「子どもたちファーストの姿勢」

(2020.09.09)

「未来ドラフト2019~わたしと難民がつながるアイデア・コンペティション~」でグランプリ受賞したチーム「チェカチェカ」のメンバー、マイケル瑛美さん(まいける えいみ:当時高校3年生)が、ウガンダにあるビディビディ難民居住地pdfアイコンを訪れ、アイデアを実現し、感じたことをまとめてくれました。

頭をなでてもらいたくて

「よくできたね」

と頭をなでてもらうことが、10年前の私にとってとても誇らしいことだった。そのために色々なことを頑張っていたと思う。

私が年下の子どもたちと遊ぶ立場になったとき、「よくできたね」と、当時を思い出し、優しく頭をなでた。恥ずかしがり屋の子でも、頭をなでると照れくさそうに笑って、仲良くなれた。

ビディビディ難民居住地(以下、ビディビディ)を訪問させていただくことが決まり、アイデアを実現する日が近づく中で、難民の子どもたちが満面の笑みで授業を楽しんでいる光景などを想像ばかりしていた。

縮まらない距離

ビディビディに到着し、子どもたちと仲良くなるために体勢を低くして、今までと同じように頭をなでようとした、そのとき、子どもたちは素早くよけ、その場を離れてしまった。妙な緊張が自分の中を走った。全員ではないが、私が体勢を少し変えただけでビクっとして走ってその場を離れてしまう子もいた。距離を置くというよりは、捕まらないように必死に逃げているようだった。

私が外国人だからか。初めて見る人だからか。顔がこわばっていたからか。子どもたちの育った環境からなのか。私の中の常識が崩れ、ぐるぐるといろんな考えが頭の中をめぐり、100人以上の子どもたちを前にどのように交流すればよいのか完全に自信を失った。そして、「言葉が通じないから仕方ない」などと言い訳を探しながら子どもたちと微妙な距離を保っていた。

そんな私を見兼ねてか、現地のスタッフさんが歌を歌い始めた。子どもたちは、口を大きく開けて、軽快なステップとボディーパーカッションも織り交ぜながら、スタッフさんの真似を始めた。

「助かった...」と、正直思った。
子どもたちと距離を縮めるための現地での常識を、体験を通して、スタッフさんから教えていただいた時間だった。
その後、言葉は通じなくとも、身振り手振りで説明し、ハンカチ落としのようなゲームで一緒に子どもたちと遊んだ。

現地スタッフさんの話に耳を傾ける子どもたち

「見習いたい」と思える大人たち

この活動を通して、たくさんの大人たちに出会った。当時、高校生だった私の話を時間を作って真剣に聞いてくださった方々、そして、壮絶な経験をしてきた、している子どもたちと様々な形で向き合うワールド・ビジョン・ジャパンと現地スタッフの方々。できれば向き合いたくない問題と真剣に向き合い、日々戦う大人たちだ。

そんな、大人たちの頭をなでてあげる人はもういないのかもしれないけれど、対価を求めず、途方もない問題に立ち向かう大人たちを見習っていきたい。

「未来ドラフト2019」グランプリ受賞チーム
マイケル 瑛美

子どもたちとハンカチ落としをしている様子(筆者右端)

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