【ネパール・大規模洪水】突然の濁流、子どもたちの日常を奪うワールド・ビジョン、緊急対応チームが現地入り、人道支援活動に向けニーズ調査を実施  

投稿日|2026年8月28日
ネパール・大規模洪水

2026年8月26日現地時間午前9時頃、ネパール北部のボテコシ川で大規模な洪水が発生し、ラスワ郡とヌワコット郡を中心に甚大な被害が発生しています。多数の死者・行方不明者が出ており、家屋や市場、道路、橋、水力発電所などが破壊され、多くの人が避難を余儀なくされています。捜索・救助活動は現在も続いており、被害の全容はまだ明らかになっていません。 

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、ネパール事務所を中心に発災直後から緊急対応を開始しました。政府当局や現地パートナー、人道支援団体と連携し、被災地域のニーズを調査しながら支援の準備を進めています。27日には、ワールド・ビジョン・スタッフが、甚大な被害の出ているヌワコット郡に入りました。今後、子ども・脆弱な立場にある家族を対象に、緊急食料支援、シェルター支援、衛生・保護サービスなどを中心とした人道支援を実施する計画です。 
日本事務所であるワールド・ビジョン・ジャパン(事務局:東京都中野区、事務局長中島みぎわ/以下、WVJ)は、「緊急援助募金」を受け付けています。 

突然の濁流、広がる深刻な被害 

「その日は本当に美しい晴れた日でした。地域の人々にとって、まさに青天の霹靂でした。突然、何の前触れもなく濁流が押し寄せてきたのです。その場にいた子どもたちにとって、これは非常に大きなトラウマとなる出来事になるでしょう」 
ワールド・ビジョン・ネパールの事務局長、ロズリン・ハンソン・ガブリエルは、こう語ります。 

大きな被害を受けたヌワコット郡の街

確認できているだけでも、多くの命が失われ、人々の暮らしや地域のインフラに甚大な被害が発生しています。住まいや生計手段を失った家族は、食料や安全な避難場所を確保することが難しい状況に置かれています。なかでも子どもや脆弱な立場にある家族は、避難生活や食料不足、学習の中断、心理的な負担、子どもの保護に関する懸念など、さまざまな困難に直面しています。  

災害以前からあった地域の子どもたちを取り巻く課題 

今回の洪水が発生する前から、被災地域の子どもたちは、健康や子どもの保護に関する課題に直面していました。 
ヌワコット郡では、2024年に、3,183世帯の5歳未満児667人を対象に栄養状態を分析した結果、全国平均を上回る栄養不良の状況が確認されています。対象となった子どものうち、32%に発育阻害、12.1%に消耗症、13.9%に低体重が見られました。 
今回の大規模洪水によって食料や住まいへのアクセスが困難になれば、子どもたちの健康や生活にさらなる影響が及ぶ可能性があります。また、災害による移住、収入源の喪失、地域の支え合いの仕組みや教育機会が失われることで、子どもたちが直面する児童婚や児童労働のリスクが高まることも懸念されます。
WVIネパールは、今回の被災地域で、緊急支援から早期復興まで、子どもたちの安全と尊厳を中心に支援を行う計画です。 

ワールド・ビジョン・ネパールの事務局長、ロズリン・ハンソン・ガブリエルは、こう続けます。 
「ネパールは気候変動の影響を非常に受けやすい国です。これから、こうした出来事が増えていくのではないかと考えています。 
私たちが取り組みたいのは、あらためて地域の子どもたちに目を向けることです。子どもたちには、別の国へ行って、そこで生活を立て直すという選択肢はありません。この地域で、毎日、目の前の現実と向き合っていかなければならないのです。 
子どもたちが学校に戻ることができれば、それだけでも日常を取り戻す助けになります」 

緊急そして復興支援へ 

ヌワコット郡の被災地域でニーズ調査を行うワールド・ビジョン・スタッフ

ワールド・ビジョンでは、現在、ニーズ調査を進めつつ、被災地域の人々への支援活動を計画・準備しています。 
緊急支援では、食料やシェルター、衛生用品、尊厳キットなどを提供するとともに、子どもたちの保護にも取り組みます。 
その後の復興支援のフェーズでは、子どもたちが安全に学校へ戻り、家族が生活を立て直せるよう、教育や生計回復を支援する予定です。 
「この災害は、私たちがこれまでに目にしたことのないものです。その被害の甚大さは、想像を絶するものです。ワールド・ビジョンは、被災した地域社会と連携しながら、子どもたちとその家族が安全、尊厳、そして希望をもって復興できるよう、引き続き尽力してまいります」 
ワールド・ビジョン・ネパールの事務局長、ロズリン・ハンソン・ガブリエル 

緊急援助募金を受け付けています 

突然の災害により日常を奪われた子どもたち。  今日いのちを守り、明日への希望をつなぐため、ワールド・ビジョンは支援を届けます。  【緊急援助募金】にご協力ください。 

ワールド・ビジョン・ジャパンのネパールにおける支援地域への影響 

なお、ワールド・ビジョン・ジャパンでは、ネパールで、チャイルド・スポンサーシップにより「バンケ・ジャナキ」 「西ドティ」 「バシャン」の3つの地域開発プログラムを支援しています。これらの地域開発プログラムは、いずれも、首都カトマンズから西へ約350~460Kmに位置する西部地域で実施しています。このため、今回の大規模洪水による影響はなく、大きな混乱も報告されていません。チャイルドとご家族、ワールド・ビジョン・スタッフの無事も確認されています。 

ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。 

チャイルド・スポンサーシップとは

途上国の子どもたちが健やかに成長できる環境づくりを目指し、水衛生、保健・栄養、教育等の地域の課題に取り組む支援プログラム。チャイルド・スポンサーになると、支援地域に住む子ども「チャイルド」をご紹介。手紙や現地訪問等を通じて、チャイルドとのつながりを持ちながら支援の成果を実感していただけます。なお、WVJは認定NPO法人として認定されており、皆さまからのご支援金は寄付金控除の対象となります。