばかりの子どもと、優しく見つめる母親(カンボジア)
生まれたばかりの子どもと、優しく見つめる母親(カンボジア)

多くの命は救えるはず

家族とコミュニティで可能な「予防」と、基礎的な「治療」の提供があれば、 子どもたちの命を救うことはできるはずだと言われています。

5 歳未満児死亡の主要な要因である肺炎、下痢、マラリア、妊娠期・出生時・新生児期合併症は、すべて予防可能であり、支援をすることで死亡数の削減が期待できます。

家族が、子どもを病気から守り、健康を保つことができるよう、知識や情報、必要な手段を手に入れられることが大切です。予防接種や適切な栄養補給、母乳育児、日常的な石鹸による手洗いの励行、適切な薬の迅速な服用等、これらは高度先進的な対策を必要とするわけではありません。基礎的な対策が確実に実行され、これらの対策をより着実なものとするためには、コミュニティ・ヘルス・ワーカーが適切に訓練を受け、保健システムを強化することが不可欠です。

また、子どもの死亡率の相対的な格差は、四半世紀の間で大きな変化がなく、サハラ以南アフリカで生まれた子どもたちは、高所得諸国で生まれた子どもたちと比べて、5歳未満で命を落とす確率が12倍近くに上ります(出典:UNICEF2016)。

世界中のすべての子どもたちが「子どもの権利条約」に掲げられている「生きる権利」を保有しており、条約締約国は、子どもたちの生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保することが求められています。子どもたちの命と健康を守るに、子どもたちの家族やコミュニティ、政府それぞれが役割を果たすことが大切です。

子どもの様子を見る医師(モザンビーク)
子どもの様子を見る医師(モザンビーク)

世界の9人に1人が栄養不良

世界の9人に1人、7億9,500万人が、健康で活動的な生活を送るために必要な食料を得られておらず、栄養不良の状態にあります(出典:WFP2016)。特に成長期にある子どもの場合、十分な栄養が得られないと免疫力低下、貧血、運動能力低下等、様々な健康問題を成長してからも抱えることになります。食べる量はもちろんですが、バランスの良い栄養をとることも、健康な生活をおくる上では非常に重要です。

特に近年では、干ばつや洪水等の自然災害により農作物や財産、仕事を失った人々が食糧確保や困難になる場合があります。また、食料価格の高騰や紛争等の影響により、最も弱い立場にある子どもたちや人々が十分な食料を得ることが困難になっています。

2017年2月には、南スーダン北部ユニティ州の一部地域で飢饉が発生したことが宣言されました。「飢饉」とは食糧安全保障が危機的な状態にあり、すでに相当数の人々が飢餓のために命を落としていることが慎重な分析によって明らかになった場合に宣言されます。世界にはすべての人が十分な栄養を摂れるだけの食料が生産されていると言われているにも関わらず、栄養不良と飢餓は子どもたちや人々の命を脅かしています。

子どもに予防接種を行う、村の保健医療従事者(ベトナム)
子どもに予防接種を行う、村の保健医療従事者(ベトナム)

ワールド・ビジョンの活動

ワールド・ビジョンは、世界およそ100カ国でこれまで60年以上にわたり、栄養改善、子どもを対象とした包括的な疾病対策、HIVに感染した人々や家族へのケア、弱い立場に置かれた子どもたちへの支援などを通じて、子どもたちの命と健康を守る活動を行ってきました。 ワールド・ビジョンは、このような活動を地域住民、地方自治体や保健省などの政府機関、医療機関と連携して行っています。また、政策提言やアドボカシー・キャンペーンを通じて、 貧しい人々が保健医療サービスを受けられることを保障するような国家の保健政策が策定・実施されるよう、途上国政府に働きかけてきました。さらに、先進国政府に対しても、そのような途上国の取り組みを政治的・資金的に支援するよう、提言してきました。

ワールド・ビジョンが発表した世界の「保健医療格差ランキング」は、健康を守るための保健サービスに最善のアクセスを得ている「ヘルスリッチ」と、保健医療施設等の有無、地理的条件、個人で負担しなければならない費用の大きさなどの要因により、保健サービスへのアクセスが限られている「ヘルスプア」の間の格差を176カ国のデータをもとに明らかにしています。多くの貧困国は保健医療格差がより大きい傾向にあり、飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するためには、各国の「もっとも弱い立場にある子どもたち」の状況を改善させることが不可欠であることを物語っています。

栄養のある食べ物を子どもに食べさせる母親(バングラデシュ)
栄養のある食べ物を子どもに食べさせる母親(バングラデシュ)

ONE GOALキャンペーン

公益財団法人日本サッカー協会(JFA)外部リンクとワールド・ビジョン・ジャパンが協力し、サッカーを通して、アジアと日本の子どもたちの栄養改善に関する啓発キャンペーン「ONE GOAL」を行っています。

「ONE GOAL」は、アジアサッカー連盟(AFC)が「アジアのすべての子どもに栄養を」という"ONE GOAL"に向かって実施している社会貢献キャンペーンで、すでにアジア各国で活動が始まっています。

アジアの5歳未満の子ども3億5000万人のうち4分の1は低体重で、1億人が発育不良です(2014年)。アジアの子どもたちがより良い食生活で、成長に必要な栄養を適切に摂取し、健やかに成長するため、ONE GOAL キャンペーンでは、アジアにいる14億人のサッカーファンとともに、各国政府、企業、市民社会と協力しながら、子どもたちの健康で活動的なライフスタイルが実現することを目指します。

出典:Fuelling Asia's footballers for the future; One goal to level the playing field, ONE GOAL

ONE GOALキャンペーンのバナーを持つ、サッカー日本代表の選手たち
ONE GOALキャンペーンのバナーを持つ、サッカー日本代表の選手たち

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