世界の子どもたちに希望をー「The Light of the World ワールド・ビジョン クリスマスチャリティーコンサート」開催報告
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世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンは、12月6日(土)、東京・ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会にて、「The Light of the World ~世界の子どもたちに希望を~」と題したクリスマスチャリティーコンサートを開催しました。
270名を超える方がお越しくださる中、“希望”をテーマに、クリスマスシーズンにふさわしい美しい音楽の演奏に始まり、食糧支援最前線の報告、そして、俳優でワールド・ビジョン・ジャパン親善大使の酒井美紀さんをお迎えし、フィリピンでのチャイルド・スポンサーシップによる活動についての対談などをお届けしました。フィナーレではご来場くださった皆さまとキャンドルを灯し、一つ一つの光が集まって大きな輝きとなるように、お一人お一人のあたたかいお気持ちをお寄せいただき、世界の子どもたちに希望を届けていきたい、と、支援へのご協力を呼びかけました。
「希望を、贈ろう。」クリスマスキャンペーンを実施中
~12月25日まで
開会にあたって、10月に着任した中島みぎわ事務局長が挨拶し、今年8月に訪れたフィリピンで支援が現地の力となっていることを目の当たりにしたことに触れ、支援者の皆さまへの感謝を伝えました。会場では、チャイルド・スポンサーを待つフィリピンや世界各地の子どもたちの姿も紹介されました。


“希望”の調べを胸に
前半の音楽の部は、まずは東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校の生徒有志の皆さんが登場し、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルートの四重奏で、クラシックの名曲から季節感あふれるクリスマス曲まで、優雅で心温まる調べを奏でてくださいました。
- フルート四重奏 第一番ニ長調 第一楽章 アレグロ/モーツァルト
- くるみ割り人形演奏会用組曲/チャイコフスキー
- クリスマスソングメドレー

次に、世界で活躍するマリンバ奏者塩浜智子さん&玲子さん姉妹とパーカッションの赤羽一則さんによる情熱的なパフォーマンスで、色とりどりの楽曲が続き、未来に向けた願いを高めるかのように、会場に豊かな音の世界が広がりました。
- そりすべり /R.アンダーソン
- 剣の舞 /A.ハチャトゥリアン
- カヴァレリア・ルスティカーナより間奏曲 /P.マスカーニ
- アフリカン・ブルース /W.ロッケンカンプ
- サウンド オブ ミュージック メドレー
- 〈アンコール〉情熱大陸

命をつなぐ“希望”の食糧支援報告
後半は、支援の最前線の現場からの報告が行われました。過去最悪の干ばつが発生しているソマリランドを9月に訪問し、支援活動に従事した支援事業第1部松岡拓也スタッフから、緊迫した食糧危機の状況が共有されました。各国政府や国連機関などからの人道支援活動資金の削減が進む昨今、最も弱い立場にある子どもたちに、その影響が及んでいます。2022年以降、干ばつにより7万人以上が命を落とし、その4割が子どもと推計されます。ある母親は、「子どもたちに食べさせるものがなく、おなかが空いたと訴える子どもたちには、水を沸かしてご飯をつくっているように見せている」と言います。

上腕の太さを測る「命のメジャー」で子どもたちの栄養状態を確認すると、重度の栄養不良を示す赤のゲージになる子どもたちが多くいます。これは周囲11センチ、ペットボトルの蓋の円周くらいの細さです。栄養不良によって免疫機能が弱まると、本来なら防げるはずの病気にかかりやすくなります。栄養不良と診断された子どもたちには、栄養補助食を提供しており、「食糧支援は命をつなぐ最後の手段」だと松岡スタッフは訴えました。


松岡スタッフは、最後にワールド・ビジョン・ソマリアの事務局長、ケビン・マッケイのメッセージを紹介し、どれだけ遠くとも、食糧を届ける決意を語り、改めて支援の重要性を強調しました。
「支援がなければ状況はさらに悪化します。ワールド・ビジョンは現地で支援を拡大する準備ができています。世界の皆様、今すぐ行動し、ソマリアの苦しみに目を背けないよう、お願いいたします。」
支援によって生まれた“希望”の物語
最後に、長年の支援から生まれた希望の変化について、特別ゲストとして、ワールド・ビジョン・ジャパン親善大使で俳優の酒井美紀さんをお迎えし、フィリピンのチャイルド・スポンサーシップ事業を担当する野本理恵スタッフも交え、対談を行いました。

酒井さんは、20代で番組の撮影で訪れたフィリピンで、ゴミ捨て場で働くひとりの少女に出会います。厳しい現実と懸命に生きる子どもの姿に胸を打たれ、帰国後、「何かできることはないか」と、チャイルド・スポンサーに、そして、WVJ親善大使に。それから20年間、ワールド・ビジョンの活動を見守り続けてくださいました。
2017年には、台風で壊滅的被害を受けたフィリピンのワールド・ビジョンの支援地域を訪問。酒井さんからは、訪問の際の現地の様子が紹介され、復興に立ち上がる人々の苦労や、子どもたちとの出会いもお伝えいただきました。また、その際の訪問では、ご自身の支援チャイルドとも対面。恥ずかしがり屋だった6歳の男の子が、今年お手元に届いた「成長報告」ではたくましく成長し、ビデオメッセージに映る掃除をして家族を手伝う姿には、「成長を実感して嬉しかったです」と、わが子の成長を喜ぶように話してくださいました。

野本スタッフは、都市部との経済格差が大きいレイテ島やサマール島における課題と、その改善に向けた取り組みを報告しました。有機農業や養鶏事業、貯蓄グループづくりなど、貧困から脱するための活動が進められ、農業事業によって子どもたちが栄養のある食事をとれるようになり、卵を販売して収入が向上していること、また貯蓄グループの設置によって、危機への備えや未来への投資が可能となり、自立やコミュニティの結束を促していることなどが紹介されました。
さらに、子どもたちの読解力を伸ばすための読書コーナーが設置され人気を集めていること、安全な水を確保するための給水場は12年を経た今も大切に維持管理されていることなど、支援から生まれた動きが持続的な変化につながっている点についても触れられました。
チャイルド・スポンサーシップ事業が開始されて16年目を迎えるこの地域は、いま自立への希望が見えており、支援の終了も近づいています。


酒井さんは、2017年には訪問した地域の家庭では芋のツルを料理していたのに対し、今年受け取られた写真では支援チャイルドが手にしているカゴに野菜が詰まっていたことに触れて、「この有機農業の活動があったからですね」とコメント。また地域のボランティアが積極的に子どもたちを見守るようになった姿など、長年の支援によって生まれた希望の変化を知る喜びを、真摯に語ってくださいました。
「きょう支援の成果の写真を見ただけで、これほどまでに変化できるのだと胸が熱くなりました。そして、2011年の東日本大震災の時は、フィリピンからも私たちは助けられたことを忘れてはいけないと改めて思いました。お互いに大変な時は助け合いながら生きていく、そういう世界が広がるといいなと思っています」(酒井美紀さん)
未来を切り開いた少女からの感謝の手紙を朗読
イベントの最後には、日本から15年間の支援を受け、大学を優秀な成績で卒業したフィリピンの女の子からの手紙が紹介されました。 日本のチャイルド・スポンサーに宛てた感謝の思いにあふれたメッセージを酒井さんに朗読いただき、会場は温かな空気に包まれました。
親愛なるチャイルド・スポンサーさまへ。
私の人生の半分は、ワールド・ビジョンの支援プログラムとともにありました。 どんな言葉をもってしても、この感謝を言い尽くすことはできません。 私の成長を支え、形づくり、育ててくれたその歩みは、 まさに人生を照らす光でした。
15年もの長い年月、惜しみなく支えてくださり本当にありがとうございました。 あなたが私に示してくださった愛と優しさ、 そして人生の一部を共有してくださったことに、心の底から感謝しています。
いただいた贈り物も、お手紙も、 あなたがたとの出会いの思い出も、 これからもずっと私の心の中で生き続けます。 どうか、私の成長を誇りに思っていただけますように。 私はこれからも家族を支え、前を向いて歩んでいきます。 あなたの人生が、これからも祝福で満たされますように。 健康と幸せを心からお祈りしています。 そして、何度でも伝えさせてください。 本当に、本当に、本当にありがとうございました。
(※便箋4枚に渡るメッセージから一部抜粋)
クリスマスまでに1000人の女の子に希望を
一人ひとりの希望の光が、誰かの未来を照らすようにとの願いを込めて、キャンドルが点灯され、イベントは幕を閉じました。

参加された方の声を一部ご紹介します
「心が洗われるような素晴らしい演奏でした」
「世界で何が起きていて、そこに自分はどう関わっているか知ることができて良かったです」
「会場に喜び、温かい思いがいっぱい広がっている感じがしました」
「酒井美紀さんのお手紙代読で、支援から自立、そして自立した方が創っていく未来について、明るい気持ちになって会場を後にしました」
会場でもクリスマス募金へのご協力やチャイルド・スポンサーシップへのお申し込みをいただきました。深く感謝申し上げます。

12月25日までクリスマスキャンペーンとして、 命をつなぐ水・食糧を届ける「クリスマス募金」、1000人の少女のチャイルド・スポンサーを募集する「1000 GIRLS プロジェクト」を展開しています。希望の変化を世界に広げていく力に加わってください。
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