戦争、児童労働、そして地雷~変わる力、変える力-教育と、将来の夢を描く力~
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イラクにおける教育支援・子どもの保護事業を担当している岩間です。
イラク事務所には私と同世代のスタッフが多くいます。
お昼を食べたり、休日を一緒に過ごしたりしながら、たわいもない話をする中で、特に私が好きなのは子どもの頃の話です。通っていた学校のこと、流行っていた遊び、見ていたアニメなどについて話しながら、全く違う子ども時代を過ごした者同士が、今こうやって一緒に働いているんだな…としみじみ感じることがあります。

なかにはこんな会話も。
私:「ダナ(イラク人の同僚)もペルシア語話せるんだね。イランに住んでいたことがあるの?」
ダナ:「うん、子どものころ難民としてイランに住んでいたからね」
イラク人のスタッフだけでなく、小さいころ情勢不安から家族で国を出る準備をしていたというアルバニア人の同い年の同僚や、ケニアのカクマ難民キャンプが出身地と話す南スーダン人の同僚など、自分が過ごした子ども時代とは大きく異なる環境で育った同僚の経験を聞くことがあります。
たくさんの恐怖や辛い経験、大きな困難を乗り越えて、今イラクの子どもたちのためにともに働いていている同僚たちに対し、私は人間が持っている、希望を持って歩き続ける強さやたくましさ、そして温かい思いやりを感じます。
困難を乗り越え、将来を切り開く強さに変えるもの、それは教育の力ではないでしょうか。
学ぶことを通じ、子どもたちは、将来を築いているという自信や、困難な状況さえも変えることができる、自分もほかの誰かのために何かできる、という希望を持つことができるのだと、私は現在モスルで実施している教育・子どもの保護事業を通じて感じています。
イラクでは、たくさんの子どもたちが紛争によって生活の変化を強いられ、教育の機会を奪われています。
アリ君はモスルに住む11歳の男の子です。

アリ君は以前、将来のために学校でたくさん勉強して、友達をたくさん作ろうと思っていました。しかし、紛争で生活がどんどん厳しくなり、4年前に学校をやめて家族のために働かなくてはならなくなりました。それからは1日中モスルの市街地で、不発弾や武器などの鉄くずを集める危険な仕事をしていました。稼いだお金はすべて家族の生活費になります。
ある日、アリ君は仕事中、地雷によって指を切断する大けがを負ってしまいました。その事故の後も、紛争中激しく爆破された地区にある、建設現場で働いていました。
「他の子たちが学校に行くのを見て、以前はいつか自分も学校に戻りたいと希望を持っていたけれど、けがをしてしまって、それも難しくなりました。学校に行くときに着る服や必要な教科書を買うこともできません。着古したぼろぼろの服を学校に着ていくのはとても恥ずかしいけれど、稼いだお金はすべて家族に渡しているし、服を買えるお金はありません」
そう話していたアリ君ですが、私たちの事業を通じて新しい学用品や服などの支援を受け、今は学校に戻り勉強しています。事業で運営するレクリエーション活動 にも参加し、たくさんの友達と日々を過ごしています。

アリ君のように支援を通じて学校に戻った子どもたちの声を聞くと、イラク事務所の同僚との話の中で感じたのと同じような、力強さや優しさを感じ、心が震えます。
お父さんを武装勢力に殺害された後、恐怖や無力感で学校に通えない時期を経験したオスマン君(15歳)とムサーブ君(14歳)の兄弟は、学校に戻った今、こう話してくれます。
「経験したたくさんの困難や悲しみに絶望すべきではないのです。ぼくたちはその経験から学んで、夢を追いかけたり、目標を達成するために努力したり、もっともっと強くなることができるのだから」

16歳の女の子、フダちゃんは、支援によってもたらされた変化を感じながら、こう話しています。
「もっと強くなって、私と同じような苦しみを持つ人たちや弱い人たちを助けることが、卒業後の夢です」

紛争は終わっても、イラクの子どもたちを取り巻く環境はまだまだ厳しく、子どもたちが当たり前のように学校に行き、学ぶことができるまでの道のりにはたくさんの困難があります。
一人でも多くの子どもたちが、学校へ通い、自分の中にある力強さに気づき、自信と希望を持つことができればと願っています。
イラクの子どもたちと同僚たちの子ども時代を重ね合わせながら、この子たちが大人になるときにどんな思いを抱いているのかと、イラクの未来に思いを馳せる今日この頃です。
紛争で難民となった子どもたちを、日本から支援する方法があります
突発する紛争で難民となる子どもの命を救うために。
避難生活が長期化する子どもたちの未来をつくるために。
寄付金額を選び、負担のない期間だけ支援する方法があります。
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