【ウクライナ危機】これまでに57,954人に支援を提供、5月末までに29万人の支援を目指します

(2022.04.21)

ウクライナで紛争が勃発してから、4月24日で2カ月を迎えます。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、4月18日までに約500万人がウクライナを離れ、そのうち280万人がポーランドに、約75万人がルーマニアに逃れたとされています。このうち半分以上の人々は、友人や家族の家に滞在してますが、3割近くは滞在先が決まっておらず、政府等が用意している避難所を頼るしかない状況です。

また、ウクライナ国内にとどまり避難生活をおくる国内避難民の数は、700万人以上にのぼります。1,200万人が支援を必要としており、このうち430万人は子どもです。

3つの支援の柱のもと、3カ月間で29万人に支援を届けます

ワールド・ビジョンは、危機発生直後からルーマニアを拠点に活動を開始し、現在はルーマニアをはじめモルドバ、ジョージア、ウクライナ国内において紛争の破壊的な影響に対応しています。具体的には、「3~5月の間に29万人の子どもとその家族に必要な支援を届ける」ことを目標に、次の3つの柱に基づいた活動を進めています。

① 基本的なニーズへの対応
基本的な食料、住居、衛生環境のニーズを満たすため、現物支給と現金支給を実施します。
② リスクからの保護 
子どもの保護、ジェンダーに基づく暴力の防止、心理社会的支援サービスの提供等、紛争の影響を受けた子どもと女性を支援し、性的搾取や虐待から保護します。
③ 各種サービスへのアクセス確保 
情報、教育、医療、社会的保護等、あらゆる基本的サービスを受けられるよう支援します。

避難所を利用する難民の方々の状況とニーズを聞き取るスタッフ(ルーマニア)
避難所を利用する難民の方々の状況とニーズを聞き取るスタッフ(ルーマニア)

4月11日までに、子ども24,105人を含む57,954人に支援を届けました

【支援を届けた人数:57,954人  うち、子ども24,105人】

【届けた物資・サービス】

  • 食料を届けた人の数:32,705人
  • 届けた食料の総量:23.21トン
  • 「子どもの保護」プログラムを通じて支援した子どもの数:558人
  • 支援した一時避難所(光熱費支援など)の利用者数:11,266人
  • 届けたヒーターの数:193点
  • 支援した避難生活キット数:299点
  • 輸送手段を支援した人の数:100人
  • 衛生用品キットを届けた人の数:13,313人 など
ウクライナ国内のホテルに身を寄せる避難民方々(約1,100人)に向けて、食料輸送の準備をするワールド・ビジョン・ルーマニアのスタッフ
ウクライナ国内のホテルに身を寄せる避難民方々(約1,100人)に向けて、食料輸送の準備をするワールド・ビジョン・ルーマニアのスタッフ

【各国での活動状況】

  • ルーマニア:38,393人に食料、保護プログラム、避難所、衛生キットを支援

・10万米ドル相当の食料、衛生キット、通信機器、ベビー用品を、ブカレスト最大の収容規模(2000人)の避難所に届けました。
・1000平方メートルの倉庫をブカレストに確保し、55,000人分の1カ月の食料をウクライナ国内に輸送する準備を進めています。
・国境の都市ヤシにて、避難所、衛生設備、移動手段、人身売買防止の啓発を含む保護プログラム等の支援を4.800人を対象に実施します。
・モバイルシステムを利用した現金給付の準備を進めます。

  • ウクライナ国内:14,738人に食料、医療用具、避難生活キットを提供

・8トン以上の食料、1,000点の病院備品、1,190点の衛生キット等の物資を、病院や避難民を受け入れる地域の団体に届けました。
・より多くの支援活動を行うための行政手続きが進行中です。

ウクライナ国内の学校で避難生活を送る家族。この学校には約300人が避難しており、ワールド・ビジョンは、食料と子ども用のおもちゃを届けました
ウクライナ国内の学校で避難生活を送る家族。この学校には約300人が避難しており、ワールド・ビジョンは、食料とおもちゃを届けました

  • ジョージア:823人に現金、生計確保、保護プログラム、教育等の支援を提供

・同国教育省の協力のもと、110人の難民の子どもたちの現地校への受け入れが実現しました。現在58人が実際に学校に通っています。
・トビリシにて食料、衛生キット、衣料、バウチャー(薬局用)等を配布しました。
・難民を受け入れている2つのホテルにて4~13歳の子ども30人を対象に、週二回の音楽療法を実施しています。
・UNHCRとともに、教育や医療へのアクセス向上、子どもの保護、心理社会的サービス提供等の支援を実施しています。

  • モルドバ:1,640人の子どもを含む4,000人に清掃用品を配布

・地方政府と協力し、避難所の浴室設備の修復に資金を提供しました。
・食料や物資を難民センターに届けました。
・WFPとともに、ウクライナ難民を受け入れるモルドバ人家庭を対象とした現金給付プロジェクトを進めています。

グルジアの避難所で実施している音楽療法の様子
ジョージアの避難所で実施している音楽療法の様子

募金を受け付けています

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、紛争等の影響により、危機的な状況にある難民・国内避難民を支援する「ウクライナ緊急支援募金」を受け付けています。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
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