ロヒンギャ難民キャンプで初のコロナ死者 さらなる予防策が喫緊の課題

(2020.06.03)


バングラデシュ南東部コックスバザールにあるロヒンギャ難民キャンプで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による初めての死者が確認されました。

コックスバザールでロヒンギャ難民の支援にあたるワールド・ビジョンのレイチェル・ウルフはこう語ります。
「残念ながら、この事態は予想外のことではありませんでした。COVID-19はバングラデシュで何百人もの命を奪い、今や難民キャンプをも攻撃しています。NGOや国連機関が予防策を強化しているため、地球上で最も人口密度が高い地域の一つにも関わらずウイルスの拡散を遅らせてきたことは心強い事実です。今後、このような活動がさらに重要になります」

3密で暮らさざるを得ない状況
狭い地域に多くの人が密集して暮らすコックスバザールの難民キャンプ

WHO(世界保健機関)によると、5月31日時点で、難民キャンプに住む86万人のうち29人がCOVID-19に感染していると確認されています。難民キャンプがあるコックスバザール地域全体では、702人の患者が確認され13人が死亡しています。バングラデシュ全土では、49,500件を超える症例が報告され672人が死亡しており、その数は増え続けています。

「100万人近い人々が暮らす難民キャンプで、最も必要とされている支援を、彼らの安全を確保しながら届けなければなりません」と、ウルフは続けます。「例えば、ワールド・ビジョンは、毎日1,000人の女性が交代で料理をする42のコミュニティ・キッチンを再開する予定ですが、ソーシャル・ディスタンシングを再啓発するまで再開しない方針です」

なお、コックスバザールで人道支援に携わる医療従事者は、難民の方々がCOVID-19の検査を受けられるようにし、陽性と判定された人々が適切なケアを受けられるよう体制を整えています。接触者の追跡や彼らの隔離措置も実施されています。

手洗いの指導をする様子
ロヒンギャ難民キャンプでの手洗い指導の様子


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