9月8日は国際識字デー
読み書きの力を身に付けることで子どもたちに笑顔の輪が広がっています

(2022.09.06)


9月8日は国際識字デーです。
UNESCO(国際連合教育科学文化機関)が定める国際デーのひとつで、1965年9月8日、イランのテヘランで開かれた世界文相会議において、当時のイラン国王が、各国の軍事費の一部を識字教育に拠出するよう提案したことを記念して制定されました。

「識字」とは?

識字とは、読み書きができる能力を示します。もしも、読み書きができなかったら、本を読むことができず、勉強をすることができません。注意書きがあっても意味が分からず、病気になっても薬の飲み方がわからず、物の売買の際、だまされてしまうかもしれません。
自分の名前を書くことができないので、選挙で投票することもできず、社会サービスを受けるための書類も書けず、どんどん社会から取り残されてしまう危険すらあるのです。

2021年時点で、世界では読み書きをすることができない人が7億7300万人(世界の15歳以上の7人に1人にあたる人数)います。(UNESCO Institute for Statistics)



ワールド・ビジョンの識字支援

ワールド・ビジョン(WV)は、すべての子どもたちが豊かないのち生きることを目指しています。チャイルド・スポンサーシップを中心とする開発援助や緊急人道支援を通じて、どのような状況においても、子どもたちが教育を受けることができるように環境を整え、必要に応じて、学校教育を補完するような教育支援を行っています。その中でも特に注力している支援のひとつが、実用的な識字能力を身に付ける支援です。

WVの支援を受けて識字能力を身に付けることができた子どもたちの喜びの声をご紹介します。


「読書クラブのおかげで、成績がクラスで1位になりました!」
マリ共和国のシタンちゃん

マリ共和国のとある農村でWVは読書クラブを運営し、子どもたちを対象に教育的なゲームを通じて読書をするよう勧めています。設立以来、この読書クラブでは、読んだり書いたりできるようになりたいと願うたくさんの子どもたちを受け入れてきました。

その中のひとりが、シタンちゃん、小学3年生、9歳の女の子です。

シタンちゃんの両親は農家で、両親とも学校に行ったことはありません。しかし、教育の重要性を理解していて、娘のシタンちゃんがよりよい教育を受けられるよう最善を尽くしています。シタンちゃんは読書クラブに通い、日々の取り組みのおかげで読書の力が上達し、自分に自信を持つことができました。

自転車と学用品を受け取るシタンちゃん(中央右)
自転車と学用品を受け取るシタンちゃん(中央右)

「以前はあまり上手に読書ができませんでした。今では、句読点を大切にして、正確に、すらすら本を読むことができます。私は学校が好きです、なぜなら、いっぱい勉強して両親を支えられるようになりたいからです。読書クラブに通っていますが、読書クラブで学ぶことのすべてが好きです。私はアルファベットの文字・物語・ゲームを学びました。読書クラブのおかげで、100人のクラスメイトの中で1位の成績を修めることができました」

シタンちゃんの学びの成果は、これに留まりません。子どもたちの識字能力向上を目的として開催された読書大会に参加し、学校で1位になったのです。この読書大会にはWVが支援する2つの読書クラブに通う子どもたちが参加し、その人数は男の子73人、女の子86人の計159人、そのうち、42名が1~3年生でした。

「WVがこの地域で開催する初めての読書大会です。読書クラブのおかげで、最優秀賞を受賞し、自転車と学用品をもらいました。自転車のおかげで通学が楽になり、学用品を使ってもっともっと勉強することができます。WVに「ありがとう」と言いたいです。 WVは子どもたちの豊かないのちと拓かれた未来のために活動していると思います。読書や教育的なゲームを楽しむために、クラスメイトを読書クラブに誘っています」と、喜びの声を聞かせてくれました。


「WVの支援で私たちの可能性は無限大に広がります」
カンボジアのソキムちゃん

カンボジアでの識字教育プログラムによる支援の様子と、その成果を動画でご紹介します。

ほとんどの子どもたちが学校に通っていますが、読書が苦手です。
WVは、主に以下の活動に取り組んでいます。

  • 習熟度の確認
  • 先生たちへの研修
  • 本を支援し、蔵書を増やす
  • コミュニティの大人たちに、子どもたちが識字能力を身に付けることの大切さを伝える


コミュニティみんなで学びあうようになり、ソキムちゃんたちは、今、自分たちのコミュニティの話や伝統を伝える本を作っています。

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