子どもが安心できる社会をつくる活動ーミャンマー地震の復興支援の現場より 

投稿日|2026年1月15日
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2025年3月末、マンダレーを震源とするマグニチュード7.7の大きな地震が発生しました。地震発生時、この地域では約52,000棟の家屋、学校2,600校、789の病院が倒壊または破損するという甚大な被害が生じました。ワールド・ビジョン・ジャパンは、地震発生後すぐに緊急人道支援を行いました。 

【ミャンマー地震】緊急支援活動報告 

倒壊した建物

地震発生から9か月が経過し、都市部での復興が進んでいる一方で、経済的に厳しい状況にある人々が多く暮らす地域では、住まいや生活再建が十分に進まず、仮設住居さえないなどの課題が依然として残されています。 

このように将来の見通しが立たない状況が続く中で、子どもたちだけでなく保護者自身も、長期にわたる精神的なストレスにさらされています。 

当該地域では生計手段が限られていることから、保護者が別の地域へ移動し、日雇い労働などで生計を立てている家庭も少なくありません。その結果、保護者が家庭を不在にする時間が長くなり、子どもたちが日常的に十分な関わりや見守り、必要な支援を受けにくい状況が生じています。 

このような状況を改善するため、ワールド・ビジョン・ジャパンは、皆さまからの温かいご支援と、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金により、8月中旬から子どもの保護(※)事業を開始しました。本事業では、子どもたちと、子どもに関わる大人の双方に働きかけることで、災害により困難な状況にある子どもたちが、地域の中で安心して過ごせる環境を整えていくことを目指しています。 

(※)子どもの保護:虐待、ネグレクト、搾取、暴力などから子どもを守り、子どもが安全に健やかに育つ権利を保障する取り組み。 

地域のボランティア30人に対して、子どもの保護に関する研修を行いました。研修では、子どもが安心して過ごせる環境とは何か、子どもの権利の基本的な考え方、そして地域の中で子どもの保護について伝え、広げていくかについて学びました。現在は研修を受けたボランティアが、地域で子どもの安全・安心を守るためのメッセージを対象コミュニティに届ける啓発活動を行っています。 

これまでに6回行った啓発活動には保護者や子どもに携わる関係者183人が参加し、子どもたちを取り巻くリスクや日常の関わりが子どもたちに与える影響について理解を深める機会となりました。参加者からは「子どもは18歳以下のすべての人であることを初めて知った」、「子どもを叩くことが子どもに悪い影響を与えることを知らなかった。今後は気を付けたい」といった率直な声が寄せられています。 

ボランティア向けの研修
子どもを守るための啓発活動

今後は物資配布も行い、子どもたちが安心して参加できる機会を増やし、特に困難な状況に置かれている子どもたちへ継続的な支援を行います。具体的には、子どもたちがストレスを適切に表現し、ストレスとの向き合い方を学ぶためのセッションを実施します。また、より深刻な状況に置かれている子どもに対しては、心のケアを含む個別支援を行い、必要に応じて専門機関への連携をしながら、一人ひとりの状況に応じた支援を行います。

事業担当スタッフから

現地へ出張して地域住民にインタビューした際、「子どもたちが物音に過敏に反応する」、「揺れが無くても、また大きな地震が来るのではないかという不安にかられて、学校でも勉強に集中できない」、「子どもたちが寝るのに時間がかかる」というような話を何度もお聞きしました。被災地で不安を抱えながら子育てをする保護者の気持ちを思うと、心が痛みます。この事業では、このようなご家庭に寄り添った活動を続けていきます。今後とも引き続き応援していただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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