アパレルのサプライチェーンと人権課題 企業とNGOが生み出す新しい価値
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- #バングラデシュ
こんにちは。ワールド・ビジョン・ジャパンの清海と申します。
私は法人連携担当として、多くの企業の皆さまとご一緒しています。その中で、あるアパレル会社と、ECサイト運営会社との取り組みが、今回のブログを書くきっかけになりました。
近年、企業にはサプライチェーン上の人権課題への対応が求められています。
しかし、その課題をどのように理解し、どのように向き合えばよいのか悩む企業も少なくありません。
今回は、私が日本とバングラデシュの現場で感じたことをお伝えします。
アパレル会社からは、バングラデシュの子どもたちを保護することを目的とした縫製訓練事業をご支援いただきました。
一方、ECサイト運営会社からは、日本国内の子ども支援事業の一環として、子どもたち向けの体験企画をご支援いただきました。 それぞれの取り組みを通じて、私はバングラデシュと日本、両方の現場を見る機会がありました。そして、その経験を通じて強く感じたのは、アパレルのサプライチェーンは「分断されている」のではなく、「人」でつながっているということです。
バングラデシュで見た、縫製を学ぶ子どもたち
アパレル企業にとって、サプライチェーンの透明性や人権リスクへの対応は、いまや避けて通れない重要なテーマとなっています。
この事業視察で、私はバングラデシュ、ダッカを訪れました。
そこでは、都市部の貧困地域で暮らす子どもや若者たちが、縫製スキルを学んでいました。
中には、家計を支えるために危険な労働に従事するリスクを抱える子どももいます。縫製訓練は、そうした子どもたちが安全な就労機会につながるきっかけになります。ワールド・ビジョンは、スキルの訓練に加え、安全に働く・自分を守る力を身につけるためのトレーニングも提供しています。

印象的だったのは、訓練を終えた後の卒業生たちの姿です。
ある子は服飾工場で働き始め、ある子はオーダーメイドの服を作る仕事を始めていました。
「スキルを身につけること」が、子どもたちの未来を変えていく。そのリアルな変化を現地で見ることができました。
アパレル産業では児童労働や不安全な労働環境など、人権に関わる課題が国際的にも指摘されています。私が訪れた訓練事業は、そうしたリスクを未然に防ぎ、子どもたちが将来に向けて自らの可能性を広げていくための取り組みでもあります。

日本で見た、物流を支える現場
ECサイト運営会社には、日本国内の子ども支援として、物流拠点である倉庫の見学機会をご提供いただきました。
私は、WVJ入学お祝い金の支給を受けた子どもたちと一緒に、実際の物流倉庫を見学しました。
整然と並ぶ商品。効率的に進むピッキングや梱包。
1つひとつの洋服や小物が箱に詰められ、消費者のもとへ届けられていく様子。
その光景を見ながら、私はその商品が作られる現場にも思いを巡らせました。そのとき頭に浮かんだのは、ダッカで出会った訓練生たちでした。
ミシンに向かっていた子どもたち。
縫製を学び、自分の未来を切り開こうとしていた子どもたち。 目の前にある洋服と、遠く離れたバングラデシュの現場が、私の中でつながった瞬間でした。
サプライチェーンは人でつながっている
私たちは日々、何気なく服を手に取っています。
しかし、その1着1着には、作る人、届ける人、使う人、それぞれの存在があります。
今回、私はサプライチェーンの始まりと終わりにいる人の姿を見た気がしました。
バングラデシュで未来をつくろうとしている子どもたち。
そして、日本で商品を受け取り、日常を営む消費者や子どもたち。
その間をつないでいるのが、企業の事業活動です。
一方で、縫製産業の現場では、低賃金や労働環境の課題が存在します。今回の経験を通じて、こうした課題に向き合う上で、企業とNGOがそれぞれの立場から協働できる余地は大きいと感じました。
企業とNGOの協働が生み出す価値
NGOとの連携というと、「CSR」や「寄付」の文脈で捉えられることが少なくありません。
もちろんそれも重要です。
しかし、今回、バングラデシュの縫製訓練の現場と日本の物流現場の両方を見たことで、企業とNGOの協働には、それ以上の価値があることを実感しました。
例えば、現地のリアルな状況を知ることは、サプライチェーン上の課題やリスクへの理解を深めることにつながります。また、「誰が、どのように作っているのか」という背景に目を向けることは、企業のストーリーや信頼性を支える要素にもなります。
さらに、今回の倉庫見学のような体験は、参加した子どもたちだけでなく、社員の皆さまにとっても自社の事業や社会的価値を見つめ直す機会になり得ます。
事業と社会課題の接点を見いだし、本業を通じて継続的に社会と関わっていく。そのような取り組みを、NGOとの協働によって後押しできるのではないかと考えています。

ワールド・ビジョンだからできること
ワールド・ビジョンは、世界各地の地域コミュニティと長年にわたって関係を築いてきました。
そのため今回のように、途上国での縫製訓練と日本国内での体験機会の提供など、国内外の現場をつなぎながら企業と協働することができます。
私自身、企業の皆さまとお話しする際に大切にしているのは、「社会貢献として何ができるか」や「事業との接点をどのようにつくるか」だけではありません。その企業が責任ある事業活動を通じて、どのような社会を実現したいのか。その実現に向けて、私たちがどのように伴走できるのかを考えることです。
NGOには現場で培った知見があります。一方で、企業には事業を通じて社会に大きな影響を生み出す力があります。
それぞれの強みを生かしながら協働することで、社会課題への取り組みをより持続的で実効性のあるものにしていく。そして、企業が目指す社会的な価値の実現にも貢献していく。そのようなパートナーシップの可能性を、私は日々の企業連携の中で感じています。

地域住民の信頼はもちろんのこと、訓練場所や講師手配、日々の事業のモニタリングや相談など、細やかな運営が可能です。
最後に
バングラデシュの縫製訓練の現場と、日本の物流倉庫。
その両方を見たことで、私は改めて感じました。
途上国の子どもたちと日本の企業をつなぐ接点は、想像以上に多く存在しているということです。
また、サプライチェーン上の人権課題に向き合うためには、企業だけでなく、現場を知るNGOをはじめとするさまざまな主体との協働が重要だと感じています。現地の実情を知り、互いの強みを生かしながら取り組むことで、より実態に即した形で社会課題と向き合うことができるのではないでしょうか。
もし、
• サプライチェーンと社会課題をどう結びつけるか考えたい
• 自社らしい社会的インパクトをつくりたい
• NGOとの連携可能性を探りたい
そうお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
企業とNGOが協働することで、サプライチェーン全体に新しい価値を生み出せると、私は信じています。

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