2015.03.20
ワールド・ビジョンが支援活動において取り入れている「防災・減災」のための3原則を「第1回 コミュニティが抱える脆弱性を減らす~ソマリアの事例より~」、「第2回 災害がもたらす危険を緩和する~ウガンダの事例より~」に引き続きご紹介します。
■子どもの意見を引き出して
チャイルド・スポンサーシップによる支援を行っているコルタ地域は、アンデス山脈の中腹に位置し、場所によっては標高3000mを超える高地です。周囲には活火山もあり、地震や豪雨などによる地滑りも起きやすいため、災害リスクに備える必要の高い地域です。
かつて、この地に栄えたインカ帝国の時代にはキープ( 結縄) という紐に結び目を付けて情報を伝達する方法が用いられていました。「防災・減災」活動において、子どもたちの意見やニーズがしっかり反映されるように、このキープを用いた活動が行われています。
ある学校では、70人の小学生が参加し、「防災・減災」をテーマに、それぞれの考えをキープに託し、発表しました。このように子どもたちが自ら発表することで、「防災」の大切さが身につくとともに、実際に災害が起きた時に「減災」につながります。
■活かされた防災トレーニング
自然災害が多く発生するフィリピン。フィリピンでは、レイテ地域とサマール地域でチャイルド・スポンサーシップによる支援を行っています。2013 年11月に台風30 号(ハイエン) が発生した際には、フィリピン中部を中心に死者6200人以上、行方不明者1700 人以上という甚大な被害がありました。
2014 年度は102 人の子どもたちが参加し、温暖化や気候変動、災害の発生前後にどう行動すべきかを学びました。台風30 号の経験や、トレーニングの学びは、昨年12 月に台風22 号(ハグピート) の発生時に役立ちました。「子どもたちは台風の情報を注視し、懐中電灯、ろうそく、マッチなどの避難道具を準備して備えていました」とスタッフは語ります。