君の名は?(名前よもやま話)
皆さんこんにちは、支援事業部緊急人道支援課の「わたなべひろこ」と申します。
ワールド・ビジョン・ジャパンに入団して11月で5年になります。
それ以前には、他の機関でアフガニスタンやパキスタンで紛争の影響を受けた人々、国内外での避難生活から戻ってきた帰還民やIDP(国内避難民)の支援に携わってきました。
ワールド・ビジョンに入ってからは、4年半前からヨルダンに駐在して難民に携わる仕事をし、今年の8月からは同じヨルダンをベースにシリア国内の方々の支援を担当しています。
わたなべ=「私のお父さんの故郷」?!
実は海外で働くようになってから、名前について、ず~っと考えていることがあります。
名前って、お金持ちでも貧しくても関係なく、み~んな必ず持っているものですよね。名前には親や家族の愛情がこめられたりしていて、こんなに広い世界でも名前に対する価値観は同じなんだなぁとちょっと不思議に思ったりします。
名前について興味を持つようになったのは17年ほど前。アフガニスタンで働いているときに、パキスタン人の同僚から質問されたのがきっかけでした。
「あなたの苗字は、ワタンに由来するのか?」
ワタンとは「故郷」という意味で、私の知る限りパキスタンで話されているウルドゥー語をはじめとする諸言語、アフガニスタンで話されているダリ語やパシュトゥ語、ペルシャ語やアラビア語など、南アジアから中東・北アフリカまで広い地域で使われている単語です。
私の苗字をアラビア語で分解してみると、「ワタン」は「故郷」、「アブー」は「お父さん」という意味、そして名詞の最後を「イ」という母音に変えると、「私の〇〇」という意味になります。なので「アビー」は「私のお父さん」、その前に「ワタン」をつけて「ワタナビー」と発音すると、「私のお父さんの故郷」という意味になります。(Watanabeとローマ字で書くとほとんどの外国人はワタナビーと発音するし、アラビア語ではそもそも「エ」と発音する母音がないので「イ」の文字で代用するため、やっぱりワタナビーと呼ばれてしまいます。)
私は生まれてこのかたウン十年「わたなべ」という苗字を使い続けています。学校ではクラスには必ず2人はいるような「ありふれた苗字なのでいやだなぁ」と思っていたこともありました。でも、「私のお父さんの故郷」だなんて、まるで難民の願いがこもっているような意味を持つ名前だと知り、とても驚きました。今では、難民の方々と一生お付き合いしていくためにこの苗字に生まれたのかしらと思っていたりします。
「もろこ」から「へりこ」、「ひりこ」まで
こちらの地域では発音、特に母音にとてもおおらかです。発音がちょっとぐらい違っても誰も気にしません。
昔、アラビア語圏でも日本のアニメ「ちびまる子ちゃん」がはやりました。でも、主人公「まる子ちゃん」はこちらでは「まるこ」とは呼ばれずに、「もろこ」と呼ばれています。
先月まで担当していたヨルダンの教育事業では、補習授業のほかに子どもたちの保護者向けに子育てや教育に関する啓発活動も行っていたのですが、お母さんがたからは「ひろこ」ではなく「もろこ」と覚えられていました。「もろこ」を「ひろこ」に訂正したところで、お母さんがたにはあまり意味のないことだし、私のことを覚えてもらえるんならまぁいっか、と思いそのまま通しました。

ただ先日、ちょっと困ったことがありました。当団体の事務局長がヨルダンを訪問したのですが、彼女の名前が「まりこ」なんです。子音はM-R-Kでまる子ちゃんと一緒だし、ヨルダンの人たちには「もろこ」も「まりこ」も同じように聞こえてしまうようで、名前を間違って覚えられてしまわないか、ヒヤヒヤしました。
そんなわけで、母音におおらかなこの地域でこれまで私は「ひろこ」ではなくいろんな発音で呼ばれてきました。特にアフガニスタンでは、「へりこ」だったり「ひりこ」だったり、日本で聞いたらかなり残念な呼ばれ方をしました。
ひろこを「ひろこ」と呼ばなくなる地域的な境目は一体どこなのだろう?
私個人としてはぜひ突き止めたい謎の一つです。
世界各国に住んでいるひろこさんは、何と呼ばれていますか?
情報お待ちしています!

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【シリア】北西部地域で実施している教育事業(3期目)が終了しました!
ワールド・ビジョン・ジャパンは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金と、日本の皆さまの募金により、2022年10月からシリア北西部で子どもたちの学びを支える支援事業を行っています。2024年から2025年にかけて実施された3期目では、1期目に校舎の修繕と増設を行った学校で、学校の運営を引き続き支援しました。
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