【南スーダン】教育支援を行った学校の子どもたちから嬉しい声が届いています!

(2021.10.19)

学校に戻った子どもたち。支援で提供したカバンを笑顔でみせてくれました

皆さまからの募金と、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金で実施した南スーダン共和国アッパーナイル州バリエ郡で実施した教育支援事業は、2021年3月31日に無事終了しました。 支援事業の内容はすでにこちらのページでご報告していましたが、現地での学校再開後、子どもたちから喜びの声が届きました! 喜びあふれる笑顔の写真とともにご覧ください。

新型コロナで14カ月間、学校が休校になった子どもたち

事業開始を予定していた2020年3月、世界で蔓延する新型コロナウイルス感染症が南スーダンでも拡大し始め、教育支援を行う予定であったアッパーナイル州バリエ郡の2校を含む南スーダン国内全土の学校が、新型コロナ拡大防止のために休校となりました。

「子どもが教育を受けること」がまだまだ当たり前ではない南スーダンでは、「学校にいけない状態」が続いてしまうと、様々な理由から、子どもたちは学校に戻らずに中途退学をしてしまいます。

例えば「給食」がなくなると、経済的に厳しい家庭には子どもの食費負担がのしかかります。そのため、子どもたちは農業などの労働に従事し、家計を助けなければならなくなり、その結果学校を退学してしまうのです。また、学校がないことで、親の教育への関心が薄れ、女の子が18歳未満の若いうちに結婚してしまう児童婚が増える可能性もあります。結果、妊娠などで学校に戻れなくなってしまいます。事業を実施したコミュニティにおいても、14カ月間の休校中に、3人の女の子が児童婚をしていたことがわかりました。

子どもたちに勉強を続けてほしいという想いで事業を実施した1年間

子どもたちの家を一軒一軒訪問し、「学習サポート」を行いました

新型コロナによる子どもたちへの影響の大きさをふまえ、予定していた事業の内容・目標を一部変更しました。「休校中も、子どもたちに学習の機会を提供し続け、教育を途絶えさせない」ことを新たに目標としました。

この目標を達成するために、小学校2校の教員とワールド・ビジョンのスタッフで、14カ月間、子どもたちの家を一軒一軒訪問し、「学習サポート」を行うこととしました。具体的には、子どもたちの家の軒先や木下などの屋外で授業を開き、先生と教科書の内容を復習したり、絵本を読んだりしました。

学校のPTAメンバーにも手伝ってもらい、家庭訪問をした際に保護者に、子どもの教育を続けるよう働きかけました。
結果、1年間で延べ2,720人の児童に対して学習サポートを行うことができました。本人の希望で、1カ月に2回以上授業に参加した児童もいました。

また、学校が再開されたときに、すみやかに児童が学校に戻り、安心して勉強できるように休校中の学校で様々な準備をしました。具体的には、16教室の修繕および2教室の建設・修繕、机・椅子などの整備、感染症対策のために手洗い場の設置なども行いました。事業で行った活動についてはこちらのページもご参照ください。
感染症対策のために設置した手洗い場
学校再開に向けて準備した教科書
修繕した校舎

2021年5月ついに学校再開!学校に子どもたちが戻ってきてくれました

2021年5月初旬に学校がようやく再開され事業活動の成果(子どもたちは学校に再度戻り勉強が続けられているか)を確認するために、事業スタッフが学校訪問をしました。その結果、2020年3月時点で564人だった就学者数が2021年6月は910人と、新型コロナによる休校前と比べて61.3%の大幅な向上がみられ、多くの子どもたちが学校に戻ったことがわかりました。

学校に戻った子どもたち。
支援で提供したカバンを笑顔でみせてくれました
提供した文房具で絵を描く児童
感染対策をしながら先生の話を聞く児童

子どもたちや保護者からの嬉しい声

教員や子どもたちへのインタビューから、事業で行った休校期間中の学習サポートや学校修繕が保護者と子どもたちに再就学の希望を与え、学校に戻る原動力になっていたことがわかりました。また、事業地の他の場所に避難していた方や学校が修繕されることで新たに事業地に移動してきた方が多くいました。私たちは事前にそれを見込んで予定を変更し計画より多くの学校修繕を行っていたため、帰還した世帯の子どもたちも事業地の学校に就学することができました。

インタビューで得られた子どもたちや保護者からの嬉しい声をご紹介します。

学習サポートを受けた子どもたちの声:
「家庭訪問のおかげで学校にまた行くぞ!という希望を持ち続けることができた。学校再開が待ち遠しかった」
「自分に危害を加えそうな場所や人が集まるところには絶対に行かない等、休校中のコミュニティでの過ごし方のアドバイスを先生がくれた」
「家畜の世話や家事に一日の大半の時間を使ってしまっていたが、家庭訪問で先生に課題をもらい、家で勉強時間をもてるようになった」
「先生に休校中会えたこと自体が嬉しかった」

保護者の声:
「家庭訪問前は、家族全員が休校によりやることがなくなり、家族全員がストレスを抱えていました。給食もないので食事も足りない状態もあり、兄弟はよくケンカをして泣いていました。先生が訪問してくれたことで、家族以外の人と会えて話しができ、家族全員のストレスが軽減されたと思います。そして、私にも子どもの勉強を教えるようアドバイスしてくれました」

「おそらく家庭訪問がなければ、子どもに一日中家畜の世話をさせたり今日食べる魚を獲らせたりしていたと思います。家庭訪問での先生からのアドバイスにより、これから子どもが学習の時間を持てるようにしたいと思いました」

学習サポートを受けたマリアムさん(12歳):

学校で学ぶことが大好きでしたが、新型コロナによって学校が休校してしまいました。本を読んだり遊んだりする環境がなくなってしまい、ただ家にいるだけの日々がつづいて、学校にもう通えないのかなと希望を失いかけてしまいました。
その時に、先生たちが感染症のことを教えたり、在校生へ勉強を教えたりするために家庭訪問をしていると聞きました。実際に先生たちが一軒一軒の家を回っているのを見たときは本当に嬉しかったです!


学校が閉まっている間、私の家では教科書も学習教材も十分には足りていませんでした。それでも、家に来てくれた先生たちから、「家で本を読むことの大切さ」を教えてもらったとき、私はとても元気になり、学校が始まってまた教室に戻って勉強を続けられるはずだと、希望をとり戻すようになりました。

私は、教育を終えたら教師になりたいと思っています。学校が閉まっている間も、支援をしてくれたワールド・ビジョンに感謝しています。教育を受ければ、きっと明るくて良い未来が待っていると信じています。

学習サポートを受けたマリアムさん(12歳)

現地スタッフより

「私たちが修繕した学校に子どもたちは戻れたのか・・・?」

そうした不安を抱えながら、ボートで川を渡り事業地に向かいました。
学校に着いて、子どもたちのコメントを聞き、また笑顔をみられたときはとても嬉しく、安心しました。この事業の実施のためにサポートいただいたすべての方に感謝いたします。

新型コロナもまだ拡大が続いており、さらに今年は干ばつの状況も厳しく、継続的に子どもたちを支援していくことが必要です。これからも必要な支援を迅速に届けられるよう努力していきたいです。

ワールド・ビジョン 現地スタッフ セクワット・チャールズ

現地スタッフのセクワット・チャールズ

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