国際NGOワールド・ビジョン声明を発表:国連安全保障理事会のガザ停戦決議を歓迎するも、子どもたちの回復のための第一歩に過ぎず、恒久平和が必要です

(2024.03.28)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、2024年3月25日に国連安全保障理事会がパレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める決議を採択したことを受けて、翌26日に声明を発表しました。

WVは、国連安全保障理事会が採択した停戦決議を歓迎します。私たちは、すべての当事者がこの決議を受け入れることを祈ります。飢餓を回避するために、人道支援は今、それを切実に必要としている子どもたちに届けられなければなりません。WVは、停戦がすぐに敵対行為の恒久的な終結と平和につながらなければ、停戦の価値は限られたものになると警告しています。そうでなければ、子どもたちはこの紛争で壊滅的な代償を払い続けることになります。

WVの総裁/最高責任者であるアンドリュー・モーリーは次のように述べます。
「私たちは、すべての紛争において、民間人、特に子どもが保護されなければならないという原則を再確立するための第一歩として、この停戦決議を歓迎します。想像を絶する痛みと苦しみの数カ月間で、数え切れないほどの命が打ち砕かれ、心が痛む状況です」

「直ちに停戦を実施し、すべての人質を解放すべきです。命を救うための支援が、複数の国にまたがる紛争で何カ月も苦しんできた子どもたちに届けられなければなりません」

ガザとヨルダン川西岸地区の家族の状況は、驚くべき速さで悪化しています。2023年10月7日に起きた凄惨なテロ攻撃以来、人道支援のニーズは急激に高まっています。ヨルダン川西岸地区、レバノン、シリア、そしてその他の地域の子どもたちが紛争のさらなる衝撃を感じる中、新たな破壊と喪失が日々発生しています。

WV総裁/最高責任者、アンドリュー・モーリーは続けて述べます。
「この世代の子どもたちは、生涯にわたって身体的・精神的な傷を負うことになるのです。多くの子どもたちが暴力によって家を追われ、学校に通えず、人質となった愛する人々と離ればなれになり、医療も受けられず、食料も絶望的に不足しています。その影響は一時的な停戦が成立しても最終的には回復しないほど甚大です」

「子どもたちは、飢え、親を失うこと、家族を人質に取られるといったような激しい痛みを経験すべきではありません。武力衝突が終わったら、この紛争の影響を受けた子どもたちが、神から与えられた人生の可能性を実現し続けることができるように、私たち全員が声を上げる必要があります。私たちは、理解、癒し、平和の新しい潮流を求める声を大きくして、誰も、どの側にいても、無差別殺戮の状態に戻ることができないようにしなければなりません」

ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
※詳細はこちら:www.worldvision.jp

パレスチナ自治区におけるワールド・ビジョンの活動

ワールド・ビジョンは1975年にエルサレム、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区で活動を開始しました。それ以来、ヨルダン川西岸地区で活動する組織の中で最も広範なコミュニティに根差した支援活動を発展させ、80人の専任スタッフを擁しています。2023年には、ヨルダン川西岸地区の約150カ村に住む、およそ9万5,000人の子どもたちを含む13万6,000人以上の人々とともに活動を進めました。ワールド・ビジョンはガザ地区では、2016年以降、現在も、活動していません。