゚クアドルの教育の珟状ず問題【デヌタを甚いお分かりやすく解説】

投皿日2025幎3月27日
曎新日2025幎7月30日
  • 教育

  • ゚クアドル
  • 䞭南米
  • 教育

この蚘事でわかるこず

゚クアドルの教育にはただただ課題も倚く、その背景には貧困や民族栌差などさたざたな瀟䌚問題が圱響を䞎えおいたす。この蚘事では、゚クアドルの教育制床や珟状、問題点に぀いお分かりやすく䞁寧に解説したす。

゚クアドル共和囜以䞋、゚クアドルは、南アメリカ倧陞の北西郚、赀道盎䞋に䜍眮する囜で、コロンビア、ペルヌず接しおいたす。囜土の䞭倮にはアンデス山脈が瞊断しおいるため暙高が高く、銖郜キトの暙高は2,800m。癜人ず先䜏民の混血メスティヌ゜が囜民党䜓の8割匱を占め、公甚語はスペむン語、宗教はキリスト教カトリックが䞻流です。

゚クアドルの教育にはただただ課題も倚く、その背景には貧困や民族栌差などさたざたな瀟䌚問題が圱響を䞎えおいたす。この蚘事では、゚クアドルの教育制床や珟状、問題点に぀いお分かりやすく䞁寧に解説したす。

゚クアドルの教育の珟状ず問題

勉匷に励む゚クアドルの少女
勉匷に励む゚クアドルの少女

たずは、゚クアドルの教育制床や教育の珟状、同囜が抱える教育の問題点に぀いお解説したす。

゚クアドルの教育制床

゚クアドルは、1034制の教育制床を導入しおおり、基瀎教育が10幎、䞭等教育が3幎、倧孊などの高等教育が4幎ずいう制床ずなっおいたす泚1。

基瀎教育では、児童は基瀎孊校に5歳になる幎に入孊し、110幎生たで孊習したす。日本の小孊校ず䞭孊校にあたる教育期間であり、この10幎間を矩務教育ずしおいたす。

䞭等教育は、3幎間孊習したす。日本の高等孊校にあたり、䞀般教育課皋ず技術教育課皋に分かれおいたす。各課皋修了時受け取れる䞭等教育修了蚌が、倧孊などの高等教育ぞの進孊条件ずなりたす。

たた゚クアドルでは、基瀎教育ず䞭等教育を合わせた13幎間が矩務教育ずしお定められおいる点も特城の䞀぀ず蚀えたす。

高等教育では、倧孊だけでなく、教員逊成校や芞術教育校、技術者逊成等を行う高等専門教育機関などがありたす。

デヌタから芋る教育の珟状

次に、デヌタを基に゚クアドルの教育の珟状に぀いお芋おいきたしょう。以䞋で、UNESCO囜際連合教育科孊文化機関泚2ず䞖界銀行泚3、USAIDアメリカ合衆囜囜際開発庁泚4が発衚しおいるデヌタをもずに解説したす。

小孊校の玔就孊率2018幎90.9
小孊校の第1孊幎ぞの玔入孊率2018幎66.1%
小孊校の最終孊幎たでの継続率2017幎98.6%
小孊校の未就孊児童の割合2018幎1.3%
小孊校の留幎率2020幎0.3%
小孊校の教員蚓緎を受けた教員の割合2007幎71.6%
小孊校の教育蚓緎を受けた教員1人圓たりの児童数2007幎31.5人
  • 小孊校の玔就孊率は、小孊校で孊習すべき514歳の児童の党人口に察し、実際に小孊校に圚籍しおいる児童数の割合を衚したものです。
  • 小孊校の第1孊幎ぞの玔入孊率は、小孊校に入孊するべき幎霢である5歳児の党人口に察しお、実際に新芏で入孊した児童数の割合を衚したものです。
  • 小孊校の最終孊幎たでの継続率は、小孊校の第1孊幎に入孊した児童のうち、最終的に初等教育の最終孊幎に到達した児童の割合を衚したものです。
  • 小孊校の未就孊児童の割合は、本来小孊校に通うべき幎霢の児童のうち、小孊校に就孊しおいない児童の割合を衚したものです。
  • 小孊校の留幎率は、党児童数に察しお、2幎以䞊連続しお同じ孊幎に留たっおいる児童数の割合を衚したものです。
  • 教員蚓緎を受けた教員の割合ずは、囜が定める教員ずしお必芁な最䜎限の組織的な教員蚓緎珟職前たたは珟職埌を受けた小孊校教員の割合を衚したものです。
  • 小孊校の教育蚓緎を受けた教員1人圓たりの児童数は、党囜の小孊校の児童数を䞊述の蚓緎を受けた教員数で割った比率を衚したものです。぀たり、1人の蚓緎を受けた教員で、玄31.5人の児童を指導しおいる蚈算になりたす。

゚クアドルの教育の問題点

以䞊のデヌタより、゚クアドルの教育の問題点は次のようにたずめられたす。

●小孊校に通うべき幎霢514歳で通えない児童がただただ倚い
●小孊校の入孊幎霢である5歳の時点で小孊校に入孊できない児童がただただ倚い
●党教員に察しお教育蚓緎を受けた教員の人数の割合が十分ではない


囜連が掲げる持続可胜な開発目暙SDGsの目暙4「質の高い教育をみんなに」の䞭には、「2030幎たでに、党おの子どもが男女の区別なく、適切か぀効果的な孊習成果をもたらす、無償か぀公正で質の高い初等教育及び䞭等教育を修了できるようにする」ずいうタヌゲットがありたす。

この達成のためには、たず就孊率の改善が急務ずなりたす。90.9ずいう数字は、䞀芋高いように感じたすが、教育は党おの児童が等しく受けるようになるべきです。したがっお、10人に1人の児童が小孊校に通えおいない珟状は問題であり、限りなく100に近い状況を目指す必芁がありたす。

たた孊校に入孊させるだけでなく、質の高い教育を誰もが等しく受けるこずも重芁です。そのためには、教員の質の向䞊が必芁です。

このような問題には、どのような背景が朜んでいるのでしょうか。問題を解決するためには、問題の裏に朜む様々な瀟䌚課題や珟状を知る必芁がありたす。

゚クアドルの教育問題の背景

゚クアドルでは地域や民族の栌差が顕著です
゚クアドルでは地域や民族の栌差が顕著です

ここたで、゚クアドルの教育の珟状ず問題点に぀いお解説したした。次に、゚クアドルの教育問題に぀いおより深く理解するために、その原因や背景を芋おいきたしょう。

貧困による問題

゚クアドルが抱える問題の䞀぀に貧困がありたす。゚クアドルは2021幎10月珟圚、囜連の指定する埌発開発途䞊囜LDCのカテゎリには分類されおいたせんが、䞖界銀行によっお高䞭所埗囜UMICsUpper Middle Income Countriesに分類されおいたす泚5。䞊䜍䞭所埗囜ずは、2016幎時点の囜民䞀人圓たりの囜民総所埗は3,956米ドル以䞊12,235米ドル以䞋の囜・地域のこずを指したす。

゚クアドル囜内における貧困は改善傟向にあるものの、ただただ貧困は問題であり、䞖界銀行が貧困ラむンずしお基準を定めた1日1.9米ドル以䞋で生掻しおいる貧困局の人々は、囜民の玄3.6の割合を占めおいたす。たた、゚クアドルが定める貧困ラむン1日あたり玄5.5米ドル以䞋で暮らす人々は、人口の玄25を占めおいたす泚3。

貧困が原因で教育に䞎える負の圱響の1぀に、児童劎働があげられたす。児童劎働ずは、最も本来孊校に通うべき幎霢の児童のうち、垂堎で働いお賃金を埗たり、芪の仕事や蟲業仕事を手䌝うこずで自営業に埓事したり、たたは、料理、掗濯や兄匟の䞖話などの家庭内劎働に埓事しおいる児童のこずを指したす。

アメリカが2020幎に行った調査によるず、゚クアドルの5歳から14歳たでの児童のうち、劎働に埓事しおいる児童の数は党䜓の玄8.2で302,796人におよぶずいうデヌタが明らかになっおいたす泚6。2020幎のパンデミックの圱響で状況はさらに悪化しおいるこずが予想されたす。

2002幎に行われた研究泚7では、劎働を行っおいる児童の玄34.4が、1日圓たり平均で5時間以䞊働いおおり、玄3%は、10時間以䞊働いおいるずいうデヌタも瀺されおいたす。

児童劎働は、その劎働時間が長ければ長いほど、孊校ぞ行く時間がなくなり、結果ずしお児童の孊習の機䌚を阻害するこずになりたす。そのため、貧困の撲滅が急務なのです。

地域・民族栌差による問題

たた、地域や民族の栌差も゚クアドルの教育に圱響を䞎えおいたす。

䟋えば、䞊述した児童劎働の数に぀いおも郜垂郚ず蟲村郚で人数を比范するず、蟲村郚圚䜏の男子児童が最も劎働掻動に埓事しおいる比率が高く、その次に蟲村郚圚䜏の女子児童、郜垂郚に圚䜏する男子児童ず続きたす泚7。

぀たり、郜垂郚ず蟲村郚で所埗の栌差がある可胜性が高く、蟲村郚の児童の小孊校ぞの就孊率や入孊率なども、郜垂郚に比べお䜎い可胜性がきわめお高いず考えられたす。

たた、蟲村郚に䜏む人々の䞭には先䜏民族も倚くいたす。゚クアドルには20以䞊の先䜏民族がおり、そのうち玄9割はケチュア族ず呌ばれる民族です。

1998幎の調査Borja-Vega and Lunde 2007では、高地蟲村地域に䜏む先䜏民族の98%が貧困局であるずいう結果が出たした。先䜏民族のほずんどは、就業しお所埗を埗る機䌚が乏しいずいう珟状にありたす。蟲村地域に䜏む先䜏民族の76%は「䜎技胜劎働者」ず芋なされおいたす。そのうち賃金劎働者は26%で、74%は非賃金劎働自営ず家族就業者です泚8。

したがっお、先䜏民族の人々は貧困局が倚く、児童劎働などによっお教育ぞのアクセスが困難であるずいう課題に盎面し続けおいるのです。

ワヌルド・ビゞョンの取り組み

私たちワヌルド・ビゞョンでは䞖界の子どもたちが教育を受けられるよう、開発途䞊囜の教育や孊校の支揎掻動を行っおいたす。

゚クアドルでの取り組み

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンは、゚クアドルでの支揎掻動を2007幎から珟圚に至るたで続けおいたす。特に生蚈向䞊や教育の質、子どもの栄逊状態、保健・衛生状況の改善を目指しお耇数の地域で掻動を行っおいたす。その䞀郚を玹介したす。


プンガラ地域開発プログラム

銖郜キトから南ぞ玄240km、車で玄4時間の堎所に䜍眮する、チンボラ゜県リオバンバ郡プンガラ町は、暙高3,000m以䞊の山岳地垯で、先䜏民が䜏民の9割を占め、スペむン語以倖にケチュア語も䜿甚されおいたす。貧富の栌差が倧きい゚クアドルの䞭でも特に貧しい地域で、電気、䞊䞋氎道、教育・保健斜蚭などのむンフラ敎備が遅れおいたす。貧困に加え、薬物・アルコヌル䟝存や家庭内暎力なども問題ずなっおいたす。このような課題を解決するために、次のような支揎掻動を行っおいたす。

  • 生蚈向䞊のために、クむ食甚モルモットの飌育・繁殖による収入向䞊の支揎や逊鶏や乳補品の加工に関する研修の実斜
  • 教育の質向䞊のために、孊校の備品の提䟛や教員ぞの教材䜜成や教授法に関する研修の実斜、䜏民ぞの子どもの暩利や教育の重芁性に関する啓発掻動の実斜
  • 子どもの栄逊状態の改善のために、子どもの健康管理、病気の予防、栄逊に関する保護者ぞの研修実斜、家庭菜園での栜培支揎、栄逊バランスのずれた食事の調理法に関する研修や乳幌児の定期的な身䜓枬定の実斜
  • 衛生知識の向䞊のために、手掗いや爪切りなど衛生的な習慣に぀いおの啓発ず、衛生甚品の提䟛、薬草を䜿った䌝統的な治療法の普及掻動の実斜


コルタ地域開発プログラム

銖郜キトから南ぞ玄210km、車で玄4時間の堎所に䜍眮する、チンボラ゜県コルタ郡は、暙高3,000m以䞊の山岳地垯で、先䜏民が䜏民の9割を占め、スペむン語以倖にケチュア語も䜿甚されおいたす。貧富の栌差が倧きい゚クアドルの䞭でも特に貧しい地域で、むンフラ敎備の遅れや家庭の経枈的困窮に加え、衛生環境の改善や教育の質の向䞊が課題ずなっおいたす。このような課題を解決するために、次のような支揎掻動を行っおいたす。

  • 生蚈向䞊のために、クむ食甚モルモットの飌育・繁殖による収入向䞊の支揎や、酪蟲を行う家庭ぞの牧草の皮の提䟛
  • 教育の質向䞊のために、孊校の備品の提䟛や教員ぞの教材䜜成や教授法に関する研修の実斜、䜏民ぞの子どもの暩利や教育の重芁性に関する啓発掻動の実斜
  • 子どもの栄逊状態の改善のために、栄逊バランスのずれた食事の調理法に関する研修やビタミン剀や粉ミルクを提䟛
  • 衛生知識の向䞊のために、手掗いや爪切りなど衛生的な習慣に぀いおの啓発や、安党な氎の䜿甚方法煮沞消毒等に関する研修の実斜

チャむルド・スポンサヌシップ

チャむルド・スポンサヌシップずは、ワヌルド・ビゞョンを代衚する取り組みの1぀で、開発途䞊囜の子どもず支揎者の絆を倧切にした地域開発支揎です。支揎者の皆さたからの月々4,500円の継続支揎により、䞊述した゚クアドルにおける掻動を行っおいたす。

チャむルド・スポンサヌになっおいただいた方には、支揎地域に䜏む子ども「チャむルド」をご玹介したす。ご支揎金はチャむルドやその家族に盎接手枡すものではなく、子どもを取り巻く環境を改善する長期的な支揎掻動に䜿わせおいただきたす゚クアドルの子どもたちの様子。

チャむルド・スポンサヌシップは、゚クアドルだけでなく、アゞア・アフリカ・䞭南米など䞖界21カ囜に支揎を届けおおり2020幎床実瞟、子どもの健やかな成長のために必芁な環境を敎え、支揎を受けた子どもたちが、いずれ地域の担い手ずなり、支揎の成果を維持・発展させおいくこずを目指しおいたす。

今すぐチャむルド・スポンサヌシップに参加するには

勉匷が奜きだず語る7歳の女の子
勉匷が奜きだず語る7歳の女の子

公匏ホヌムペヌゞにおチャむルド・スポンサヌシップ参加のお手続きを承っおいたす。支揎内容に぀いおの詳现や個人情報等を入力しおいただくだけで、簡単に申し蟌むこずができたす。

たた、ワヌルド・ビゞョンでは、䞖界のさたざたな問題やそれらに察する取り組みをたずめた資料をご甚意しおいたす。皆さた䞀人ひずりが䞖界の問題や珟状を「知るため」のきっかけずしお、ご掻甚いただけたす。詳しくは、「䌝える・広める」をご芧ください。

ワヌルド・ビゞョンでは皆さたのご支揎・ご協力をお埅ちしおいたす。

今あなたにできるこず、䞀日あたり150円で子どもたちに垌望を。

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