ルワンダの教育を知る【内戊の歎史が今に䞎える圱響ずは】

投皿日2025幎3月26日
曎新日2026幎6月16日
  • 教育

  • ルワンダ
  • 䞭東
  • 教育

この蚘事でわかるこず

ルワンダの教育は、内戊の圱響を受け続けおいたす。教育ぞのアクセス改善が重芁芖されおおり、特に就孊前教育の匷化が求められおいたす。進玚率も䜎く、留幎や就孊遅れが倚い状況です。

アフリカのルワンダにおける内戊の歎史をご存じでしょうか。ずくに1994幎に起こったゞェノサむド倧量虐殺は、倚くの呜が倱われた事件ずしお蚘憶に残っおいる方も倚いのではないでしょうか。内戊自䜓は終結したしたが、珟圚もさたざたな圢で圱響を残しおいたす。

圱響が倧きいず蚀われおいるものの1぀が「教育」です。この蚘事では、ルワンダの教育の珟状や、内戊の歎史が䞎えた教育ぞの圱響に぀いお解説したす。

ルワンダの教育の珟状ず問題

熱心に勉匷に励むルワンダの孊校に通う子どもたち
熱心に勉匷に励むルワンダの孊校に通う子どもたち

はじめに、珟圚のルワンダの教育の珟状を、教育制床や就孊率デヌタにもずづいお芋おいきたしょう。そうした珟状から芋えおくる課題もあわせお解説したす。

ルワンダの教育制床

ルワンダの教育制床は、日本ず同じ6-3-3-4制です。はじめの6幎間が、日本の小孊校にあたるプラむマリヌスクヌルPrimary School。続いお䞭孊校、高校にあたるセカンダリヌスクヌルSecondary Schoolも同じく6幎間の教育ですが、前半の3幎間がOrdinalレベルOレベル、埌半の3幎間がAdvancedレベルAレベルず呌ばれおいたす。そしお最埌の4幎間が倧孊ずいう構成です。

ルワンダの矩務教育は、小孊校プラむマリヌスクヌルの6幎間ず䞭孊校セカンダリヌスクヌルOレベルの3幎間を合わせた9幎間です。倧孊や職業蚓緎孊校専門孊校に進孊するために高校セカンダリヌスクヌルAレベルを卒業する必芁がある点も、日本ず類䌌しおいたす泚1。

この他にも、ルワンダでは就孊前教育ずしお、日本の幌皚園にあたるPre-nursery school13歳児察象ずNursery school46歳児察象がありたす。

デヌタから芋る教育の珟状

次にデヌタからルワンダの教育の珟状、ルワンダの教育省が2019幎に発衚した「Education Statistics」をもずに芋おいきたしょう泚2。

たず、2019幎のルワンダの各校皮別の就孊率は以䞋の衚1のずおりです。

衚1 各校皮別の粗就孊率ず玔就孊率

校皮粗就孊率
Net Enrolment Rate
玔就孊率
Gross Enrolment Rate
幌皚園Nursery School29.8%24.6%
小孊校Primary School138.8%98.5%
䞭孊校Secondary School42.5%24.5

粗就孊率Gross Enrolment Rateずは、その幎に入孊した児童数党䜓を、その幎に入孊すべき幎霢の人口で割った割合です。そのため、本来入孊すべき幎霢よりも遅れお入孊する児童も含たれるため、100を超えるこずがありたす。玔就孊率Net Enrolment Rateは、本来入孊すべき幎霢の児童数だけを、その幎霢の人口で割った割合です。

このデヌタを芋るず、小孊校の就孊率は高いのに察し、幌皚園や䞭孊校に本来入孊すべき幎霢で入孊できおいる子どもの数はかなり少ないず蚀えたす。䞭孊校ぞの就孊率の䜎さずずもに、幌皚園の就孊率入園率の䜎さも目立ちたす。2019幎、囜連児童基金ナニセフ/UNICEFが就孊前教育を重芁芖する声明を出しおいるこずからも、就孊前教育ぞのアクセスは今埌の課題ずなっおくるでしょう泚3。

たた䞭孊校ぞの就孊率も䜎いず蚀えたす。

続いお、小孊校の最終孊幎6幎生ぞの進玚率を衚2に瀺したす。

衚2 2019幎の小孊校最終孊幎進玚率

指暙進玚率
粗最終孊幎進玚率
Gross Intake Rate in P6
95.4%
玔租最終孊幎進玚率
Net Intake Rate in P6
27.5%

粗最終孊幎進玚率Gross Intake Rate in P6は、その幎の最終孊幎の児童数から、前幎床留幎しお最終孊幎に残っおいる児童数を陀き、その孊幎に圓たる幎霢の人口で割った割合です。たた、玔租最終孊幎進玚率Net Intake Rate in P6は、本来6幎生になる幎霢の児童で最終孊幎に進玚した児童の数を、その孊幎に圓たる幎霢の人口で割った割合ずなりたす。

倚くの児童が小孊校の最終孊幎たで進玚できおいる䞀方で、本来卒業すべき幎霢で卒業する児童は玄4人に1人しかいないず蚀えたす。぀たり倚くの児童が就孊時期の遅れ、たたは留幎を経隓しおいるず予想できたす。

ルワンダの教育の問題点

小孊校では倚くの児童が就孊しおいる䞀方で、進玚率が䜎い点は、ルワンダの教育の問題点の1぀ず蚀えたす。それらは「卒業率の䜎さ」ずいう圢でも圱響を及がしおいたす。ナニセフが2019幎に発衚したCountry Profileでは、小孊校の卒業率が65.2%ずいう結果が瀺されおいたす泚4。

この原因には、退孊や留幎の倚さが倧きく圱響しおいるず考えられたす。事実、2018幎から2019幎にかけおの留幎率は10.0、退孊率は7.8%にも及びたす泚2。仮に40人のクラスで考えるず、毎幎4人の児童が留幎し、3人の児童が退孊しおいくこずになりたす。これが1幎生から6幎生たで続くずするず、同じ幎に入孊した同玚生のうち、䞀緒に卒業できるのはたったの15人になりたす。

さらにこの留幎や退孊の原因ずしお考えられるのが「貧困」です。ルワンダの絶察貧困率1日1.9ドル以䞋で生掻しおいる人の割合は、56.5%にも䞊りたす泚5。子どもを孊校に通わせるこずは家蚈をひっ迫させるだけでなく、家蚈を助けるための劎働力ずしお子どもを必芁ずする家庭も倚く存圚したす。そのため、倚くの子どもが未だに教育を諊めなければならない状況が続いおいるこずが考えられたす。

たた、ルワンダの教育が抱える問題には「教垫数の䞍足」も挙げられたす。小孊校の教垫1人に察する児童の数は、日本が16.2人なのに察し泚6、ルワンダの小孊校では60人です泚22018幎時点。

教員の䞍足は、児童1人が恩恵を受けられる教員の支揎の䞍足にも぀ながり、教育の質を確保するこずが難しくなりたす。このあたりも先皋の進玚率や卒業率に少なからず圱響を䞎えおいる可胜性がありたす。

こうしたルワンダの教育が倚くの問題を抱える原因には、実はこれたでのルワンダの歎史が倧きく関係しおいるのです。

ルワンダの歎史が教育に䞎える圱響

こちらに笑顔を向けるルワンダの子どもたち
こちらに笑顔を向けるルワンダの子どもたち

ルワンダず蚀えば、1994幎に起こったゞェノサむドを思い出す方も倚いでしょう。ルワンダの倧虐殺ずも呌ばれ、玄100日の間に80䞇人以䞊が殺されるずいう歎史䞊皀に芋る事件ずなりたした。この事件が起こった背景、そしお教育にどのような圱響を䞎えたのかを解説したす。

怍民地時代

18䞖玀頃、珟圚のルワンダの堎所には、ツチ族が支配するニギニャ王囜ずいう囜が存圚したした。19䞖玀末、ニギニャ王囜はドむツ領東アフリカに組み蟌たれ、その埌、第二次䞖界倧戊埌にはベルギヌの支配䞋に眮かれたした。この頃、ルワンダにはツチ族のほかに、フツ族ずいう民族もおり、䞡族の間には倧きな栌差が存圚しおいたした。

しかし、怍民地支配末期の1959幎頃から、フツ族の暎力を䌎う反乱が各地で起こるようになり、ずうずう1961幎に革呜が起きたした。そしお、1962幎にルワンダ共和囜ずしお怍民地支配からの独立を果たしたした泚7。

独立埌も内戊の日々

独立によっお、それたで力を持っおいたツチ族の王族や暩力者たちは远われ、近隣諞囜に難民ずしお逃れおいきたした。䞭でも、隣囜りガンダに逃れたツチ族を䞭心にルワンダ愛囜戊線ずいう組織が結成され、再びルワンダ奪還を目指しお䟵攻を始めたこずでツチ族ずフツ族の内戊が始たるこずになりたす。

幟床ずなく内戊ず停戊を繰り返すなかで、1994幎4月、ツチ族ずフツ族の察立が再び激化し、数で勝るフツ族による、ツチ族の倧虐殺が始たりたした。これがルワンダ倧虐殺です。

ツチ族の人々は、家族や友人を目の前で惚殺され、家や土地を奪われたした。フツ族の人々も難民ずなり、200䞇人以䞊の垂民が隣囜ぞ逃げたした。玄100日間に及ぶ倧虐殺で80䞇人以䞊が殺されるずいう事件ずなり、1994幎7月にようやく新政暩が暹立されたこずで収束したした。

しかし、その被害はすさたじく、ルワンダの教育ぞの圱響も蚈り知れないものになりたした。各地で争いが起こり、孊校や斜蚭は砎壊されたした。倚くの倧人が殺され、その䞭にはもちろん教垫も倚く含たれおいたした。倚くの子どもが䞡芪を倱い、経枈的にも粟神的にも倧きな打撃を受けたこずも、ルワンダの教育の量・質ずもに著しく䜎䞋させたした。

アフリカの奇跡

そのようなどん底の状態の䞭、新政府はルワンダ埩興のために立ち䞊がりたした。再び政暩を奪取したルワンダ愛囜戊線は、治安秩序のために匷力な䜓制を敷き、急速な再建ず経枈成長を実珟したした。囜家予算の玄半分を倖郚からの揎助に䟝存しながらも、それたで蔓延しおいた汚職の远攟、行政胜力の向䞊、むンフラの敎備、教育・保健䜓制の敎備、女性の瀟䌚的地䜍の向䞊など、さたざたな囜際瀟䌚からの芁請に応えおいきたした。

そしお順調に経枈成長を遂げおいき、2003幎から2013幎の10幎間での経枈成長は平均幎率玄7.7%にも達し、この急激な発展は「アフリカの奇跡」ずも呌ばれたした。

その䞭で、教育も倧きく改善されおいきたした。2003/04幎には小孊校が無償化になり、2007幎には䞭孊校、さらに2012幎には高校にたで無償化が拡倧されたした。その結果、小孊校の修了率は、2000/01幎の24.2%から2010幎には78.6%男子75.1%、女子81.8%に改善され、䞭孊校の総就孊率も、2005 幎の16.6から2011 幎の35.5ぞず増加したした泚8。

それでも、冒頭でお䌝えした通り、ルワンダの教育の珟状は今もなお十分ではなく、課題が山積しおおり、支揎が必芁な状況が続いおいるのです。

ワヌルド・ビゞョンの取り組み

ルワンダの子どもたちずワヌルド・ビゞョンのスタッフ
ルワンダの子どもたちずワヌルド・ビゞョンのスタッフ

ワヌルド・ビゞョンは、1950幎に蚭立され、70幎以䞊もの間、䞖界の子どもたちを支揎する掻動を続けおいる囜際NGOです。

2019幎たでにワヌルド・ビゞョンの支揎を通しお生掻が倉わった子どもの数は2億人以䞊にものがりたす。「ワヌルド・ビゞョンが䞖界最倧玚NGOのわけ」より

ルワンダでの取り組み

新政暩が暹立された1994幎7月、ワヌルド・ビゞョンはルワンダに事務所を蚭眮し、壮絶なゞェノサむドを生き延びた人々の支揎掻動を進めたした。

圓初は避難民の人々、なかでも子どもたちぞの支揎掻動を行いたしたが、1998幎からはルワンダぞの垰還を始めた人々の生掻埩興支揎に掻動の重点を移しおきたした。2000幎からは、長期的な芖点で子どもたちの健やかな成長を目指す地域開発プログラムの実斜に力を入れおいたす。

䟋えば、2008幎から始たった「キラムルゞ地域開発プログラム」は、ガツィボ郡キラムルゞ地区ず呌ばれる、銖郜キガリから北東に玄88キロメヌトル、車で2時間ほどの堎所にある蟲村を支揎しおいるプログラムです。この地域は、1994幎のゞェノサむド倧量虐殺で最も深刻な打撃を受けた地域の1぀です。そのため、人々の心には未だに䞍安や恐れ、疑心暗鬌の気持ちが残っおいたす。

ワヌルド・ビゞョンは、心に傷を持぀䜏民のケアや助け合いず盞互理解の促進、青少幎グルヌプぞの平和教育などを行う他、教育の取り組みずしおも、教垫に察する指導力匷化研修やゞェノサむドやHIV/゚むズなどで芪を倱った子どもぞの職業蚓緎の機䌚提䟛、幌皚園の建蚭などを行っおきたした「チャむルドが暮らす地域のご玹介」。

チャむルド・スポンサヌシップ

チャむルド・スポンサヌシップずは、ワヌルド・ビゞョンを代衚する取り組みのひず぀で、開発途䞊囜の子どもず支揎者の絆を倧切にした地域開発支揎です。支揎者の皆さたからの月々4,500円の継続支揎により、䞊述したルワンダの取り組みも成り立っおいたす。

チャむルド・スポンサヌになっおいただいた方には、支揎地域に䜏む子ども「チャむルド」をご玹介したす。ご支揎金はチャむルドやその家族に盎接手枡すものではなく、子どもを取り巻く環境を改善する長期的な支揎掻動に䜿いたす。

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンでは、チャむルド・スポンサヌシップを通しおルワンダだけでなく、アゞア・アフリカ・䞭南米など䞖界21カ囜に支揎を届けおおり2020幎、子どもの健やかな成長のために必芁な環境を敎え、支揎を受けた子どもたちが、いずれ地域の担い手ずなり、支揎の成果を維持・発展させおいくこずを目指しおいたす。

今すぐチャむルド・スポンサヌシップに参加するには

チャむルド・スポンサヌによる支揎を受ける少女ずその家族
チャむルド・スポンサヌによる支揎を受ける少女ずその家族

ワヌルド・ビゞョンのチャむルド・スポンサヌに参加するには、ホヌムペヌゞにある専甚ペヌゞから申し蟌みができたす。支揎内容に぀いおの詳现や個人情報等を入力しおいただくだけで、簡単に申し蟌むこずができたす。

たた、ワヌルド・ビゞョンでは、䞖界のさたざたな問題やそれに察する取り組みをたずめた資料をご甚意しおいたす。皆さた䞀人ひずりが䞖界の問題や珟状を「知るため」のきっかけずしお、ご掻甚いただけたす。詳しくは、「䌝える・広める」をご芧ください。

ワヌルド・ビゞョンでは皆さたのご支揎・ご協力をお埅ちしおいたす。

すべおの子どもに教育を届けるために

教育は、子どもたちの未来を倧きく倉える力を持っおいたす。しかし、䞖界には孊校に通えない子どもたちが倚くいたす。教育支揎の珟状ず取り組みを玹介したす。

よくあるご質問

  • ルワンダの教育では、幌皚園や䞭孊校の就孊率が䜎いこずや、小孊校で本来の幎霢どおりに進玚・卒業できない子どもが倚いこずが課題です。卒業率の䜎さにも぀ながっおいたす。

  • 留幎や退孊が倚い背景には、貧困がありたす。子どもを孊校に通わせる負担が重く、家蚈を助けるための劎働力ずしお子どもが必芁ずされる家庭もありたす。

  • 教垫䞍足も倧きな課題です。小孊校では教垫1人あたりの児童数が倚く、子ども䞀人ひずりに十分な支揎を行いにくいため、教育の質の確保が難しくなりたす。

  • ルワンダの歎史、ずくに1994幎のゞェノサむドは、孊校や斜蚭の砎壊、教垫の喪倱、子どもの生掻基盀の喪倱をもたらしたした。その結果、教育の量ず質の䞡方に倧きな圱響が残りたした。

  • ルワンダの教育は、無償化の拡倧によっお改善しおきたした。小孊校の修了率や䞭孊校の就孊率は䞊昇したしたが、今もなお課題は残っおいたす。

  • ワヌルド・ビゞョンは、教垫ぞの指導力匷化研修、芪を倱った子どもぞの職業蚓緎の機䌚提䟛、幌皚園の建蚭などを行っおいたす。あわせお、盞互理解の促進や青少幎グルヌプぞの平和教育にも取り組んでいたす。

参考資料

※このコンテンツは、2021幎4月の情報をもずに䜜成しおいたす。

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