【国連防災世界会議】 子どもたちの訴えが採択文に盛り込まれました!

子ども代表としてワールド・ビジョンから2人が参加

3月14日(土)から仙台市で開かれていた国連防災世界会議が、「仙台行動枠組」を採択し18日(水)に閉幕しました。国連加盟国のほとんど(186カ国)が参加し、新たな防災・減災対策が話し合われたこの会議に、ワールド・ビジョンは、子ども支援団体のグローバルネットワーク「気候変動の時代を生きる子どもたち」の一員として参加。モンゴルのルブサンシャラブ君とインドネシアのユディアント君はワールド・ビジョン代表として、他団体の代表の子どもたちとともに、子どもを防災・減災対策の中心に据えるよう連日訴えました。

その結果、多くの若者や子どもたちの活動が実を結び、採択文書には、子どもと若者が変革をもたらす存在として明記され、災害リスク軽減の活動を政治や教育によって後押しすることが盛り込まれました。

採択文書はこちら(英文)pdfアイコン (p.20 V (ii)に子どもと若者の存在が明記されています)


モンゴル、インドネシア、日本、カンボジア等から集まった子ども代表たち
モンゴル、インドネシア、日本、カンボジア等から集まった子ども代表たち

国連事務総長の前で意見を表明しました!

開会式の翌日の15日(日)、子どもと若者が防災・減災について話し合うフォーラムに、ルブサンシャラブ君が子ども代表として登壇しました。そしてこのフォーラムに、潘基文国連事務総長が急きょ出席。ルブサンシャラブ君は、事務総長の前で次のように訴えました。

1,私たち子どもや若者が防災・減災活動に意味ある参加ができるよう、そして適切な情報が得られるよう、サポートしてください
2,防災・減災活動の計画から実行まで、地域レベル、国レベルで子どもが参加できるようにしてください
3,子どもや若者にも防災・減災のコンセプトが分かるようにしてください
4,学校を安全な場所にしてください


若者代表の3人と、子ども代表2人の意見を聞き終えた潘事務総長は、「若い人たちには、他人を気遣う心を持ち、国境や国籍を越えて'Global Citizen'として活躍して欲しい。その中から、未来のリーダーが生まれると信じている。若者の力はとても重要」と述べました。 続々と要人へ意見を訴えました


潘基文事務総長と握手するルブサンシャラブ君
潘基文事務総長と握手するルブサンシャラブ君

続々と要人へ意見を訴えました

その後も、フィリピンのレイナルド・ラグーダ教育副大臣(16日)、国連事務総長の青少年問題特使アハメッド・アレンダヴィ氏(17日)と相次いで面会が叶い、防災・減災の活動のみならず、計画の段階から子どもの声を聞いて欲しいと訴えました。

これに対してアレンダヴィ特使は、「子どもが防災・減災の活動に参加することで、災害はもっと減らせる」と述べたうえで、「この会議は大人の話し合いではなく、'あなた'の問題なのだということを、周りの子どもたちに伝えて欲しい」と語りました。

アレンダヴィ特使(中央)と面会するルブサンシャラブ君とユディ君
アレンダヴィ特使(中央)と面会するルブサンシャラブ君とユディ君

世界の子どもや若者と話し合いました

また、16日には、日頃から防災・減災活動に従事する世界の若者と子ども約30人が集まり、互いの経験をシェアしたり、今後に生かすこと等を話しあうワークショップが開かれました。

干ばつの頻発する地域に住むユディアント君は、子どもクラブのリーダーとして実施している植林活動を参加者の前で紹介し、未来へのアクションプランを話し合うグループワークでも積極的に意見を述べました。

集まった約30人の若者と子どもたち
集まった約30人の若者と子どもたち

子どもたちは、これからも活動を続けます

今回の会議を振り返って、「新しい知識と新しい友達を得られて嬉しいです。今回学んだことを地域のみんなに教えたいです」と感想を聞かせてくれたユディアント君。

ルブサンシャラブ君は、「帰国したら、放課後防災クラブを立ち上げたいと思っています。世界の様々な人の様々な経験が聞けて勉強になったし、この知識を自分の住んでいる地域に還元したいのです。そして、これからも学び続けます」と抱負を語ってくれました。

会議場近くの青葉城で、束の間の観光を楽しんだ2人。言葉は違うものの経験を共有し、すっかり打ち解けました
会議場近くの青葉城で、束の間の観光を楽しんだ2人。言葉は違うものの経験を共有し、すっかり打ち解けました