世界最悪の人道危機に陥りつつあるアフガニスタン支援に向け、人道支援機関が共同で呼びかけ

(2022.01.14)


アフガニスタンの人道的状況は、急速に悪化しています。すべての所持品を路上で売る家族、回数も量も少ない食事しかとれない人々(その多くは女性)、きょうだいを生き残らせるために裕福な家庭に売られていく子どもたち、病院のベッドを分け合う栄養失調で瀕死の赤ちゃんたち。私たちは、テレビの電源を入れるか、ニュース記事に目を通すだけで、アフガニスタンの人々が日常的に直面している悲惨な状況を垣間見ることができます。
「ここは地獄のようです」と、ある女性は、重度の栄養失調で苦しむ幼い息子を連れて訪れた、州立病院の状況について述べました。 赤ちゃんは非常に弱っており、目を開けることも、泣くことさえもできませんでした。 赤ちゃんは横になり、小さな肺に空気を入れるのに苦労していました。

2022年1月11日、国連機関とパートナー団体である国際NGOは、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)および国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調整を通じて、アフガニスタンおよび近隣のアフガニスタン難民受け入れ国(パキスタンやイラン等)の支援ニーズを評価した最新の人道対応計画(HRP:Humanitarian Response Plan)外部リンクおよび地域難民対応計画(RRP:Regional Refugee Response Plan)外部リンクを発表しました。アフガニスタン国内の2,200万人と近隣国に逃れたアフガニスタン難民570万人等への支援のため、国際社会から約50億ドルの支援を求めています。

ワールド・ビジョンは、過去21年間にわたりアフガニスタンで活動しています。複雑な状況の中で支援活動を続ける人道支援組織として、特にぜい弱な子どもたちとその家族、地域コミュニティにとって、今のアフガニスタンの人道状況が悲惨であることを、改めて強調します。HRPは、現在のアフガニスタンの状況が続けば、5歳未満の110万人の急性栄養不良の子どもたちが医療サービスを受けられない状況に陥り、2022年には13万1,000人の子どもたちが死に直面すると警鐘を鳴らしています。

資金不足は、依然として、アフガニスタンにおける人道支援活動の主な障害の一つです。人道支援機関は、HRPを通じて、2022年に44億4,000万米ドルの資金を要請しており、2,210万人への支援を計画しています。資金そのものだけではなく、その柔軟性も、アフガニスタンでの人道支援活動において求められています。ワールド・ビジョン・アフガニスタン事務局長のアスンタ・チャールズは、次のように述べています。
「多くの資金拠出国が寛大に要請に応えてくれていますが、私たちの支援活動は、仲間であるいくつかのNGOと同様に、国際社会のテロ対策の影響、特に制裁措置と財政への厳しいアクセス管理によって厳重に制限されています。また、金融部門の流動性不足は、支援活動の維持を困難にしています」

「支援資金拠出への誓約は、実現され、資金が現地で利用可能にならなければなりません」とアスンタは続けます。すでに苦しみの中にいる人々は今、十分な食料も暖かく身を守る手段も持たないまま、氷点下にもなる厳冬を数カ月間耐えなければなりません。

アフガニスタンの子どもたちは可能性に満ちており、ワールド・ビジョンは彼らを支援することを約束しています。子どもたちは待てません。子どもたちは、私たちの助けを必要としています。そして子どもたちは、今日、助けを必要としているのです。

ワールド・ビジョンのアフガニスタンでの活動について

ワールド・ビジョン・アフガニスタンは、2001年からアフガニスタンで活動しています。この間、紛争、気候変動、その他の災害によって、約600万人のアフガニスタンの人々にもたらされた大規模な人道支援ニーズに対応してきました。また、子どもの保護、教育機会の提供、健康改善、公衆衛生、生計向上等の継続的な支援にも取り組んできました。


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