野口聡一さんをお迎えしたWVカフェ開催報告

2010.09.24

310名が参加してくださいました

会場のようす
会場のようす

9月10日(金)、JAXA宇宙飛行士の野口聡一さんをお迎えしてワールド・ビジョン・カフェを開催しました!当日は、多くの子どもたちを含む310名の方々がご参加くださり、野口さんの知的な、温かい人柄があふれたお話に耳を傾けました。

1998年から、個人的にチャイルド・スポンサーシップを通して途上国の子どもたちを支援してくださっている野口さん。2009年12月から2010年6月までの国際宇宙ステーション・長期滞在ミッションの際に、ワールド・ビジョンのTシャツを公式飛行記念品:OFK(Official Flight Kit)*として宇宙に持って行ってくださいました。

返還のようす
返還のようす

当日は、まずそのTシャツを返還していただきました。TシャツをOFKとして選んでくださった理由について、「ワールド・ビジョンの趣旨に賛同し、何か記念になる物をお預かりしたいと思いました。実際に宇宙で自分と行動をともにしたTシャツを返還することができ、嬉しく思っています」と、野口さん。
このTシャツは今後、チャイルド・スポンサーシップを通して野口さんにご支援いただいているベトナムのチャイルドが住む地域に送り、その地域に住む子どもたちにも宇宙への夢をはせてもらえるよう、展示していきます。

ベトナムとの生中継を実施

ベトナムの子どもたちとの交流を楽しむ野口さん
ベトナムの子どもたちとの交流を楽しむ野口さん

その後は、今回の国際宇宙ステーション・長期滞在ミッションを通じた経験や、地球への思いについてお話を伺いました。
「宇宙から地球を見ていると、先進国と途上国の違いは明らかに分かります。例えば夜になると、日本は北から南まで光の海になっていて、日本だけが浮き上がっているかのように見えます。しかし逆に昼は、ベトナムを含む東南アジア諸国のつながりの中に日本があり、アジアと日本が本当に近いこと、日本はアジアの一員であることを実感しました」

そして、野口さんがご支援くださっているベトナムのチャイルドが通う学校と会場を、生中継でつなぎました。この日を楽しみに待っていた子どもたちは、ついに野口さんと直接話すことができて大喜び。皆で考えたたくさんの質問のうち、3つを野口さんに質問しました。

■宇宙から見た地球は、どれくらい大きかったですか?(トゥイ君)
「宇宙から見える地球はとても大きかったですが、日本やベトナムのようすはよく分かりました。例えば日本では富士山が、ベトナムではハノイやホーチミンの美しいようすが、よく見えました」

生中継に参加した子どもたち
生中継に参加した子どもたち

■宇宙では、どうやって食事していましたか?(リンちゃん)
「宇宙では宇宙食を食べていましたが、地上にいた頃と同じように、お箸を使ってご飯を食べたり、フォークを使ってお肉を食べたりすることもできます。僕はベトナムのフォーが大好きなので、いつか宇宙でもフォーを食べたいなと思っています」

■どうすれば、私たちも宇宙飛行士になれますか?(野口さんのチャイルド、クッちゃん)
「これから世界中の子どもたちが宇宙に行ける時代が来れば、素晴らしいと思います。宇宙飛行士になりたければ、学校でよく勉強してください。ベトナムも科学技術に強い国なので、学校で科学などをよく勉強すればいいと思います」

最後に、野口さんから「今回の僕の宇宙飛行を通じて、皆が宇宙への夢を持ってくれたら、素晴らしいと思います。これからも学校や家でよく勉強して、素晴らしい大人になってください」とメッセージが伝えられると、子どもたちは元気に「ありがとうございます!」と笑顔で答え、会場も温かい拍手で包まれました。

たくさんの質問にお答えいただきました

会場の子どもたちからも、質問が寄せられました
会場の子どもたちからも、質問が寄せられました

Q&Aタイムには、会場の子どもたち、参加者からもたくさんの質問が寄せられ、野口さんが丁寧にお答えくださいました。その一部をご紹介します。

■野口さんが、人とのコミュニケーションのなかで大切にしていることは何ですか?
「まず、分かりやすく話すことが大切だと思います。また、できれば片言でも相手の言語を話せればよいですが、そのベースには相互に理解しあおうとする姿勢があること大切で、それが言語の勉強や、相手の文化に対する敬意・理解として表れてくるのではないかと思います」

■宇宙に行く前、行った後で、どのような価値観の変化がありましたか?
「今回地球に帰って来た時に最初に感じたのは、"雲が高い所にある"ということでした。それまで雲は自分の足元にあり、地球にへばりついていた存在だったからです。空にある雲を見上げた時に、"私たちは空気の海の底に住んでいるんだ"と思ったんです。地球が1つの生命体だとしたら、山が地球の骨、水と空気が地球の血液で、そこにあるいのちを育ててくれているのだと思います。だからこそ、大切にしていかなければならないのだと思います」

参加者からの質問に答える野口さん
参加者からの質問に答える野口さん

■なぜ、これから多くの子どもたちに"宇宙に行ってほしい"と思われるのですか?
「子どもたちにも美しい地球の景色を見てもらって、地球をいつまでも綺麗に保ってほしいと思うからです。また、水や空気、太陽からの恵みなど、どのようなリソースによって、この宇宙船地球号が生きているのかを見てもらえれば嬉しいと思います」

最後に、ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の片山から感謝盾が贈られると、野口さんからは国際宇宙ステーションから撮影した富士山の写真、野口さんとともに宇宙を旅したピンバッジが手渡されました。

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します

素敵な贈り物をいただきました
素敵な贈り物をいただきました

子どもたちからの感想

●今日はきちょうな話を聞かせてくれてありがとうございました。宇宙の仕事をがんばってください。これからもチャイルド・スポンサーとしてがんばってください。
●今日はきてくれてありがとうございました。うちゅうにいくときまたTシャツをもっていってください。
●しょうらいじんこうえいせいをつくるひとになりたいです。

参加者からの感想

●野口さんのスケールの大きな話と活動、ベトナムの子どもたちとの交流がこういう形で行われたことに感動しました。ベトナムの人たちにとって大きな希望になったと思うと同時に、自分への励ましにもなりました。
●宇宙から見ての日本と世界の関わり、その姿、様々なお話を伺え、大変よい時間となりました。ありがとうございます。
●一般人、著名人に関わらず、いち地球人としてみんなが助け合っていくことの大切さを、宇宙飛行士である野口さんのお話で改めて思うことができました。
●私も同じ地域を支援しているので、遠くだと思っていた地域とつながり、元気な子どもたちの姿を見て、嬉しく思いました。野口さんのチャイルドに対する優しい気持ちが伝わってきて、感動しました。

野口さん、参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!

★当日のようすは、こちらからご覧いただけます。

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10/30(土)活動報告会@WVJ事務所 を行います
みなさん、ぜひご参加ください!
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