中東危機発生から100日。国際NGOワールド・ビジョン「子どもの命を守るため、恒久的な平和と人道支援へのアクセスが不可欠です」

(2024.01.17)

中東危機が始まってから、2024年1月15日で100日が経ちましたが、子どもたちと家族は依然として紛争の矢面に立たされています。最近のどの紛争よりも多くの子どもたちがすでに命を落としている暴力下において、罪のない命を救うためには、恒久的な平和と人道的アクセスが不可欠です。

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、この危機に関わるすべての指導者に対し、地域のすべての子どもたちの平和と長期的な幸福を促進するよう呼びかけています。

10月7日のイスラエルへの恐ろしい攻撃から100日が経ちましたが、人々は依然として人質となっており、子どもたちは包囲されています。 中東全体で苦しんでいる子どもたちの数は増え続けています。

子どもは誰ひとりとして、紛争を生き抜くのに必死になったり、人質にされたりすべきではありません。 すべての民間人は人道支援にアクセスすることを妨げられてはなりません。国連の飢餓監視システムである総合的食料安全保障レベル分類(IPC: Integrated Food Security Phase Classification)は、ガザの人々は現世代が記憶している世界の食料危機のいずれよりも重篤なレベルで、危機的またはそれ以上のレベルの深刻な危機(急性食料不安)に直面していると警告しています。

ヨルダン川西岸地区全体では、暴力、騒乱、アクセス制限が依然として見られ、人道支援者が最も支援を必要としている人々に支援を届けることができず、子どもたちとその家族が健康的な生活を送ることができなくなっています。

終らない暴力、食料不安、学校閉鎖は、あたりまえの子ども時代を不可能にしています。より多くの子どもたちが殺されたり負傷しており、すべての子どもたちが精神的・感情的な健康に害を受けています。一世代の子どもたちの人生は、この危機によって深刻な影響を受けるでしょう。

「すべての子どもの命は、神聖で尊いものです。人質を解放し、生きるために必要な人道支援を提供することで、すべての子どもたちを守ることが最優先されるべきです」 と、ワールド・ビジョンの総裁/最高責任者で牧師のアンドリュー・モーリーは述べています。

「100日間はおろか、1日でさえも、子どもがこのような未曾有の苦しみを強いられるのには長すぎます」

地域での不安定化の拡大が懸念される中、ワールド・ビジョンは、世界は恒久的な平和を達成し、必要な物資へのアクセスを拡大し、地域で増大する飢餓と貧困を解決する方法について早急に話し合う必要があると述べています。

「歴史的な規模の破壊である人道危機は、継続的かつ大規模な支援によってのみ解決することができます とモーリーは語ります。

ワールド・ビジョンは現在、家族の緊急のニーズに対応し、安全に安心して過ごせる居場所を作り、心理社会的支援を提供することで、中東地域の弱い立場にある子どもたちを支援しています。また、避難民が支援を必要とするほかの地域を含む世界100カ国で活動しており、今度も危機を乗り越えて支援を続けていきます。

ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
※詳細はこちら:www.worldvision.jp

パレスチナ自治区におけるワールド・ビジョンの活動

ワールド・ビジョンは1975年にエルサレム、ヨルダン川西岸地区、ガザ地区で活動を開始しました。それ以来、ヨルダン川西岸地区で活動する組織の中で最も広範なコミュニティに根差した支援活動を発展させ、80人の専任スタッフを擁しています。2023年には、ヨルダン川西岸地区の約150カ村に住む、およそ9万5,000人の子どもたちを含む13万6,000人以上の人々とともに活動を進めました。ワールド・ビジョンはまた、レバノン、ヨルダン、シリアを含む地域の多くの国で活動しています。ワールド・ビジョンはガザ地区では、2016年以降、現在も、活動していません。

本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:德永美能里
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