「もう茂みまで行かなくていい」
~ LIXIL “トイレで未来を創るプロジェクト” が完了
2,500人を超える子どもたちに安心して学べる環境を届けました

投稿日|2026年6月22日

「以前は、用を足すために学校の裏の茂みまで行かなければなりませんでした。ヘビが出ることもあって、とても怖かったです。今は新しいトイレができて、本当にうれしいです」

そう話してくれたのは、インドネシア・西カリマンタン州シンタン県の初等学校に通うファイスくん(12歳)です。

学校に安全で清潔なトイレがないことは、子どもたちの健康だけでなく、安心して学ぶ機会にも大きな影響を与えます。

株式会社LIXILと全国131社のLIXIL住設・タイル代理店会会員の皆さまのご支援により実施した「トイレで未来を創るプロジェクト」が、このたび完了しました。

本プロジェクトでは、バングラデシュ人民共和国とインドネシア共和国の学校を対象に、簡易式トイレシステム「SATO」を活用したトイレ整備や手洗い設備の設置、衛生教育を実施。2,536人の子どもたちが、より安全で衛生的な環境で学校生活を送れるようになりました。

新しく整備されたトイレの前で笑顔を見せる子どもたち(インドネシア)

学校のトイレが、子どもたちの学びを支える

プロジェクトを実施したバングラデシュ北部のジャマルプール県イスラムプール郡と、インドネシア西カリマンタン州シンタン県では、学校の衛生環境が大きな課題となっていました。

トイレの数が不足している学校や、老朽化によって十分に使用できない学校も少なくありませんでした。また、安全な水へのアクセスが限られている地域も多く、子どもたちは不衛生な環境の中で学校生活を送っていました。

特にインドネシアでは、半数以上の家庭がトイレを利用できず、屋外排泄が日常的に行われている地域もあります。学校の衛生環境の改善は、子どもたちの健康と尊厳を守るだけでなく、将来にわたって地域全体の衛生習慣を変える大切な取り組みでもあります。

プロジェクト実施前のトイレの様子(バングラデシュ)
Doorway to a dirty, litter-filled outdoor area; an orange bowl rests on a feeding tray on the threshold.
プロジェクト実施前のトイレの様子(インドネシア)
個室奥の壁が壊れ、外の地面が見えている

10校で衛生環境を改善

本プロジェクトでは、2025年11月から2026年3月にかけて現地で活動を実施し、バングラデシュ6校、インドネシア4校の計10校を対象にトイレや手洗い設備の整備を行いました。

その結果、

  • 38基のトイレを新設
  • 24基の既存トイレを修繕
  • 新設トイレのうち、12基のバリアフリートイレを整備
  • 全10校で男女別トイレを確保
  • 計2,536人の子どもたちの衛生環境を改善

することができました。

また、給水設備の改善や雨水利用システムの整備により、トイレや手洗いに必要な水へのアクセスも向上しました。

SATO製品を導入した新しいトイレ棟(バングラデシュ)
SATO製品を導入した新しいトイレ棟(インドネシア)
Public bathroom featuring a blue squat toilet with two white platform covers pulled aside, a red bucket of water nearby, and tiled walls and floor.
SATO製品を使用したトイレ
Small children’s potty chair with a blue basin on a white stand in a tiled bathroom, with a red bucket nearby.
SATO製品を使用したトイレ
身体にハンディキャップのある子どもにも使いやすいもの

子どもたちに起きた変化

衛生環境の改善は、子どもたちの日常に大きな変化をもたらしています。

バングラデシュの中等学校に通うタミシュナさん(12歳)は次のように話します。

「以前は、水不足やトイレの問題により、授業に定期的に出席することは簡単ではありませんでした。生理中は学校を休んだり、体調を崩すこともありました。

この新しいトイレと、手洗いや清潔を保つための研修のおかげで、私たちの健康が守られ、学習への集中力も高まると思います。」

また、別の中等学校に通うアゼダさん(13歳)は、

「今は清潔で安全な設備を利用できるようになり、毎日安心して学校へ通うことができています。学んだ衛生習慣を家族や友人にも伝えています」

と話してくれました。

インドネシアの初等学校に通うローバさん(11歳)も、学校生活の変化をこう語ります。

「以前、私たちの学校にはトイレが3基しかなく、女子用と男子用に分かれていませんでした。水も十分ではなく、トイレは清潔とは言えない状態でした。今では女子用と男子用のトイレが整備され、水も安定して使えるようになりました。ドアには内側から鍵をかけることができるので、安心して利用できます。色鮮やかな絵が描かれた新しいトイレは見た目もきれいで、SATOのトイレを流したときの『トク・トク』という音もお気に入りです」

トイレの整備は単なる施設改善ではありません。子どもたちが安心して学び、自信をもって成長していくための環境づくりにつながっています。

Two girls in white lab coats and hijabs washing hands at sinks in a school laboratory.
屋内の手洗い場で手を洗う子どもたち(バングラデシュ)
Four boys in traditional clothing at a wall-mounted water tap, washing hands outdoors near green fields.
屋外の手洗い場で手を洗う子どもたち(バングラデシュ)

「きれいに使い続ける」ための衛生教育

施設整備とあわせて、子どもたちや保護者、教職員を対象に衛生教育も実施しました。

手洗いの重要性や食品衛生、トイレの維持管理方法などについて学び、子どもたちは自ら衛生行動を実践するようになっています。

現在では、多くの学校で子どもたち自身が衛生管理グループの一員としてトイレの清掃や設備管理に参加しています。学校で学んだ知識は家庭や地域にも広がり、より健康的な生活習慣の定着につながっています。

Woman standing and addressing a circle of children seated on mats outdoors, with a banner in the background.
トイレの維持管理研修に参加する子どもたち(バングラデシュ)
Group of schoolchildren in orange vests standing together and making hand gestures in a classroom hall.
手洗いの練習をする子どもたち(インドネシア)

完成お披露目会にあふれた笑顔

2026年3月には、完成したトイレのお披露目会が行われました。 

真新しいトイレの前には、多くの子どもたちや教職員、地域の関係者が集まり、完成をともに喜びました。子どもたちは感謝の言葉を述べ、新しい設備への期待と希望に満ちた笑顔を見せてくれました。 

インドネシアの初等学校の校長の一人は次のように話しています。 

「新しいトイレが整備されたことで、児童はもう川辺で用を足す必要がなくなりました。改善された衛生設備は、学校にとって長く価値のある財産として残ります。今後も大切に維持管理していきます。」 

Children in white shirts press colorful handprints onto a white wall mural during a school activity.
設置された水タンクにペインティングする子どもたち(インドネシア) 

温かいご支援をありがとうございました 

本プロジェクトは、株式会社LIXILならびに全国131社のLIXIL住設・タイル代理店会会員の皆さまの温かいご支援によって実現しました。 

皆さまのご支援は、子どもたちが安心して学び、健やかに成長できる環境づくりにつながっています。 

ワールド・ビジョン・ジャパンはこれからも、すべての子どもたちが希望を持って未来へ歩んでいけるよう、地域の人々とともに活動を続けてまいります。 

改めまして、温かいご支援に心より感謝申し上げます。

Large group of uniformed schoolchildren and a few adults posing together, many making hand signs and smiling for a group photo.
完成お披露目会で新しいトイレの完成を喜ぶ子どもたち。中央は株式会社LIXILの佐藤様、下條様(2026年3月)