国内子ども支援 WVJ入学お祝い金事業のご報告

(2023.12.18)

子どもたちの大切な学びの機会を支えるために

ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)では、国内支援活動の一環として、2022年10月~2023年9月にかけて、新中学生・新高校生への入学お祝い金事業を実施しました。昨今の社会経済環境など、様々な事情で進学や入学後の費用が家計の大きな負担となっています。その負担を少しでも軽減することで、大切な学びの機会を支える一助となることを願い、初めてこの事業に取り組みました。

株式会社チュチュアンナ様からのご支援もいただき、計100人の新中学生・新高校生に入学お祝い金をお渡しすることができました。

WVJ入学お祝い金事業の概要

  • 対象者

2023年4月に中学校または高等学校等(※)に入学したお子さんで、以下のすべてにあてはまる方
・日本国内に居住する(国籍は問いません)
・世帯の状況が「応募条件」のいずれかにあてはまる方
・お祝い金の贈呈後にワールド・ビジョン・ジャパンが実施するアンケートにご協力いただける方
※募集は3次にわたって行い、3次募集のみ中学校入学を対象としました

  • 支給額等

50,000円の現金および10,000円分の図書カード

※上記に加え、希望者を対象に、交流・遊びなどの社会体験機会を提供する目的でバーベキューイベントを開催しました。

  • 応募条件 

【1】児童扶養手当全部支給
【2】児童扶養手当一部支給(収入水準の目安あり)
【3】児童扶養手当一部支給且つ障害年金を受けている
【4】住民税非課税世帯
【5】生活保護受給世帯
【6】就学援助受給世帯 ※2次以降の募集で追加しました

  • 実施スケジュール

2023年1月~ 当初の募集 →3月支給
2023年3月~ 2次募集   →4月支給
2023年5月~ 3次募集   →8月支給

  • 支給対象者数

新中学生 52人
新高校生 48人
計 100人

アンケート結果から

入学お祝い金をお渡しした方を対象にアンケートを実施しました。

入学お祝い金5万円の使途として最も多かった回答は、「制服や教科書など学用品を買うため」でした。次いで、「部活や習いごとのため」「入学金や授業料など、学校への支払いのため」という回答が多く見られました。

図書カード1万円は子ども自身が使途を考えて使った場合が多かったようです。使途として最も多かった回答は、「教科書・副教材・参考書など、勉強用の本を買うため」でした。「文房具を買うため」「まんが・小説・雑誌・趣味に関する本などを買うため」という回答も同程度ずつ見られました。

ほとんどの方から、お祝い金をもらえて良かった、助かったという趣旨の回答がありました。「予想以上にお金が必要で助かった」「公的な支援を断られ困っていたので助かった」という声も多く寄せられ、中には「他のきょうだいの教育費を同時に準備しなくてはならず助かった」という声や、「子どもが勉強に励むことができて感謝している」という感想もありました。また、「贈呈式での温かいもてなしに感謝している」という声もいただきました。

3次募集(7月に図書カード、8月にお祝い金を支給)の保護者の方からは、「物価高騰の中、購入に躊躇していた部活のユニフォームや副教材の代金、夏休みの塾講習代金といったものに使うことができ助かった」といった声もあり、入学当初にかかる費用だけでなく、様々な支援につながったことがわかりました。お祝い金によって「子どもに我慢させることなく、みんなと同じように購入してあげることができた」「欲しい本や文房具を変えて喜ぶ姿を見て、私もとても嬉しく思いました」といったコメントもいただきました。

新高校生からは、お祝い金により「色々助かっています」「新しい制服が買えて良かったです」という感想や、「勉強や部活動がんばります」といったコメントが寄せられました。

新中学生からも「(お祝い金で購入した)使いやすい文房具のおかげで勉強を頑張ることができている」「大変なこともがんばれる、やる気をもらえました」といったコメントが寄せられました。



担当者より

WVJスタッフからのお祝いメッセージ
         WVJスタッフからのお祝いメッセージ

WVJとして初めての入学お祝い金事業を通じ、100人の新中学生・新高校生の学びの機会を支えられたことを嬉しく思います。株式会社チュチュアンナ様の温かいご支援に、心より感謝を申し上げます。同時に、中学や高校への進学すらも家計の大きな負担になるという日本社会の実情を目の当たりにし、経済的支援だけでなく根本的な改善に向けた取り組みの必要性を改めて感じました。

今回、WVJ入学お祝い金事業の実施にあたり、特にこだわった点が2つあります。

1つは、現金に加えて図書カードをお渡しすることです。必要な支出に充てることが優先されがちな現金だけでなく、使途がある程度限られる図書カードもお渡しすることで、子ども自身が欲しいものを買うために役立てていただけたらと期待しました。アンケート結果からは、まさにそのように活用されたご家庭が多かった様子が伺えました。いわゆる相対的貧困と言われる状況では、様々なことの選択肢が狭まりがちです。「選ぶ」という大切な自己実現をサポートさせていただけたことに感謝いたします。

もう1つは、心から「祝う」気持ちをお伝えすることです。中学・高校への進学を共に喜びたいという気持ちで、スタッフ一同、応募者の方への様々なご連絡を心を込めて行いました。また、当初の募集と2次募集で行った贈呈式では、担当スタッフだけでなくWVJの様々な部署のスタッフから桜の形のメッセージカードにお祝いの言葉を書いてもらい、壁一面に飾りました。一期一会の出会いではありますが、100人の子どもたちの人生の節目のひとつをともにに喜ぶことができたことを、とても嬉しく思います。

今回の取り組みを踏まえ、来年もWVJ入学お祝い金事業を実施する予定です。詳細が決まりましたら、WVJのホームページでご案内します。

引き続き皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
支援事業第2部国内支援・アドボカシー課 高橋・山下
E-mail: kodomo@worldvision.or.jp
TEL: 03-5334-5357

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