福島子ども支援事業、キックオフ!

(2016.05.11)



福島の子どもたちが健やかに成長できる環境を

2016年4月、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、福島の子どもたちの'今'に寄り添う「福島子ども支援事業」を新たにスタートしました。

福島県では、原発事故による長引く避難生活等、東日本大震災の直接的・間接的な影響により、家庭の生活基盤が変化し、生活上の様々なリスクが顕在化しつつあります。本事業では、このような環境の中で子どもたちが抱える不安やストレス等を軽減するための支援を、福島県で15年以上の活動実績を持つNPO法人ビーンズふくしまと協働で実施。①生活困窮家庭の子どもの支援、②仮設住宅等で生活する子どもの学び・遊びの支援、③事業から得られる知見の蓄積と発信、の3つを柱に、子どもが本来持っている力を育み、豊かな人生を送ることができる環境づくりを目指します。

「福島子ども支援事業」に携わるメンバー
「福島子ども支援事業」に携わるメンバー

子どもたちの"力"を引き出すために

福島子ども支援事業が本格始動したのに際し、4月14日(木)、WVJとビーンズふくしまの関係者が集い、本事業の目標やメンバーの意識を共有するキックオフミーティングを開催しました。

WVJの事務局長 片山は、「私たちの海外における子ども支援の知見と、ビーンズふくしまさんの知見を持ち寄り、子どもたちの本来の力を引き出せれば」と意気込みを述べました。また、ビーンズふくしま理事長の若月ちよ氏は、「子どもたちにはもともと"力"があると思ってます。それを発揮できない状況にある子どもたちには、まわりの大人がサポートしていく必要があります。子どもたちにとってより良い事業を進めて行きたいです」と語りました。

キックオフミーティングの終わりに、出席者全員が本事業に対する抱負を紙に記載、その紙を貼った風船を「キックオフ!」の掛け声とともに高くけり上げました。

「キックオフ!」の声で想いをこめた風船が舞い上がりました
キックオフ!」の声で想いをこめた風船が舞い上がりました

複雑な課題、協働でチャレンジ

続いて開催された事業説明会と座談会には、県内で子どものために活動する団体や行政等から関係者約30名が出席しました。

座談会では、各団体の活動を通して見えた成果や課題が共有され、子どもの電話相談を受けるNPOの代表からは、「被災3県(岩手県、宮城県、福島県)のうち、福島県の相談件数だけが増え続けている」という現状が報告されました。このほか、「震災離婚が増える等、親も悩みを抱えている。特に父親は一人で悩む傾向があるため、父親向けの集いを企画している」「仮設住宅の子どもが減って残った子どもが孤立していたり、引越した子どもが新しいコミュニティで孤立したりしている」という報告もありました。

事業説明会で挨拶するWVJ事務局長の片山
事業説明会で挨拶するWVJ事務局長の片山

子どもたちの置かれた状況は簡単に改善できるものではありませんが、WVJはビーンズふくしまとともに、複雑な課題に協働してチャレンジしていきます。


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ビーンズふくしまが実施する仮設住宅での学習支援の様子
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