【子どものためのコロナ対策①】 話そう、新型コロナウイルスのこと

(2020.04.13)


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、あらゆる年齢の人が影響を受けています。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、「子どもたちにも、分かりやすくて正しい情報を届けたい」「安心や自信の回復につながるメッセージを届けたい」との思いから、新型コロナウイルスに関する子どものための情報を定期的に発信します。

世界の国々で発信されている新型コロナウイルスに関する情報やメッセージの中から、日本の子どもや保護者・養育者にも届けたいものをシリーズで紹介していきます。(情報は随時更新します。外部の団体・個人が作成した情報も出典を明記して掲載することがあります。)

初回は、子どもの保護者・養育者に向けた「新型コロナウイルスについて子どもと話すときに役立つヒント」です。

新型コロナウイルスについて子どもと話すときに役立つヒント

新型コロナウイルスについてどのように子どもと話したら良いか悩んでいる、どう話したら良いかわからないので話題にするのを避けているという保護者や養育者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大人と同様に、子どもも新型コロナウイルスの影響を受ける中で、周りの様子から自分なりに状況を受け止め、何かを感じています。身近な大人が自然な会話の中で子どもと新型コロナウイルスについて話し、子どもの理解を助けることは、子どもの安心や自信の回復につながります。

世界のワールド・ビジョンの事務所や、WHO・ユニセフなどの国際機関から出されている情報を参考に、新型コロナウイルスについて身近な大人が子どもと話す時に役立つヒントを以下にまとめました。すぐに使える資料も紹介しています。

主に6~12歳くらいの子どもを想定していますが、他の年齢の子どもと話すときにも参考にしていただけます。
必ずこの通りにやらなくてはいけないわけではありません。ぜひ、自分に合った方法を見つけて、子どもの気持ちに耳を傾けてください。

1:まず、子どもが知っていること・感じていることを確認しましょう

落ち着いて話ができるときに、新型コロナウイルスについて、子どもが知っていることや感じていることについて、子どもが自分の言葉で答えやすい形で聞いてみましょう。例えば、新型コロナウイルスについて、「どういうものだと思う?」「どんな気持ちがする?」といった聞き方です(イエス・ノーではなく自由に答えられる質問にすることがポイント)。

大人が想像する以上に子どもは多くのことを知っていたり、様々な想像をしていたりするかもしれません。子どもが話すことをからかったり否定したりせず、あたたかく受け止めましょう。子どもが不安や心配を口にしたときは、「今のようにいつもと違う状況で不安になったり心配になったりすることは自然なことだよ」と伝えましょう。

インドの親子
インドの親子

2:子どもが理解できる言葉や表現で、今の状況を説明しましょう

今起きていることについて、子どもが年齢や発達に応じて理解できる言葉や例えなどを使って説明しましょう。簡単な言葉で、穏やかに話しましょう。あなた自身がわからないことがあっても大丈夫です。わからないことは、わからないと子どもに正直に伝えましょう。この機会に、子どもと一緒に調べてみてもいいかもしれません(正しい情報を確かな情報源から得るようにし、噂や偽の情報に注意しましょう)。

このときに、みんなの健康や安全を守るためにどのような人たちが働いているのか、子どもと一緒に考え、感謝する時間を持ってみましょう。また、新型コロナウイルスの感染には、住んでいる地域や民族、年齢、性別などは関係がないこと、具合の悪い人や看病している人への思いやりが大切で、からかったりいじめたりしてはいけないことを伝えましょう。

カンボジアの子どもたちと
カンボジアの子どもたちとワールド・ビジョンスタッフ

3:子どもが安心できるよう手助けしましょう

子どもが安心できるよう、言葉や行動で具体的に示しましょう。自分や周りの人を新型コロナウイルスの感染から守るために実際に行っていること、例えば、家で過ごしていることや、手洗いをしっかりしていること、友達と会わずにいることなどを、子どもと一緒に一つずつ確認してみましょう。

小さなことでも、できていることや頑張っていることを確認することで、子どもの安心と自信につながります。

石けんで手を洗うフィリピンの子ども
石けんで手を洗うフィリピンの子ども

ここまでの3つのことに役立つ資料を2つご紹介します。

      • 「COVIBOOK:新型コロナウイルスについて話そう」(新型コロナウイルスを題材にした絵本)
      • コロンビアで「Mindheart」という子ども支援団体を運営しているマヌエラ・モリーナ(Manuela Molina)さんが作成した、新型コロナウイルスについて保護者や先生が子どもと一緒に話す時に役立つ本です。子どもと大人が一緒に読み進め、気持ちを書き込んだり、話し合ったりすることで、お互いの気持ちを共有し、自分にできる予防法を確認することができます。

4:話のあとは、リラックスして一緒に過ごす時間をとりましょう

新型コロナウイルスについて話した後は、ぜひ、子どもと一緒にリラックスする時間をとってください。子どもの安心感を高め、不安やストレスの軽減に役立ちます。家の中などの限られた環境でも、子どもがやりたいことをできる範囲でやってみましょう。

例えば、絵を描くこと、ゲーム、お菓子作りなどのほか、家の中でできる様々な工作遊びや体操がインターネットでも紹介されていますので、参考にしてみてください。遊びの中で子どもが新型コロナウイルスのことを表現するかもしれません。遊びの中で経験や感情を表すことは、子どもの自然なストレス対処方法でもあるので、止めずに見守ってください。


バングラデシュの家族
バングラデシュの家族

5:いつでも周りに助けを求めて良いことを伝えましょう

最後に、新型コロナウイルスに関することでも、そうでないことでも、いつでも遠慮なく周りに助けを求めて良いことを子どもに伝えましょう。からだやこころの具合が悪いときや困ったときは、我慢せずに、信頼できる大人に相談して良いということを、繰り返し伝えましょう。身近な大人に言いづらい場合などは、子どもが自分で相談できる窓口もあります。


また、子ども自身も、前述の「3」で伝えたように、家で過ごすことや手洗いをすることなどによって、自分や周りの人を感染から守る力になっていることを、改めて伝えましょう。また、子どもが何かを手伝いたいと言ってきたときは、可能な範囲で、子どもが安全にできる「お手伝い」をお願いしてみてください。自分も誰かの力になれるという感覚や体験が子どもの自信につながることがあります。ただし、無理をして頑張りすぎないよう、身近な大人が見守りましょう。

ケニアの子どもたち
ケニアの子どもたち
【参考資料】

・How to talk to kids about disasters in the news (World Vision US)
https://www.worldvision.org/christian-faith-news-stories/how-talk-kids-about-disasters-news

・Tips for parenting during the coronavirus (COVID-19) outbreak (UNICEF)
https://www.unicef.org/coronavirus/covid-19-parenting-tips#6

・COVID-19 Parenting #6 Talking about COVID-19 (WHO) https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/healthy-parenting/english-tip-6-covid-19-parenting.pdf?sfvrsn=232558c1_8

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から子どもたちを守るため、募金へのご協力をお願いいたします。

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