世界で最もぜい弱な地域でのコロナワクチン供給に向けて支援準備を開始

(2020.12.24)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、途上国の地域コミュニティが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン供給の中心的役割を担えるよう、パンデミックへの対応を強化しています。

COVID-19のリスクと予防について地域の人々に説明する牧師(スーダン/2020年6月)


ワールド・ビジョン・インターナショナルのヘルス&ニュートリション担当シニアディレクター、ダン・アーバインは次のように語ります。
「ワールド・ビジョンは、エボラ出血熱、ジカ熱、HIV/エイズなど、感染症の大流行への支援に長年取り組んできました。その経験から、地域コミュニティが早い段階で計画プロセスに参加しない限り、人々がワクチンに関する情報を誤解、拒否をし、さらには誤った情報を広めるという大きなリスクを抱えることになることが分かっています」

ワールド・ビジョンは草の根のコミュニティ開発とヘルス・プロモーションにおいては世界的なリーダーであり、現在、COVAX(コバックス:COVID-19 Vaccine Global Access)と連携して活動しています。コバックスは、ワクチンメーカーと協力し、安全で有効なコロナワクチンの世界各国への公平な供給を目指すグローバルな枠組みです。コバックスとの連携を通じて、地域コミュニティの関与がワクチン供給の鍵となるように導きます。ワールド・ビジョンは、ワクチン供給に関して、途上国が富裕国と同等に扱われることが保障されるように、国際社会に呼びかけています。

ワールド・ビジョンはワクチンの配給や提供をする国際NGOではありませんが、ワクチンに対する不信感、誤情報、抵抗感を払しょくするための活動を実施します。地域コミュニティに影響力を有する信仰指導者やヘルスワーカー等は、ぜい弱な地域でワクチン接種が可能になった際、人々がワクチン接種に同意することを後押しする中心的役割を担います。

ワールド・ビジョンはチャネルズ・オブ・ホープ(Channels of Hope)というプログラムを通して、地域の信仰指導者と協力し、彼らの集会に集う人々や地域住民に向けて、健康やその他の問題についての啓発活動を行っています。過去には本プログラムを通じて、エボラ出血熱、HIV/エイズ等の感染症等、地域コミュニティの抱える問題に対処してきました。また、COVID-19の渦中においても、人々の健康維持に向けて取り組んでいる実績があります。

アーバインは続けます。
「新年を迎えるにあたり、私たちはワクチンによって普段の生活を取り戻すことが可能になるという大きな希望を抱いています。しかしワクチンを普及させるうえで、人々を説得し、ワクチン接種への同意を得ることは非常に大きな仕事であり、人々が自主的にワクチン接種をしない限り、ワクチンは無駄になってしまいます。世界で最もぜい弱な地域で、予防接種の効果に対する認知向上を図るためにどれほどの活動が必要になるのか、過小評価してはなりません

ワールド・ビジョンの新型コロナウイルス緊急支援は、数十万人の信仰指導者や地域のヘルスワーカーから発信された安全と予防のメッセージとともに、すでに5800万の人々に届けられました。現在、これらの影響力のあるネットワークを動員して、ワクチンの供給を支援することと、地域コミュニティが各国政府や地方政府に対して彼らの公正な配分を確保する責任を負わせることを目指して支援活動を行っています。

アーバインは次のように訴えます。
「ワクチンの開発と製造に数十億ドルが費やされてきました。ワクチン普及への社会的な働きかけに対する資金提供も同じく、地球規模のワクチン計画の不可欠な一部でなければなりません。この世界各地における取り組みには何カ月もかかると思われますが、私たちは草の根の指導者たちと協力して、ワクチンがすべての人、特に世界で最も弱い立場に置かれた人々にアクセス可能となり、そして受け入れられるようにする準備ができています」


ワールド・ビジョンは世界の最もぜい弱な場所で活動しています

ワールド・ビジョンは、HIV/エイズ、エボラ出血熱、その他小児疾患の蔓延に対する支援活動を、途上国の地域コミュニティと連携して行ってきました。ワクチンが効果的に接種されるためには、地域社会に働きかける必要があり、信仰指導者、地域指導者等の協力が不可欠です。ワールド・ビジョンは、2020年12月現在までに、新型コロナウイルス緊急支援においても地域社会と連携しながら、世界70カ国5800万人に支援を届けました。詳しくはこちら(英語)

ワールド・ビジョンとは

キリスト教精神に基づいて、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録されています。詳しくはこちら

本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:市山志保
【電話】 03-5334-5356 【Eメール】 shiho_ichiyama@worldvision.or.jp



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