パレスチナ自治区ガザのワールド・ビジョン スタッフにかけられた嫌疑について

(2016.08.06)

2016年6月15日、ワールド・ビジョン パレスチナ自治区ガザの事業マネージャー、モハマド・エル・ハラビが、いつもの通り仕事のミーティングを終えて帰宅する途中で逮捕されました。イスラエル当局に拘束されてから50日となる2016年8月4日、モハマドはイスラム原理主義組織ハマスに支援を提供したという罪で起訴されました。ワールド・ビジョンはモハマドに対するこのような嫌疑を衝撃とともに受け止めています。

ワールド・ビジョンはキリスト教精神に基づいて開発援助・緊急人道支援・アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGOです。子どもたちとその家族、そして彼らが暮らす地域社会とともに、貧困と不公正を克服する活動を行っています。宗教、人種、民族、性別にかかわらず、すべての人々のために働きます。イスラエル/パレスチナでは、ワールド・ビジョンは40年以上にわたって活動し、教育、保健、子どもの保護、そして困難からの回復力を高める支援事業を通して、50万人以上のもっとも弱い立場にある子どもたちに希望を与える働きをすべく努めてきました。

ワールド・ビジョンは人道的原則である公平性と中立性に同意し、いかなる政治的、軍事的またはテロに関わる活動に関与することを拒否し、貧困にある人々、とりわけ子どもたちに仕えるために全力を尽くす人道的支援機関としての独立を保持しています。ワールド・ビジョンは、委ねられた資金が、適用すべき法的必要事項に従い、紛争を助長するのではなく平和に貢献するために支出されるよう、必要な手続きと管理監督の仕組みの詳細を定め、実際に運用しています。


ガザにおけるワールド・ビジョンの事業は、資金が対象とすべき支援の受益者のために、適用すべき法律とドナー(資金拠出者/募金者)の要求事項に従って使われるよう、定期的な内部および第3者による独立の監査、独立した評価、多岐にわたる内部統制を受けることが課せられています。しかし、ワールド・ビジョンは、今回の重い嫌疑について極めて深刻に受け止め、現在次の対応を行っています。

1. ガザでの活動を停止
2. ワールド・ビジョンとしての内部調査を実施
3. 進行中の捜査に対する真摯な協力
4. 活動停止の場所以外の地域において、もっとも弱い立場にある子どもたちのための活動を継続

ワールド・ビジョンは、今後提供されるいかなる情報も慎重に確認し、その根拠に従って適切な行動を取ってまいります。同時に、公正で透明性のある法的手続きが進められることを求めます。


【ワールド・ビジョン・ジャパンとは】
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。

【この件に関するお問合せは】
浅野 恵子 【メール】keiko_asano@worldvision.or.jp 【携帯】090-6567-9711