コンゴ東部人道危機-国連安保理に対して勧告を行いました

2008.12.12

コンゴ民主共和国では、依然として避難民が過酷な避難生活を強いられています。
ワールド・ビジョンは国連安保理に対して勧告を行いました。

ウガンダへ避難するコンゴからの難民
ウガンダへ避難するコンゴからの難民

紛争状態が続くコンゴ民主共和国東部では、10万人近い人々が避難民となっており、11月下旬には、国境を越えてウガンダへ新たに約10,000人の人々が逃れました。これで今年8月から現在までにウガンダへ難民として逃れた人々は、27,000人となりました。
ワールド・ビジョンでは、避難民キャンプにおける食糧支援をはじめとした活動を実施していますが、戦闘により物資の調達が妨げられることもあり、厳しい情況の中で支援活動を継続しています。戦闘により、人々はこれまでのような農作業をすることができなくなり、食糧を収穫できず、子どもたちの栄養不足が深刻な問題となっています。

ウガンダへ避難するコンゴからの難民
ウガンダへ避難するコンゴからの難民

ワールド・ビジョンでは、子どもたちのための栄養センターを運営し、ミルクの提供を行っています。センターへ届けられた情報によると、11月1ヵ月で合計762人の人々(うち642人が5歳以下の子どもたち)が栄養不足と診断されました。

温かいご協力をありがとうございました。募金は締め切らせていただきました。

<ワールド・ビジョンの国連安全保障理事会への勧告>

こうした情況の中ワールド・ビジョンは、11月25日に国連の安全保障理事会に対し、コンゴ民主共和国東部での人道危機に際して、特に女性と子どもを中心とした弱い立場に置かれている人々の保護が最優先とされるように、勧告を行いました。ワールド・ビジョンは最近行った調査によって、コンゴ東部で女性と少女たちに対する性的暴力が増加している事実が明らかになったことを公表。この場でプレゼンテーションを行ったワールド・ビジョン・アフリカ地域のアドボカシーディレクター、スーザン・ムバヤ氏は「これは女性と子どもを標的とした静かな戦争です。女性と少女は、兵士に出くわしたとたんにおそろしい方法でレイプされ、子どもたちは少年兵として武装勢力に編入、または再編入されています」と述べました。

避難地から避難地への移動、親と離れ離れになる子どもたち、そして難民キャンプでの基本的な生活水準の低さが、これらの被害の原因にもなっています。

「たった7歳で、少年兵として戦闘にかりだされる子もいます。誘拐される子や、また食料や教育、職業訓練を得られないために自ら武装勢力に加わってしまう子たちもいるのです」とムバヤ氏は語ります。

地域の平和と安定が達成されないかぎり、長期的な発展をめざして貧困問題に取り組んでいくことはできません。現在のところ、ニーズに対して十分な人道支援はなされておらず、また、戦闘が継続中であるためにアクセスが限られ、援助団体が現地にとって十分な活動をすることができていない状況が続き、コンゴ民主共和国は「見捨てられた緊急事態」となっています。

ワールド・ビジョンは安保理に対し、文民保護、特に女性と子どもの保護を平和維持活動の最重要課題と位置づけるよう、国連コンゴ共和国ミッションの任務見直しを呼びかけています。

これまでにワールド・ビジョンは、20,000人以上のコンゴ避難民に物資援助を行い、これから2カ月の間にさらに20万人に支援を届けます。また、戦闘の再開以来子どもたちの栄養状態が悪化していることをうけて食糧配布を行い、たきぎを集めに行く女性たちに暴力がふるわれるのを防ぐためのストーブを提供、モニタリング活動などを実施し、さらに負傷者のために医薬品を提供するなど、コンゴ民主共和国に対する支援を継続しています。

※国連安保理とNGOの公的な話合いの場において、コンゴ民主共和国東部の紛争解決のために
ワールド・ビジョンが勧告した内容は以下のとおりです:
1)即時停戦
2)交渉による解決
3)統合された平和維持活動
4)平和活動維持活動のための優先順位付け
5)人道支援のための人材・物資・資金の提供
  ・難民を受け入れているコミュニティへの支援
  ・難民に対し、安全な避難経路の確保
6)人道支援の中立性維持
7)天然資源を財源として継続する紛争の解決策の必要性


緊急援助募金へのご協力をお願いします          2008-11-12

コンゴ東部逃げる親子
コンゴ東部逃げる親子

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)東部では、2008年1月に政府軍と複数の武装集団間で停戦合意(ゴマ和平合意)が結ばれて以来、大規模な戦闘は停止されていました。しかし、10月下旬から戦闘状態となったため、北キブ州の州都ゴマ近辺では、家財道具を持って逃げ惑う人々がひしめいています。

今回新たに避難民となったのは、キブンバ、ルマンガボ、ルチュル、キワンジャに住んでいた約10万人の人々で、北西のカニャバヨンガと、北東のウガンダ国境の方向へ逃げているとみられます。今回の戦闘以前から避難民であった人々と合わせると、コンゴ東部の避難民の数は130万人を超えました。このうち約半数は子どもたちです。


避難民キャンプに到着し、支援を待つ人々
避難民キャンプに到着し、支援を待つ人々

ワールド・ビジョン(以下、WV)はこれまでも、北キブ州のゴマを拠点に避難民への支援事業を実施してきましたが、今回の危機的事態を受け、スタッフを増強し、支援活動をさらに拡大させます。避難民の人々は、今すぐに水と栄養、シェルターを必要としています。暴力的な攻撃から守られ、衛生的な場所で眠ることが必要です。WVでは、緊急支援物資の配給をはじめ、水・衛生、保健、教育、人々の保護の分野で支援活動を行っています。

コンゴ東部 避難民の子どもたち
コンゴ東部 避難民の子どもたち

10月29日から数日間はWVスタッフも一時ゴマから避難退去するなど、治安情勢は非常に厳しい状況ですが、セキュリティー対策も強化しながら、今後3カ月で35,000人の避難民を対象とした支援を実施する計画です。

今年、北キブ州で避難民の支援事業にあたった緊急人道支援課の川原田スタッフは、「コンゴ民主共和国東部は、現在、暴力的戦闘の広がりと、最低限必要な食料や保護の欠如のため、人道的に最も緊迫した状況にあります。多くの子どもたちや女性が安全と生命の危険にさらされている中、コンゴの人々のが『生きる希望』を持てるように、私たちにできる限りの決断と行動が求められています」と述べています。

なお、チャイルド・スポンサーシップによって支援を行っているトヨタ地域、及びカンボブ地域には影響は及んでおらず、通常通り支援事業を行っております。