支援地域の子どもたちのおやつって?

(2017.2.13)

日本では、厚生労働省の「保育所における食事の提供ガイドライン」で、「幼児にとって間食(おやつ)は、三度の食事では補いきれない"エネルギー、栄養素、水分の補給の場"」と定義され、仕組み作りと習慣化が進んでいます。

では、支援地域の子どもたちはどうでしょうか?
地域によって、また家庭や季節によっても様々ですが、おやつどころか水や食料すら十分ではない地域が多くあります。特に砂糖は高級品なので、果物や植物以外の甘いものを口にする機会はほとんどありません。おやつは、手に入った時や特別な時に食べるもの。ここでは、各国の支援地域で食べられているおやつをご紹介します。

マラウイ

マラウイの支援地域では、「キャッサバ」をおやつにしています。
キャッサバというと、ピンとこない方も多いかもしれませんが、タピオカの原料というと少しご想像いただけるでしょうか。豊富なでんぷん質があり、比較的どこでもよく育つことから、世界第3位の主食としてたくさんの人に食べられている定番のお芋です。皮をむいて、ゆでて、芯をとって食べます。甘くありません。

マラウイの間食

フィリピン

フィリピンには、「カカニン(Kakanin)」と呼ばれる伝統菓子があり、種類も様々です。
写真は、プト・セコ(puto seko:ボーロ)と、日本のひな祭りのひし餅のようにも見えるクチンタ(cuchinta:つぶした米から作る餅のようなもの)。他にも、マジャ・ブランカ(maja blanca:ココナッツミルクのケーキ)、ビビンカ(bibingka:クリスマスに食べるお餅)、ハラヤ(halaya:紅芋ケーキ)、サピン-サピン(sapin-sapin:何層にもなった米粉ケーキ)、ビコ(biko:もち米ケーキ)等があります。

とはいえ、これらは毎日食べられるものではなく、クリスマス等の特別な時に食べます。そして支援地域では、みんなが食べられるわけではありません。

フィリピンの間食フィリピンの間食
また、下の写真のように、特別な時は小麦粉を焼いたパンケーキを食べます。子どもたち、とても嬉しそうです。

フィリピンの間食

エチオピア

エチオピアのデラ地域では、日本でも昔はかじっていたという「さとうきび」をかじる子どもの姿がみられます。ゴンダール・ズリア地域では、さとうきびに加えて、日本でも人気の「マンゴー」が採れます。デラ地域の子ども。サトウキビをかじるようすエチオピアの子ども マンゴー

ルワンダ

ルワンダでは、みんながいつも食べられるわけではありませんが、都市部では、「ウトゥバンダ(utubanda)」と呼ばれるバナナを使ったおやつを食べます。カバラガラ(Kabaragara)というバナナの品種をつかうので、カバラガラと呼ぶ人もいます。

作り方は、調理用バナナ(ルワンダの主食の一つ。甘くない)とキャッサバをつぶして粉にして、小さい丸型に形成し、油で揚げます。大きさは500円玉くらいで、砂糖は入っていないので甘くなく里芋のような味です。触感は柔らかく、バナナの香りと、少し酸っぱいキャッサバの香りがします。

買った場合、値段は、1つ10ルワンダフラン(日本円で約1.4円)。農家の人々が自宅用に育てている食材を使っているので安いようです。

下の写真は、グウィザ地域で2017年1月に撮影されたもの。この地域の公設市場で販売されていました。学校帰りの子どもたちのおやつとして、また市場で働いている人のスナックとして食べられています。

農村部では、実っている果実がある季節以外は、おやつを食べられないことがことが多いです。

ルワンダ 間食

エクアドル

写真は、エクアドルのプンガラ地域の子どもたち。手に持っているのは、「マチカ」と呼ばれる手作りお菓子です。小麦粉に黒砂糖を混ぜて味付けがされています。

カンボジア・タイ

カンボジアでは、調理した「ピーナッツ」をおやつに食べることがあります。とはいえ、いつもピーナッツが手に入るわけではないようです。


カンボジア 間食また、「貝」を食べる子どもたちもいます。写真左側が塩味、右側はチリ(唐辛子)味です。

都市部で暮らし市場等で働いている子どもたちは、駄菓子等を多く食べる傾向にあるため、栄養が偏り、発育に支障が出ることがあります。また駄菓子は、食事よりも味が濃く、子どもが美味しく感じるので、この習慣を断ち切るのは難しいといった課題もあります。同じ傾向は、タイでも見られます。

農村部では、マメ科のフルーツ「タマリンド」の木に登ったり、落ちている実を拾って食べる姿が見られます。

さらに、タマリンドを潰したものは塩とお米と一緒にして、食事としても食べられます。

ネパール

ネパールでは、間食全般を「カジャ」と呼びます。カジャは、日本なら立派な食事に匹敵する内容ですが、現地の方いわく、カジャは食事には入らないとのこと。日本でもお馴染みの「サモサ」も、食事に入りません。

そのカジャの甘い部門の代表が、「ジェリー・プリ」です。小麦粉を練ったものを網状の形に揚げて、シロップにつけこんだのがジェリー。これが非常に甘いです。さらにこれをプリという、ロティ(薄いパン)を揚げ焼きしたものに巻いて食べます。日本人には驚くほど甘く感じますが、ネパールでは国民的人気スイーツです。

支援地域であるドティでは、子どもたちも学校から帰ってきた後に、よく食べます。家庭で作ったり、駄菓子屋のような店でも手に入ります。写真はドティの朝食で、まさに食事並みの量ですが、子どもたちはドーナッツ感覚で食べています。(公立学校は10~16時が登校時間ですが、給食がないので、家に帰ったらまずスナックを食べる子どもがほとんどです)

ネパールのスイーツ

甘かったり辛かったりですが、手作りだと揚げ物が多い印象のカジャ。
この油、2、3年前まで、女の子を学校に行かせるとその世帯は政府から油をもらえる、という女子教育を促進するための制度がありました。油は栄養価が高いということも考えてのことだったようです。今は、教育の無償化が進んだためこの制度は廃止されました。

他には、ムング豆を炒ったもの(Moong Dal)やビスケット(素朴なもの)もよく食べられています。

ネパールの子どもたち

タンザニア

タンザニアでは、お菓子等を簡単に得られる状況にはありませんが、「バオバブの木の実」を食べます。バオバブの木の実は、硬い殻におおわれ、ポロポロした白い果肉があります。シャリシャリとした食感で、味はあまりありませんが、薬のような後味が残ります。葉も食べられます。

バオバブの木は、約20~500個の実をつけますが、樹齢200年を越えると約300個の実をつける木も多くあります。


バオバブの実を食べる子どもたちバオバブの木

ヨルダン

ヨルダンにいるシリア難民の子どもたちが、「シリアで食べていた甘い物の思い出」を描いてくれました。親が買ってあげられるおやつは安価なジャンクフードが多く、難民の子どもたちは、ここに描いたおやつを口にできていません。

シリアの甘い物の思い出子どもたちの絵の中に描かれたスイーツは、2種類。1つ目(写真上)は、「ハラウェット・エル・ジブン(Halawet AlJubon)」と呼ばれる、シリア中部ハマ地区のお菓子です。もちもちした小麦粉生地で、チーズクリームを包んだもの。そこまでは甘くないそうです。

もう1つは、
アラブ菓子で「ナイチンゲールの巣(Esh al bulbul)」という名前のお菓子(写真下)。クナーファ(素麺状の小麦粉生地)と、バター、ピスタチオ、カタールと呼ばれるシロップで作られる人気のスイーツです。


シリアのスイーツ
※今回は、現地スタッフや駐在スタッフ、出張に行ったスタッフからの情報をもとにご紹介しています。必ずしもすべてのチャイルドが紹介したものを食べているわけではありませんのでご了承ください。

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