【アフガニスタン地震第2報】国際NGOワールド・ビジョン、2週間でおよそ2万5,000人に支援を提供。悪化する人道状況やメンタルヘルスへの中長期的対応を訴え

(2023.10.26)

アフガニスタン西部ヘラート州では10月7日以降の相次ぐ地震により被害が拡大しています。世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、地震発生直後から緊急対応を開始、2週間でおよそ25,000人に支援を届けました。人道危機に追い打ちをかけた今回の地震。立ち上がろうとするアフガニスタンの人々を支えるため中長期的な支援が求められています。

ワールド・ビジョンの移動診療チームから栄養補助食パッケージを受け取る女性
ワールド・ビジョンの移動診療チームから栄養補助食パッケージを受け取る女性

2023年10月7日にアフガニスタンのヘラート州でマグニチュード6.3の強い地震が発生しました。1回目の地震に続き、同日に再び、また、4日後の10月11日、そして、15日にも同規模の地震が発生し、被害が拡大しています。多くの家屋が瓦礫と化し、15万4,000人にのぼる人々が影響を受けています。(UNOCHA10月20日)

ヘラートでのワールド・ビジョンの働き

ヘラートの被災地域の子どもたち
ヘラートの被災地域の子どもたち

国際NGOワールド・ビジョンは、2021年からヘラート州を含むアフガニスタン西部で支援活動を実施しています。今回の地震で、ワールド・ビジョンの活動地域も被災しました。地震発生直後から、移動診療の提供を含む緊急対応を開始し10月22日までに、保健サービス、水・衛生、現金給付、緊急援助物資の配布、子どもや弱い立場にある人々の保護プログラムなどの活動を通して、およそ2万5千人の人々に支援を届けました。

中でも子どもの保護の分野においては、地震発生以降、次の活動を実施しました。
・子どもの保護のためのヘルプデスクを5カ所に設置
・子どもが安心して安全に過ごせる遊び場「チャイルド・フレンドリー・スペース」を4カ所で運営
・子どもの保護が必要な27件のケースを特定し、該当する子どもをチャイルド・フレンドリー・スペースに登録
・70人の保護者に、子どもへの接し方、子どもの保護、子どの健やかな成長についてのオリエンテーションを提供

ワールド・ビジョン・アフガニスタン事務局長の声

被災地域で活動するWVスタッフ
被災地域で活動するWVスタッフ

ワールド・ビジョン・アフガニスタン事務局長 タミンドリ・デ・シルヴァは次のように述べています.
「地震が発生する以前から、アフガニスタンでは、気候変動が引き起こす干ばつなどの劇的な事象や、数十年にわたる紛争や政治の混乱による経済停滞の影響を受け、2,920万人の超える人々が人道支援で命を繋いでいました。国際社会は長らくその状況に目をつぶってきたのです。国際社会の対応は残念ながら十分ではなく、今回の地震によって、より多くの人々が人道支援を必要とする状態に追い込まれたのです」

「医療、水、食料、住居など緊急のニーズに対応することがまず必要です。同時に、メンタルヘルスへの悪影響やすでに危機的な状況にあった人道状況の悪化など、今回の地震の中長期的影響にもこたえていく必要があります」

「ヘラートの2500年の歴史の中で、アフガニスタンの人々は多くの苦難を乗り越えてきました。彼らの不屈の精神は、詩歌、美術品、建築物などにも表されています。この困難の最中にあって、ともに立ち上がり、互いを助け合うアフガンニスタン人の同僚の卓越した姿勢を私自身は目の当たりにしています。今朝も、ワールド・ビジョンでともに働くアフガニスタン人の同僚は、屋外あるいはテントで幼い子どもたちと夜を明かした後、皺のない衣服に身を包み、遅れることもなく出勤し、ヘラート州のコミュニティに支援を届けるために力を尽くしています」

「私たちは、ヘラートの人々が喪失を乗り越え、コミュニティと生活を建て直し、希望をつないでいくプロセスに、寄り添うときに、苦難の歴史の中で培われてきたアフガニスタンの人々のレジリエンスに目を留めたいと思います」

「最も深刻な影響を受けて居るのは子どもたちです。厳しい状況においうちをかけるように発生した今回の地震という新たな試練を生き延びた子どもたちが、未来に希望をつないでいけるよう、私たちは支援していく必要があります」

募金を受け付けています

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、日本の皆さまから、「アフガニスタン地震緊急支援募金」を受け付けています。
緊急な支援を必要とされている人々に対して「アフガニスタン地震緊急支援募金」にご協力ください。 

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現金給付の会場に集う人々
現金給付の会場に集う人々

ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
※詳細はこちら:www.worldvision.jp

アフガニスタンにおけるワールド・ビジョンの活動

ワールド・ビジョンはアフガニスタンにおいて、紛争や自然災害の影響を受ける子どもたちや家族の人道的ニーズに応えるために、2001年に緊急援助を開始しました。それから22年間あまり、ワールド・ビジョンはアフガニスタンのコミュニティの人々と連携し、アフガニスタン西部のヘラート州、ゴール州、バギス州、ファリャブ州において、人道支援ならびに早期復興、レジリエンス強化、開発支援を提供してきました。ワールド・ビジョン・アフガニスタンの活動の優先分野は、母子保健、栄養改善、水衛生、生計向上、食料安全保障、教育、子どもの保護、多目的な現金給付プログラムです。

ワールド・ビジョンは、コミュニティの人々とともに活動することで、状況に多面的に対応し、人々の基本的ニーズを包括的に満たし、復興とレジリエンス、また、コミュニティの発展を促すことを目指しています。2021年8月以降2023年8月までに、166万746人のこどもたちを含む332万8708人に支援を届けました。

本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:德永美能里
【電話】090-6567-9711  【Eメール】minori_tokunaga@worldvision.or.jp