【シリア危機】 子どもたちの未来を守る必要があります

2014.01.17

犠牲になるのはいつも子どもたちです

鉛筆を握るジョマー君。「学校に戻るの、手伝ってくれる?」と尋ねます
鉛筆を握るジョマー君。「学校に戻るの、手伝ってくれる?」と尋ねます

紛争が続くシリア。2011年に始まった武力衝突は収束の兆しが見えず、戦闘を避け国外へ逃れた人の数は200万人以上にも上ります。このうち約半数の100万人が子どもと言われており、国内避難民を含めると約540万人もの子どもたちが、この紛争によって被害を受けたとの報告もあります。

シリアの子どもたちが直面している危機は、想像を超える規模になっています。何百万という子どもたちが住み慣れた家を失い、大切な人を失いました。避難先では生きていくことだけで精いっぱいなため、教育を受け続けることができません。

2年前、家族でレバノンに逃れてきたジョマー君は、「書いたり読んだりするのが恋しいんだ」と言って鉛筆を握ります。難民キャンプで暮らす一家はとても貧しく、ジョマー君は家計を助けるために毎日セメントブロックの積み下ろしをしてわずかなお金を稼いでいます。学校へ行く時間もお金もありません。


子どもたちの未来に火を灯すために

難民キャンプで暮らす女の子
難民キャンプで暮らす女の子

ワールド・ビジョンはこのような子どもたちに希望を届けるため、シリア、レバノン、ヨルダンなど広範囲で活動を続けています。シリアでは、これまでに、約7万人に水や衛生用品、生活用品を届けました。また、レバノンやヨルダンでは難民として暮らすシリアの人々や、彼らを受け入れている地域の人々約23万人に支援を行いました。

今後も、ワールド・ビジョンは子どもの保護を最優先に考え、住む場所を失った子どもたちや、彼らを受け入れている家族などに対する支援を行います。水や食糧を届けることはもちろん、教育機会の提供、安全な場所の確保、地域に根差した子ども保護の仕組み作りなどに引き続き取り組みます。


共同キャンペーン「No Lost Generation(失われた世代にしないために)」に参加しています!

雪が舞う外と部屋を仕切るのは薄いビニールと布だけだ
雪が舞う外と部屋を仕切るのは薄いビニールと布だけだ

また、ワールド・ビジョンは、ユニセフ、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)などの国際機関およびセーブ・ザ・チルドレンなどのNGOが進める共同キャンペーン「No Lost Generation (失われた世代にしないために)」に参加。子ども支援を活動の中心に据えた団体と協働することで、シリアの子どもたちが直面する危機を広く世の中に訴え、国際社会や市民社会の意識を喚起することを目指します。

ワールド・ビジョンは、シリアの子どもの現状を独自に分析し、提言書としてまとめた「STAND WITH ME」レポートに基づき、次の点を国際社会に対して提言して働きかけつつ、緊急支援活動を続けます。

1. 国連やアラブ連盟をはじめとする国際社会は、政治的解決に向けた話し合いを実施し、和平合意を導いてください
2. 紛争関係者たちは、子どもの権利を尊重し、ただちにすべての暴力や搾取、虐待をやめてください
3. 紛争関係者たちは、子どもたちやその家族が生きるために必要な人道支援を受け入れ、活動を安全に行えるようにしてください
4. 援助機関や国際機関は、紛争下にいる子どもたちを「Lost generation (失われた世代)」にしないため、子どもたちを守る活動に必要な資金を増やしてください



未来への希望を失いつつある子どもたち。
この子どもたちの未来を、このまま閉ざしたくない。
子どもたちを暴力から保護し、教育環境を整備します。
今、募金にご協力ください。



今すぐ、募金する



最新ニュース