連載②暮らしを変える「水」と「衛生」支援

「水」と「衛生」支援が生み出す、健康と時間

ワールド・ビジョンが実践している、ハード、ソフト両面の「水」「衛生」支援について「第1回 私の村に「水」が来た日~バイオレットのストーリー~」に引き続きご報告します。

【第2回】 成果が続く水支援

この地域に合った水施設、深井戸を掘るスタッフたち

「水」支援の課題

世界では7億8000万人が安全な水を継続的に利用できない状態にあります。水源が近くにない、湧水を家畜と共有しているため水が汚染されるなどの問題があるためです。

井戸などの設備を作ればすべての問題が解決するわけではありません。コミュニティが施設を運用、修繕するためのノウハウを同時に育てることが「水」支援の課題です。

住民の力で課題を克服

実りのある支援のためには、地域の特性や人々の生活習慣に配慮した設備の設置が必要です。
事業の実施にあたり、まず住民との信頼関係の構築、そして、「水」をめぐる問題の解決に向けた住民との協議を重ねます。
時が経っても確実に設備を利用し続けるためには、住民の主体的な関わりが不可欠です。

水管理委員会の活躍が成功の鍵

住民の中から「水管理委員会」を選出し、人々から小額の料金を徴収し、設備の修繕費として利用する方法が多くの支援地域で定着しつつあります。
2014年に行われた調査によると、この方法で管理されている井戸は、そうでない井戸に比べ活用され続ける割合が4倍高いという結果が出ています。住民の参加を大切にする支援が、施設活用の持続性を高めています。

地域の特性に合わせた水供給施設

①ロープポンプ
身近にある資材を利用して簡単な技術で作ることができるため、低コストかつ修繕も容易。自転車の車輪の再利用など廃材を用いたロープポンプも見られる。
②自然流下による配水システム
高台にある水源からパイプで各給水所に重力で水を流下させる仕組み。取水口にはキオスクを設け、料金を徴収し、パイプの維持管理を行う。
③雨水貯留タンク
学校や保健施設などの公共施設、また住居の屋根の雨どいから集めた雨水をろ過してタンクに貯水し、給水源とする。

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