東日本大震災 第81報~83報

2012.07.27

第83報:南三陸町の子どもたちが、町に提案書を提出しました!(2012.7.6)

佐藤仁町長(後列中央)とジュニア・リーダーたち
佐藤仁町長(後列中央)とジュニア・リーダーたち

6月30日(土)、南三陸町ボランティアサークルぶらんこ(以下MVCぶらんこ)に参加するジュニア・リーダーの子どもたち10名が、南三陸町の佐藤仁町長にまちづくりについての提案書を提出しました。

MVCぶらんこのリーダー佐藤さん(高2)は、「まちづくりについて考えるワークショップは、自分にとってすごく大きな活動でした。色々な人と交流しながら、町の復興に携わっていくことの大きさを感じています。これから、(町の復興のなかで)自分たちの考えが実現できたら、すごく嬉しいです」と語りました。

3月のイベントの様子
3月のイベントの様子

ワールド・ビジョン・ジャパンは、被災地復興のプロセスに、地域の将来を担う子どもたちの声が反映されることが大切だと考えています。そこで今年1月、MVCぶらんこに参加するジュニア・リーダーの子どもたちと一緒に、子どもたちの声を生かして南三陸町がより良く復興するためにはどんなことが必要かを話し合うワークショップを開始。計11回にわたって、話し合いを重ねてきました。

3月には、南三陸町で「子どもに笑顔を!地域に夢を!子どもたちのまちづくり意見交流会」を開催。交流会に先立ち、町内のすべての小・中・高校で実施したまちづくりについてのアンケート結果をもとに、子どもたちが望むまちづくりのためには何が必要で、自分たちには何ができるのか、会場に来ていた子どもや大人たちと一緒に考え、またその内容も提案書に反映しています。

提案書 抜粋

提出前、提案書の内容を確認するジュニア・リーダーたち
提出前、提案書の内容を確認するジュニア・リーダーたち

以下に抜粋してご紹介する提案書では、「つながりが増える」ことと、「災害に強い」ことの2点が柱となっており、日頃の活動で子どもや大人、町の色々な人々と関わっていく中で、震災を経験した子どもたちならではの視点が生かされています。

①つながりが増えるカフェつき公民館、つながりが増える遊び場所
人々の交流が盛んになり、コミュニケーションがとりあえる、今までにない公民館を提案します

・カフェつき公民館
色々な世代の人、町内外の色々な人が集まれて、コミュニケーションがたくさんとれる場
・図書館の機能(資料展示コーナー)
子どもたちだけでなく、色々な世代の人が勉強でき、資料展示コーナーでは南三陸の歴史を知ることができる
・公園
・子どもが元気に遊べる場所や、お年寄りの生活不活発病の改善につながる場所

提案書の内容を説明する、MVCぶらんこリーダーの佐藤さん
提案書の内容を説明する、MVCぶらんこリーダーの佐藤さん

②災害に強い安全な町~安心な町づくりのために
災害を受けて、避難所が避難所として機能していなかった問題点があるので、以下のことを提案したいと思いました。

あわてないための避難体制
・避難マップを駅前や商店街や公共施設において、観光地図のように大きく、図や写真を使い、子どもや観光客にわかりやすくする
・避難訓練を町民全員ですることと、小中高一斉に月1回程度避難訓練をし、意識を高める
避難所で自己中心的(酒を飲んで迷惑をかけるなど)な行動や、パニックにならないように避難訓練をする
・気象庁から出されたデータを大きな地震の時は、町でも考えて、町民に伝える

安心安全な避難場所
・学校などにある備蓄倉庫を避難所に設置(備蓄するもの:懐中電灯類、ごみ袋、水、食料、マッチ、ラジオ、AED、発電機など)
・積極的な防災教育を他の学校でも取り入れて、いずれは全国的に取り組まれればよいと思う

復興に取り組むパートナー

提出された提案書
提出された提案書

また町への提案だけでなく、復興のためにMVCぶらんこが実行することとして、「地区の子ども会復活に向けた行事の手伝い」「ぶらんこ通信(MVCぶらんこが発行している広報紙)の復活」「交流事業の活性化」が含まれています。

提案書を受け取った佐藤町長は、「南三陸町の復興の担い手になるのは、あなたたちです。この提案書は、後輩の子どもたちに夢を与えるための提言と受け止めています。私たちと同じ土俵で復興に取り組むパートナーとして、これからも一緒に頑張りましょう」と話してくださいました。

ワールド・ビジョン・ジャパンは今後も、子どもたちによる提案書の内容が南三陸町の復興プロセスで実現されるよう、引き続き同町教育委員会と連携しながら働きかけていきます。

第82報:南三陸町と関東の中高生による交流イベントを開催しました(2012.6.27)

参加した子どもたち
参加した子どもたち

「今日のイベントで、同じ中高生たちが色々な活動をしているのを知って、すごく刺激を受けました。今日のつながりを大切にしたいし、こういう活動が増えていくといいと思います」

6月23日(土)、宮城県南三陸町と関東近県の中高生の交流イベント「"The POWER we share, the POWER we have"~震災を乗り越えて、今こそジュニアができること~」に参加した、南三陸町ジュニア・リーダー代表の佐藤さん(高2)の感想です。

この交流イベントには、日頃から様々な地域活動を行なっている南三陸町と関東近県の6団体から、中高生約40名が参加。ワークショップを通じて社会にある色々な課題に目を向け、お互いの活動を知ることで刺激を受けながら、東日本大震災発生後、より良い社会を
築くために自分たちに何ができるかを考えました。

貿易ゲームを体験

限られた道具と資源を使って、製品を作ります
限られた道具と資源を使って、製品を作ります

第1部ではまず、各団体のメンバーがバラバラのグループに分かれて「貿易ゲーム」を体験。それぞれのグループが「国」として、与えられた道具を使って製品を作り、マーケットに売って得た金額を競います。国によって持っている資源や技術が異なり、また価格の変動など様々なことが起こる中、子どもたちは初対面とは思えないほどあっという間に打ち解け、協力しながらゲームに取り組みました。ゲームを通じて国によって環境が異なること、様々な不平等や不条理が存在することなど、現実社会にある課題を感じた子どもたちからは、
「たくさん作っていた製品の価格が暴落してしまって、手が出せなかった」
「製品を作った後に出るゴミが気になった」
など、色々な感想が上がりました。

「理想の社会」を作るために、自分たちにできること

発表の様子。様々な意見があがりました
発表の様子。様々な意見があがりました

その後、ゲームを通じて感じたことをふまえながら、グループごとに自分たちが大人になった時に望む「理想の社会」と、そのために自分たちにできることを考え、模造紙にまとめました。第2部では、各グループごとに発表し、様々な意見がでました。
「人と人とのつながりを大切にして、互いに尊重しあう」
「友だちと仲良くする」
「ボランティア活動を増やす」
「自分たちが、子どものことを考えられる大人になる」
「地元を大切にする気持ちを持つ」
「差別をしない」
といった身近なアイディアから、

会場の様子
会場の様子

「総理大臣になって国を変える」
「戦争をなくす」
などの大きなビジョンまで、様々な意見があがりました。
どのグループでも"問題に目を向けるだけでなく、行動を起こす"という視点が共通しており、日頃から自ら積極的に地域活動に取り組む子どもたちならではの意識の高さが感じられました。

そして各参加団体が、日頃から自分たちの地域で行っている活動について紹介。地域でのイベント開催や、小学生との交流、防犯活動などの通常の活動に加え、東日本大震災の被災地のために募金活動を行った団体も多く、会場では、四谷ひろばの子どもたちがイベントを通じて集めた募金が、南三陸町のジュニア・リーダーに贈られました。

「明るい気持ちを持って進んでいきたい」

南三陸町のジュニア・リーダーによる発表
南三陸町のジュニア・リーダーによる発表

南三陸町のジュニア・リーダーからは、今年1月からワールド・ビジョン・ジャパンとともに取り組んでいる、町の復興計画への提言活動が紹介されました。

「これまで、町の復興についてのワークショップに取り組んできて、こういう話し合いができることが誇りだし、中学生でも町のためにできることがあると思うと嬉しいです」
「南三陸町のジュニア・リーダーは、約40年前から活動しています。子ども会の活動サポートや他団体との交流が中心でしたが、現在は、震災によって以前のような活動はできていません。今も震災で苦しんでいる人はたくさんいます。でも、、明るい気持ちを持って進んでいきたいと思います。子どもたちを笑顔にして、この経験を後世に伝えることが私たちの役目だと思います」

震災を乗り越えて、前に向かって歩んでいるジュニア・リーダーたちの言葉に、会場の子どもたちは真剣に耳を傾けていました。

状況に立ち向かうことが、笑顔につながる

子どもたちにメッセージを贈る、ワールド・ビジョン・ジャパンの片山事務局長
子どもたちにメッセージを贈る、ワールド・ビジョン・ジャパンの片山事務局長

子どもたちの発表をうけ、ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の片山*は、
「皆さんが行っている活動は様々ですが、"自分たちにも何かができる"という思いが共通していることを感じました。ワールド・ビジョン・ジャパンのように、世界で活動しているNGOが大切にしている言葉に、"Think globally, act locally"という言葉があります。皆さんは、世界大の視野を持ちながら、自分の置かれた場所で、自分たちにできることをすでに行っています。皆さんのように、状況に立ち向かうことが子どもたちや人々の笑顔、理想とする社会の実現につながるのだと思います」とメッセージを贈りました。(*2017年3月で事務局長を退任し、現在は常務執行役員。)

参加した子どもたちからの感想

・これからの社会は私たち若者が担っていくと思うので、私たち若者が積極的に活動することは大切だと思いました
・ジュニア・リーダーとして、この輪を大切にすること、広めることをしていきたいです
・子どもたちのためにできることを、どんどんしていきたい
・これからも、今自分がしている活動を続けていきたい

参加した大人からの感想

・ 学校教育の中にも、もっとこういったプログラムが取り入れられるといいと思います
・ 子どもに責任を持たせて、進んで参加させることが、一番子どもの成長を助けるのではないかと思っています
・ 地域の将来を担う立場である子どもの意見は、とても重要だと思う
・ 地域の次世代リーダーが生まれるためにも、とても貴重な機会だと思います!
・ いつでも、どこでも、誰もがこのような会が開催できるよう頑張りたいと思います。参加できたことに感謝します

参加してくださった皆さま、ありがとうございました!

第81報:南三陸町と関東の中高生が交流!(2012.6.13)

ワールド・ビジョン・ジャパンは、6月23日(土)、宮城県南三陸町と関東近県で地域活動に参加している中高生のためのイベント「"The POWER we share, the POWER we have"~震災を乗り越えて、今こそジュニアができること~」を実施します。

中高生の活動が、大きな力に

町の復興計画について話し合う、南三陸町のジュニア・リーダーたち
町の復興計画について話し合う、南三陸町のジュニア・リーダーたち

本イベントでは、南三陸町と関東近県で地域活動に参加している中高生が、自分たちの活動について共有します。同年代の中高生が行なっている活動を互いに知ることにより、子どもたちが刺激を受け、より広い視野を持ち、「誰かのために、自分たちにできること」を実践していくためのきっかけになることを目指します。

東日本大震災発生後、被災地の多くの避難所で、積極的に炊き出しや幼い子どもたちの世話をする中高生たちの姿が見られました。その多くは、日頃から地域活動を行なってきたジュニア・リーダー(指導的役割を持って子ども会活動を導く中高生)です。ジュニア・リーダーの活動は全国で行われており、また震災発生後、中高生が被災地支援のためのボランティア団体を立ち上げるなど、より良い地域づくりのために、中高生の活動が大きな力となっています。今回の参加団体の多くは、こうした中高生のグループです。