ワールド・ビジョン・ジャパンの国内子ども支援事業

(2023.06.05)

今、日本では7人に1人の子どもが、「相対的貧困」に陥っています。
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が取り組んでいる国内子ども支援事業をご紹介します。

「子どもの権利」があたりまえに守られる社会へ

WVJは子どもを支援する国際NGOとして、「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」が保障する「生きる」「育つ」「守られる」「参加する」権利が守られる世界の実現を目指しています。条約の批准国である日本においても、これまでのアドボカシー(政府への働きかけ)等が実を結び、2022年6月に「こども基本法」「こども家庭庁設置法」が成立し、2023年4月には「こども家庭庁」が発足する等、子どもの権利を実現する社会づくりが進みつつあります。

子どもたちは、学校内外での学び、遊び、多くの人との交流等、様々な体験を通じて、心身ともに成長していきますが、日本社会では、残念ながらこれらがすべての子どもにとってあたりまえとは言えない状況です。

見えづらい日本の子どもの貧困

「相対的貧困」は、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指します。日本の相対的貧困率(2018年)は、全体で15.4%、子どもで 13.5%と、先進国と呼ばれる国の中でも高い水準となっています(国民生活基礎調査 2019)。

保護者の収入減等、様々な事情を抱えた家庭では、教育費や食費を切り詰めざるを得ず、子どもたちは友達との交流や学びの場、様々な体験の機会等が失われてしまうこともあります。子どもたちの教育・生活・健康面に影響を及ぼす貧困の問題は、家庭の外からは見えづらいかもしれませんが、確かに存在しています。

私たちはこれを社会全体の課題ととらえ、解決に向けて取り組まなければなりません。

日本の子どもの未来を築くために

広める】

WVJの事務所が立地している中野区では、2022年3月に「中野区子どもの権利に関する条例」が制定されました。WVJ は地域の市民団体の一員として、子どもの権利の啓発に取り組んでいます。

その一環として、中野区立中野東図書館との共催により、中野区と中野区教育委員会の後援を得て、2022年10月から約1カ月間にわたり「子どもの権利写真展」を開催しました。準備にあたり中野区立中野東中学校にもご協力いただきました。

中野東図書館の階段書架に122枚の世界の子どもたちの写真パネルを展示

支える】

WVJでは、2020年から、主に中野区・豊島区・北区の学習支援団体や子ども食堂等へ助成金を提供しています。2022年からは、虐待等の避難者のための首都圏の民間シェルター等にも対象を拡大しました。

また、特定非営利活動法人ここからプロジェクトと連携し、中野区で長期休み中の子どもたちの居場所「なかのマイスペース」を運営しました。

加えて、2023年からは、高校に進学する生活困窮家庭の子どもを対象とした「入学お祝い金」の支給を開始しました。


参加した子どもたちの声

写真展の準備に参加した中学生の声

「世界には色んな子どもがいるということが写真を見るだけでも少しわかった。見るだけではわからないこともあるけど、見るだけでも気づくことはあるので大切だと思う」

なかのマイスペースに参加した子どもの声

「楽しく勉強ができ自由に過ごせた。家にいたら夏休みが充実しなかったので、ここに来て良かった」
「静かな環境と楽しい居場所があったのが良かった」

日本の子どもたちへの支援にご協力をお願いします

WVJは日本を含む世界の子どもたち、特に様々な権利が侵害され最もぜい弱な立場にある子どもたちとともに、これからも歩みを進めていきます。今後の国内子ども支援事業では、現在実施中の活動を基盤として、規模や対象地域を広げることを検討中です。日本の子どもたちを、日本の皆さまとともに支援し、すべての子どもが豊かないのちを生きられることを願っています。皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

国内子ども支援募金

今、日本で7人に1人の子どもが、相対的貧困に陥っています。
安心して過ごせる居場所で、学びや体験を通じて子どもたちが未来を築くためにご協力ください

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