【6/20は世界難民の日】世界で難民の子どもたちが直面する飢餓とリスクレベルは3年連続で増加

(2023.06.15)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、6月20日の世界難民の日に先立ち、本日、報告書『Invisible and forgotten: Displaced children hungrier and at more risk than ever(顧みられず、忘れられて:避難民の子どもたちは、かつてないほど飢え、リスクにさらされている)』を発表し、難民や国内避難民の子どもたちが直面する飢餓と暴力のレベルが高まり続けており、一方で、必要な資金拠出は追いついていないことを警告しました。

概要

  • 移住を強いられている家庭の85%は、日々に必要な栄養を摂取するだけの十分な食料を買うことができない
  • 25%の家庭は、悪化する家計ひっ迫に対応するために子どもを学校に通わせていない。19%の家庭は 子どもを働かせている。
  • アフガニスタンとニジェールでは、かなりの数の家庭-それぞれ12%と7%-が、収入減少への対処方法として児童婚を利用していると報告している。


  ※報告書全文はこちら(英語)

6月20日「世界難民の日」に向けて、世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、毎年実施している難民と国内避難民の家庭を対象とした調査について、2023年の調査結果を発表しました。今年の調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延が最も激しかった2021年のデータに照らしても、子どもたちが直面する飢餓と暴力が急増していることが明らかになりました。日々の生活必需品を手に入れるために他人から借金をしている家庭は2022年から倍増し、82%の家庭が低所得に対応するために食事の質と量を減らしています。

ワールド・ビジョンで、災害対応のシニアディレクターを務めるアマンダ・ライブスは次のように述べます。

「シリア、ニジェール、コンゴ民主共和国、アフガニスタンなどでは、子どもたちのニーズがここ数年よりもさらに高まっていますが、対応するための十分な資金がなく、子どもたちは忘れ去られつつあります。今日、何百万人もの子どもたちが難民キャンプで厳しい生活を送っています。あまりに多くの子どもたちが、生きるために結婚を強要されています。あまりに多くの子どもたちが生き残るために働かされています。子どもたちは飢えています。子どもたちは学校に行くことができません。子どもたちは子ども時代を過ごすことができません。そして世界はこの子どもたちのことを忘れようとしています」

報告書 表紙
ワールド・ビジョンが本日発表した調査報告書『Invisible and forgotten: Displaced children hungrier and at more risk than ever(顧みられず、忘れられて:避難民の子どもたちは、かつてないほど飢え、リスクにさらされている)』では、子どもが暴力を受ける危険性が高まっていることを親が非常に心配していることが明らかになっています。飢えと絶望のために、親たちは、子どもに学校をやめさせ、働かせて、さらに、児童婚に売ることを余儀なくされています。全体では、ほぼ3分の1の家庭が子どもを学校に通わせておらず、教育費を完全に賄うことができる家庭はわずか11%であり、2022年の31%から減少しています。

ワールド・ビジョンで、災害対応のシニアディレクターを務めるアマンダ・ライブスはこう語ります。

「ワールド・ビジョンは、移住を強いられた人々を3年連続で調査してきました。子どもが暴力を受けるリスクが高いと答えた家庭は、これまでで一番多く、41%にのぼります。その数は2022年の30%から増加しています」

続けてライブスは説明します。

「避難民キャンプに住む子どもたちは、ほかの場所に住む子どもたちに比べて、強制労働を強いられるリスクが2倍も高いのです。私たちは、アフガニスタンとニジェールにおける児童婚率が特に高いことを非常に懸念しています。多くの家庭では収入も食料も得ることができません。そのような家庭が迫られる究極の選択は想像を絶するものです。それは、あなたの子どもを餓死させるか、あるいは、一人の子どもを結婚させることで食事にありつけるようにし、結婚にともなう持参金によって残りの家族を養うことができようにするか、という選択です。このような選択を親が迫られるべきではありません。しかし、多くの家庭にとって事実そうなのです。このような事態が2023年の今日に起こっていることは、許されるべきではありません」

ワールド・ビジョンが調査したほとんどの家庭は、家族を支え、国を再建する夢を持っていると答えました。しかし、あまりに多くの子どもたちが栄養不良に苦しみ、学校に通っておらず、一方、増加するニーズに対応するための資金は準備されていません。多くの子どもたちにとって、たとえいつか故郷に帰ることができたとしても、将来への見通しは暗いのです。

「世界には十分な資金と資源があります。飢餓のレベル、そして、児童労働や児童婚の数字が、増加するようなことがあってはならないのです。世界の難民や国内避難民の数は、今日、圧倒される規模です。しかし、難民は彼ら自身の未来の担い手であることを忘れてはなりません。難民や避難民は、今、必要な支援を受けることができれば、命をつなぎ、コミュニティを再建し、繁栄することができるでしょう。私たちは対応しなければならないのです。忘れ去られた難民や国内避難民の家庭のために、今、優先的に資金を準備する必要があります。彼らは、自らの家族を養う手段を手に入れられるべきなのです。彼らの子どもたちは、子どもらしい子ども時代を送るべきなのです。彼らの尊厳は守られるべきなのです。彼らは世界から覚えられるべき人々なのです」とライブスは述べます。
アフガニスタンの国内避難民の家族

調査について

この調査は2023年3月から4月にかけて、アフガニスタン、ブラジル、ブルキナファソ、コロンビア、コンゴ民主共和国、エクアドル、エルサルバドル、エチオピア、グアテマラ、ホンジュラス、ヨルダン、マリ、ニカラグア、ニジェール、ペルー、南スーダン、ウガンダ、ベネズエラの18カ国で実施されました。この調査では、サンプリング方法(ランダム・目的・便宜的サンプリング)を組み合わせて、18カ国の847世帯を対象とし、世帯あたりの平均人数は6人でした。調査方法の詳細については、報告書の付属文書を確認してください。

本リリースで参照されている統計

  • アフガニスタンとニジェールでは、かなりの数の家庭-それぞれ12%と7%-が、収入減少への対処法として児童婚を利用していると報告している。
  • また、アフガニスタンでは、今回調査を行った他の国と比較して、児童労働 (全体で19%に対して47%) と子どもを学校に通わせず家に留めること(全体で25%に対して46%) の割合がはるかに高かった。
  • 避難民キャンプに住んでいる子どもは、他の場所に住んでいる子どもに比べて、児童労働に従事している割合が2.2倍高かった。
  • 全体では、ほぼ3分の1 (30%) の世帯に学校に通っていない子どもがいる。
  • 教育費を完全に賄える世帯はわずか11%で、2022年の31%から減少した (19%減) 。
  • 子どもが暴力の危険にさらされていると心配する家庭が増えている (41%) (2022年の30%から増加)。
  • 25%の家庭は、子どもを学校に通わせないことで悪化する家計ひっ迫に対応しており、19%は子どもを働かせている。
  • 子どもに教育を受けさせない家庭の割合は、エチオピア (53%) 、ブルキナファソ (52%) 、アフガニスタン (43%) で最も高かった。
  • 2023年には、生活必需品を買うために他人から借金をしていると答えた回答者の数は69%に倍増した (2022年は34%) 。
  • 強制移住させられた85%の家庭は、日々の栄養需要を満たすだけの食料を買うことができない。
  • 82%の世帯は、低所得に対処するために、食事の量と質を減らすことを余儀なくされている。

以上

ワールド・ビジョンとは

キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳しくははこちら



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