【4月23日は世界本の日】地域のみんなの力が高める子どもの読む力

(2023.04.21)

地域の集会に集まっている保護者たち

4月23日は「世界本の日(世界図書・著作権デー)」。日本では、「子ども読書の日」に定められています。読み理解する力は、子どもの学びと成長の鍵です。
ワールド・ビジョンがルワンダで実施しているプロジェクトをご紹介します。

ルワンダで、5人の子どもの母親として暮らすクローディネさん(仮名)は、子どもの識字率向上のために活動するグループの主要メンバーの1人です。彼女の息子、ダウディくん(6歳)は識字率向上のために地域の図書館に通う多くの子どもの1人です。

クローディネさんは、次のように話します。
「少し前のダウディは、いつも村の中をフラフラしていて、一緒に遊んでいる子どもたちから悪い影響を受けるのではないかと心配していました。村は壊れた物であふれているので、子どもたちが夢中になれる場所や活動が何もなかったのです。成績もとても悪かったです」

ある日、クローディネさんは地域のリーダーから声を掛けられ、この地域で暮らす子どもたちの識字率向上のために、自分にもできることがあることを知ります。
「息子は、地域の図書館に行くようになりました。図書館に行くのが楽しみで、本を読むことが好きになりました。私は、自分の息子だけでなく、ほかの子どもたちも誘って一緒に行くことができていてとても嬉しく思います。ほかのボランティアメンバーたちとともに、子どもの識字力向上のために活動を続けていきます」
ダウディくんの識字力向上と比例して学校での成績が良くなっていることや、図書館を通して自分が暮らす地域に貢献できていることを嬉しそうに話す彼女の顔は輝いています。

このプロジェクトは、3~9歳の子どもの識字率向上を目的としたプロジェクトで、各地域が実施している識字率向上に資する活動の質の向上を支えています。地域内のプログラムや活動に子どもたちが参加しやすい仕組みを構築したり、家庭・地域・学校の連携を強化しています。このプロジェクトが地域に導入された初年度から効果が出始めました。地区長のイマヌエル氏は次のように話します。
「このプロジェクトが初めてこの地区に導入された頃、読書クラブは機能していませんでした。読む本もなく、読書クラブ自体が存在しない地域も多くありました。読書クラブが設立され、本が与えられたことで参加する子どもたちが増え、読解力が向上しました」

地域のリーダーによるボランティアメンバーの特定・選定も成功の一因となりました。すでに地域内で栄養や子どもの保護改善の活動をしていたチームがすでに登録済みのボランティアメンバーを動員し、新ボランティアメンバーとのチームをつくりました。村のリーダー、ジョン・ボスコ氏は次のように話します。
「我々のリーダーとしての役割は、プロジェクトのことを周知し、子どもの参加を保護者に促すことです。また、障害を抱えた子どもたちも読書キャンプや読書クラブに参加できるよう工夫しています」

支援地域にある教会のエドワード牧師もこのプロジェクトを後押しする1人です。教会全体で、子どもの識字率向上をサポートしています。
「もっと多くの人たちに参加してもらいたいです。子どもたちの本を読む場として、この教会を喜んで開放します」と話します。

このプロジェクトは5カ年プロジェクトで、子どもの識字率向上に特に無関心な地域で活動を展開しています。このプロジェクトは、他団体とのコンソーシアム(ワールド・ビジョン、インブト財団、ヒューマニティ&インクルージョン、ルワンダ政府)で実施されており、USAIDに助成されています。

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