【アドボカシーの現場から】Vol.01 これどんな意味? アドボカシー
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アドボカシーの現場から ~声なき人の声となる~
「アドボカシーの現場から」は、ワールド・ビジョン・ジャパンの活動の三本柱のひとつであるアドボカシーの働きを、担当スタッフの声でお伝えするコラムです。
国際会議や政府との対話を通じて、子どもや声なき人びとの声を政策に反映する。見えにくいけれど、子どもたちの未来を変える力をもつアドボカシーの現場を、ワールド・ビジョン・ジャパンの柴田スタッフがお伝えします。
初回の今回は、2025年6月20日に東京新聞に掲載された「これどんな意味? アドボカシー」を転載します。
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これどんな意味? アドボカシー
※2025年6月20日東京新聞 朝刊「これどんな意味? アドボカシー」を許可を得て転載しています。
児童虐待などの記事で目にする「アドボカシー」の意味を教えてほしい、と読者から質問がありました。
元々は英語で「擁護」や「代弁」の意味。国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンの柴田哲子(のりこ)さんによると、自分の意思をうまく伝えられない子どもや障害者などの話に耳を傾け、支援者が問題解決に動いたり、子どもらが自分で意見を表明できるように支えたりすることです。
例えば児童施設の職員が、虐待で苦しむ子どもから本音を聞き、虐待防止につなげる。ソーシャルワーカーが、強制入院させられている精神障害者や家族から処遇の問題点を聞き、おかしいと声を上げる。NGOが途上国の医療機関の現状を調べ、現地政府に改善を促す、などです。
柴田さんは「問題解決のために世論を巻き込む必要があれば啓発活動を、国の仕組みを変える必要があれば政策提言を、といった行動につながる」と説明します。
2023年、性犯罪について対象を拡大し、処罰要件を明確にした改正刑法が成立しました。これも、アドボカシーが実った例といえます。性犯罪事件で無罪判決が相次いだ19年、作家の北原みのりさんらの「一緒に異議を唱え、性暴力をなくそう」という呼びかけで「フラワーデモ」が始まり、それまで沈黙してきた被害者たちが、支援者たちと花を片手に街頭に立ち、深刻な体験を語り始めたのです。この運動は全国に広がり、当事者団体の提言活動と相まって法改正につながりました。
京都光華女子大の浜内彩乃准教授は「当事者の声をすくい上げたり、意見を示すのを助けたりするアドボカシーが機能し、法改正や制度改革に至る事例は多い」と解説します。
日本健康教育学会アドボカシー研究会の江川賢一委員長(東京家政学院大教授)は「身近なところでもアドボカシーが必要な問題が噴出している」と指摘。「例えば学校でのいじめや不登校の問題も、教育関係者だけでなく地域全体で子どもたちの声を拾う。そういった意識が重要だ」と訴えます。 (須藤恵里)
「東京新聞2025年6月20日」
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※アドボカシー=貧困や紛争の原因について声をあげ、問題解決のために政策や社会の仕組みに働きかける活動
子どもたちの声が、社会のしくみに届くまでには、多くの対話と積み重ねが必要です。
アドボカシーは、すぐに成果が見えにくい活動ですが、子どもたちの未来を守るために欠かすことのできない取り組みです。
次回も、アドボカシーの現場での経験を通して、アドボカシーの働きをお伝えしていきます。
アドボカシー・シニア・アドバイザー 柴田 哲子

柴田 哲子(しばた のりこ)
東京外国語大学ロシヤ語学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科修士(国際貢献)。
海外経済協力基金・国際協力銀行にて二国間援助に従事したのち、国際NGOの事務所長としてアフガニスタンに赴任し帰還民支援に携わる。現場での経験を通じ、課題解決のためには事業支援に加え政策を変えるアドボカシーが必要との思いを強める。2011年にワールド・ビジョン・ジャパン入団。2013年より子どもの権利に関するアドボカシーに従事。
SDGs市民社会ネットワーク進行役・開発ユニット幹事、教育協力NGOネットワーク副代表、こども家庭庁「子どもに対する暴力撲滅円卓会議、ワーキング・グループ」委員等、複数のNGOネットワークや政府の委員を務める。
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