中高生交流イベント「南三陸を学ぶ~いま私たちにできること~」開催報告

2013.10.23

10月12日(土)~14日(月・祝)、東京・神奈川に住む中高生21人が宮城県南三陸町を訪問し、東日本大震災後の復興に取り組む地元中高生(南三陸町ボランティアサークルぶらんこ)と交流して学びの場とするイベントを実施しました。

調布市、杉並区、世田谷区、横浜市から21名の中高生が参加しました
調布市、杉並区、世田谷区、横浜市から21名の中高生が参加しました
3日目の朝は、海岸まで朝日を見に行きました。太陽が顔を出した瞬間に歓喜する子どもたち
3日目の朝は、海岸まで朝日を見に行きました。太陽が顔を出した瞬間に歓喜する子どもたち

南三陸の「いま」を知るアクティビティを行いました

防災対策庁舎の前で手を合わせる子どもたち。改めて津波の巨大さを実感しました
防災対策庁舎の前で手を合わせる子どもたち。改めて津波の巨大さを実感しました

21人の参加者のうち大半が、被災地を訪れるのは初めて。「テレビや新聞で報道されていることが本当なのか見に来ました」「最近報道が少なくなったので、被災地の現状を知りたくて参加しました」と、参加の動機を語ります。

東京駅から約5時間、南三陸町の研修施設に到着して間もなく、震災発生時の様子を地元の語り部の方がスライドを用いて説明されました。その後、被害を受けた地域をバスで見学し、年内撤去が決まった防災対策庁舎でバスを降りた子どもたちは、建物に向かって真剣に手を合わせていました。

「ぶらんこ」の高校生は、スクラップブックを持って震災時の様子を説明してくれました
「ぶらんこ」の高校生は、スクラップブックを持って震災時の様子を説明してくれました

夕食後は、ぶらんこの高校生2名が震災体験談を語りました。大変なときこそ人と人とのつながりが大切だと感じたという話に、「自分と同じ年齢の子がすごい経験をしていて、震災のことが良く分かった」という声や、1日を通じての感想として「海岸沿いを中心に何もない(復旧が進んでいない)ことに驚いた」「他人ごとだった被災地の出来事が身近に感じた」という声が聞かれました。

南三陸の魅力を体験し、交流を深めました

捕れたての帆立をほおばる子どもたち
捕れたての帆立をほおばる子どもたち

2日目は、ワールド・ビジョン・ジャパンの支援で昨年10月に完成した戸倉地区の漁協産直施設「タブの木」にて南三陸の海を体験しました。

ぶらんこのメンバーも一緒に漁船に乗り、養殖されている牡蠣や帆立の収穫を体験。陸に上がってすぐに漁師の皆さんに貝を開いていただき、捕れたての帆立に舌鼓を打ちました。午後にはワカメの芯抜きボランティアも体験。初めての経験に悪戦苦闘するも、1時間経つ頃にはみんな立ち上がって作業に熱中していました。

班ごとに行ったワークショップでは、どの班も議論が白熱しました
班ごとに行ったワークショップでは、どの班も議論が白熱しました

研修施設に戻り班ごとに活動を振り返る時間は、どの班も議論が白熱しました。「昨日何もなくなった町の様子を見たけど、漁業が復活していて驚いた」「漁師の人たちが前向きだったのが印象的」との意見が聞かれました。その後各班は、これらの学びを今後にどう生かすかというアクションプランを話し合い、翌日の発表会に備えました。

体験を今後につなげます!

2日間の学びを寸劇で発表する子どもたち
2日間の学びを寸劇で発表する子どもたち

2日間の学びを今後に生かすアクションプランの発表会では、各班共通して「南三陸の現状を家族や友達に伝える」「今回出会った南三陸や関東の友達とSNSなどを通じてつながり続ける」という意見が多く見られました。

東京から参加した高校生は「東京での生活が当たり前ではないことに気付いた。これからは1日1日を大切に生きたい」「自分が普段携わっている活動をもっと誇りに思って良いのかなと思った」という感想が聞かれました。

3日間を通じて、子どもたちはすっかり打ち解けました
3日間を通じて、子どもたちはすっかり打ち解けました

一方、ぶらんこの高校生は3日間を振り返り「復興に向けて、同年代同士で協力していきたい」「南三陸のことを知るにつれ、だんだんみんなの顔つきが変わるのを感じた。自分が今行っている活動は無駄ではないと信じてそれを続け、可能性を広げて欲しい」とメッセージを送りました。


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