【バングラデシュ】住民たちと作り上げる清潔で衛生的なコミュニティ-水・衛生環境の改善支援

投稿日|2026年3月6日
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ワールド・ビジョン・ジャパンは、皆さまからのご支援と、日本外務省のNGO連携無償資金協力を通じて、2023年3月31日からバングラデシュ人民共和国において「コックスバザール県ラム郡における水・衛生環境改善事業」(3年間)を実施しています。

開発が遅れ、水・衛生の課題が大きい事業地

最南端にあるコックスバザール県
バングラデシュ最南端に位置するコックスバザール県
コックスバザールのビーチは、国内随一の観光地です
コックスバザールのビーチは、国内随一の観光地です

バングラデシュ最南端に位置するコックスバザール県。世界最長(約120km)の自然海岸線で知られる一方、国内でも開発が遅れており、洪水や暴風雨、干ばつなどの自然災害に毎年のように見舞われる、厳しい環境にある地域です。
さらに2017年以降、隣国ミャンマー国内で迫害を受けたロヒンギャ難民が大量に流入し、現在では約120万人が暮らしているとも言われています。地域社会への負担は大きく、水や衛生環境の整備は急務となっています。

事業地ラム郡の様子。地理的に孤立したコミュニティも多く、基本的なサービスや外部からの支援は非常に限られています。
事業地ラム郡の様子。地理的に孤立したコミュニティも多く、基本的なサービスや外部からの支援は非常に限られています。

事業開始前のラム郡は、次のような深刻な水・衛生の課題がありました。

  • 安全に管理された水を確保している人は36% (全国平均47.9%)※
  • 改善されたトイレを自宅から20m以内で利用している世帯は25%※
  • 衛生的なトイレや給水設備を備えた学校の不足
  • 手洗いや下痢症の対処など、基本的な衛生知識の不足
  • 水汲みの負担や月経時の学校欠席など、女性や女子への大きな影響
    ※Bangladesh Bureau of Statistics and UNICEF (2019)、icddr,b and UNICEF (2020)より

安全な水・衛生環境の欠如は、健康だけでなく、教育や生活全体に影響を及ぼしていました。

不衛生な水溜まりから水を汲む女性
不衛生な水溜まりから水を汲む女性
事業地で見られる不衛生なトイレ
事業地で見られる不衛生なトイレ

これまでの成果(2026年2月現在)

2023年3月の事業開始から約3年間で、計30村の44,551人を対象に支援を実施しました。

  • 102基の給水設備(浅井戸、深井戸、上水給水管システム)を設置
  • 43基のコミュニティ・トイレ、3基の市場用公共トイレを設置
  • 脆弱な700世帯にトイレ資材、800世帯に手洗い設備を提供
  • 約1.8kmの排水溝を整備
  • 20校に17基のトイレ、10基の手洗い場、6基の給水設備を設置・修繕
  • 住民や地域関係者への衛生研修・啓発活動を継続的に実施
  • 30村のうち、22村が正式に「屋外排泄ゼロ(ODF)」の認定を取得

この結果、水へのアクセス改善だけでなく、地域全体で衛生習慣が広がりつつあります。

コミュニティに設置した給水設備
コミュニティに設置した給水設備
給水所を利用する子どもたち。今では、簡単にきれいな水が手に入ります。
給水所を利用する子どもたち。今では、簡単にきれいな水が手に入ります。
学校に設置した衛生的なトイレを利用する学生たち。男女別に分かれており、プライバシーが守られています。
学校に設置した衛生的なトイレを利用する学生たち。男女別に分かれており、プライバシーが守られています。
排水溝の整備により、汚水が溜まらなくなりました。地域の衛生環境が改善し、皮膚病などの病気のリスクも減っています。
排水溝の整備により、汚水が溜まらなくなりました。地域の衛生環境が改善し、皮膚病などの病気のリスクも減っています。
各校に設けた「衛生コーナー」。特に女子学生たちが、月経時に女性教師に相談したり、ナプキンなどの衛生用品を受け取れる場所となっています。
各校に設けた「衛生コーナー」。特に女子学生たちが、月経時に女性教師に相談したり、ナプキンなどの衛生用品を受け取れる場所となっています。

住民とともにつくる持続可能な変化

当事業では、地域住民自身が主体となることを大切にしています。開始当初から住民とともに課題を調査し、年齢や性別、社会的身分にかかわらず、あらゆる人々が参加できる仕組みを整えてきました。
その結果、水・衛生に関する知識と習慣が確実に広がり、地域の人々の「自分たちで守る」という意識も高まっています。

事業とともに住民たちが地域の衛生状況などをマッピングし、自ら活動のモニタリングを行っています。
事業とともに住民たちが地域の衛生状況などをマッピングし、自ら活動のモニタリングを行っています。
子ども同士で、事業活動を通じて学んだ適切な水・衛生の知識を共有し合っています。
子ども同士で、事業活動を通じて学んだ適切な水・衛生の知識を共有し合っています。
異なる宗教のリーダーたちが、ともに水・衛生の課題と解決策について協議し、それぞれの持ち場で取り組んでいます。
異なる宗教のリーダーたちが、ともに水・衛生の課題と解決策について協議し、それぞれの持ち場で取り組んでいます。
政府関係者を巻き込み、水・衛生の知識・習慣の普及に取り組んでいます。(写真は世界手洗いキャンペーンの様子)
政府関係者を巻き込み、水・衛生の知識・習慣の普及に取り組んでいます。(写真は世界手洗いキャンペーンの様子)



安全な水と衛生は、命と尊厳を守る基盤です。
事業終了時まで、より多くの人々の水・衛生環境および生活の改善につながるよう、バングラデシュに駐在する李スタッフ(プロジェクト・マネジャー)、事業チーム一同、引き続き努めて参ります。

事業地の厳しい環境にある家族と一緒に。
事業地の厳しい環境にある家族と一緒に。

【支援を受けた住民たちのストーリー(英語)】

  • 給水支援を受けたファテマさんのストーリーはこちら
  • トイレ設置支援を受けたトフラさんのストーリーはこちら

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