特別プロジェクト支援
教育・保健・水衛生など特定課題に応えるテイラーメイドの個別事業。校舎や診療所などの建設や啓発事業を組み合わせ、記念プレート設置・訪問も可能です。
特別プロジェクト支援とは
チャイルド・スポンサーシップによる地域開発プログラムに加えて、教育、保健、栄養改善、水衛生など特定の分野の課題解決を後押しするための個別事業を「特別プロジェクト」として実施しています。特別プロジェクトは、学校校舎や診療所などの建設事業と研修・啓発事業などを組み合わせて行われます。建設した施設・設備への記念プレートの設置や、事業地への視察もご相談が可能です。

お問い合わせ
ご支援を募集中の特別プロジェクトの例
Special Fund Raising Projects
学校建設や給食支援、水・衛生、環境保全など、多くのニーズがございます。皆さまの思いやご予算に合わせてご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。 以下は一例です。
幼稚園の園舎建設支援プロジェクト

- 支援地域
- ケニア ナロク県
- 実施期間
- 12カ月
- 予算額
- 1,000 万円
対象地域はマサイ族など少数民族が多く住む地域で、電気や水道といった社会インフラが未整備で、多くの家庭が経済的に貧しい生活を送っています。幼稚園の園舎に公的資金が割り当てられる可能性は低く、E幼稚園では園児 131 人に対して屋根のある教室が 1 つしかないため、入れない園児は木の下で過ごしています。また、I 幼稚園の園舎は薄いトタン屋根と木材から成る非常に簡素な造りです。これらの幼稚園に対し、園舎の新規建設・備品提供を行い、安全で快適な教育環境の整備を行います。また、この 2 園を含む 5つの幼稚園を対象にして、教員や親・保護者への就学前教育に関する研修や、幼稚園の運営体制の整備に取り組みます。
自然再生支援プロジェクト

- 支援地域
- インドネシア共和国 東スンバ県
- 実施期間
- 5カ年
- 予算額
- 3400 万円~(各年度 500 万円~1000 万円)
対象地域はインドネシア国内でも最も貧しい地域のひとつです。森林伐採により、生態系や生物多様性が損なわれているだけでなく、そこに住む人々の暮らしにも大きな影響が出ています。本事業はワールド・ビジョンが深い知見を持つ「住民主体の自然再生アプローチ(FMNR)」の手法を用い、約 1500Ha の土地に森林を再生させるものです。食糧不足などの課題を抱える同地域では28.8%の子どもが発育阻害(日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長しない状態)を経験しています。本事業がめざす地域農民による農業の活性化や管理体制の強化が、子どもたちの栄養状態も改善させます。
アルパカ飼育による生計向上プロジェクト

- 支援地域
- エクアドル
- 実施期間
- 12カ月
- 予算額
- 1,000 万円
ワールド・ビジョン・エクアドルは、アルパカの飼育を通じて地域の暮らしを支える取り組みを行っています。このプロジェクトでは、次のような活動を行っています。
- 地域の人たちが協力し合えるグループづくり
- アルパカの品種改良や飼育方法の指導
- アルパカの毛を使った製品づくりの支援
- 収入の選択肢を増やし、向上させる取り組み
この活動には、962 世帯以上が参加する協同組合を通じて、36 の地域が関わり、高山湿原の保全をしながら、女性や若者の参加を大切にし、女性のリーダーシップ強化を推進。地域の人が主体となって運営していくことを目指しています。アルパカの飼育が、環境にやさしく、安定した仕事になるよう支えるプロジェクトです。
近年実施した特別プロジェクト事例
Previous Special Projects
近年実施した特別プロジェクトの一例です。ご支援者は個人、企業・団体・グループ、クラウドファンディングなど様々です。
地域の安心をつくる 水・衛生プロジェクト

- 期間
- 2023年10月1日~2024年9月30日
- 事業予算
- 約1000万円
- 受益者の声
- 「井戸とトイレが使えるようになって、家族の健康状態が良くなりました」― 27歳女性
「月経について初めて学び、自信をもって生活できるようになりました」― 19歳女性
バングラデシュのコックスバザール県ラム郡は、季節ごとの降雨や地形の崩れやすさなどから自然災害の影響を受けやすい地域です。また、ロヒンギャ難民キャンプに隣接する「ホストコミュニティ」として支援が行き届きにくく、特に水や衛生に関する環境整備が遅れていました。このため、住民の生活は水系感染症のリスクや、女性や子どもが不衛生な環境で危険にさらされる状況にありました。
- 地域の安全な飲料水へのアクセス向上と衛生的なトイレ環境の整備を目指し、8基の深井戸を新設、3基の既存井戸の保守を行いました。これにより、近隣3村で合計1,440人が安全な水を利用できるようになりました。
- 家庭用トイレ125基を新たに設置したことで、多くの子どもや女性が安心してトイレを利用できるようになりました。衛生委員会も10グループ設立され、水・衛生に関する課題を地域で話し合い、継続的に管理・改善できる体制が構築されました。
- 成人を対象とした衛生・水利用に関する啓発ワークショップも実施し、家庭での行動変容を促進しました。手洗いキット420個の配布が行われ、衛生行動の実践が家庭内でも広がりました。
- 特筆すべきは、月経衛生管理に関する啓発活動です。このテーマは地域で長らく語られることがなく、知識も不足していましたが、女性ファシリテーターが主導したセッションを通じて、生理への理解が深まり、女性たちが自信を持って生活できるようになりました。
水・衛生インフラの整備を通じて、水系感染症のリスクを軽減し、女性や子どもが安心して生活できる環境を実現しました。さらに、月経衛生の啓発により、タブー視されがちだったテーマへの理解と行動変容が促されました。地域の衛生意識全体が向上し、持続的な管理体制が確立されたことも大きな成果です。
食で子どもたちの成長を支える 幼稚園給食支援プロジェクト

- 期間
- 2023年6月1日~2025年5月31日(2年間)
- 事業予算
- 約2000万円(1年次・2年次 各1000万円)
- 受益者の声
- 「子どもの体重が増え、元気に過ごしています」― 教員
「教員達が子どもたちの栄養やケアに関する知識と実践を身につけることができました」― 幼稚園園長
ベトナム北部のディエンビエン省トアンザオ郡は、ベトナム全体の貧困率が11%であるのに対し、約50%と非常に高い貧困率を抱える地域です。山岳地帯に位置し、インフラ未整備やベトナム語が通じにくい少数民族の多さから、現金収入が乏しく、子どもの栄養状態も深刻です。特に幼児期においては、栄養不足が発育に大きな影響を与えることが懸念されていました。
- 2年間にわたり、6園を対象に給食支援を行いました。具体的には、キッチン棟と食堂の新設(2園)、調理機材・食器の提供(6園)、菜園活動の導入、保護者と教員を対象とした栄養・衛生に関する研修の実施、調理担当者への衛生教育など、多面的なアプローチを取りました。
- 調理環境の整備とあわせて、日々の給食の献立には栄養バランスが考慮され、菜園で収穫された地元野菜も積極的に活用されました。地域資源を活かした給食提供体制が構築されたことで、子どもたちはより衛生的で栄養価の高い食事を取ることができるようになりました。
- 教員の知識と技術の強化を図り、地域で子どもの栄養改善や健康測定を継続的に行えるようになりました。
対象園の子どもたちの栄養状態が大幅に改善されました。たとえば2年次の対象園の低栄養児の割合は9.3%から4.8%へ改善、消耗症の子どもの割合は12.2%から6.1%へ改善されるなど、大きな成果が見られました。また、教員・保護者・地域行政による連携が深まり、園内菜園や給食づくりが自立的に行われるようになりました。特に、作成したハンドブックは郡教育局によって高く評価され、今後郡内全園で活用される予定です。
縫製スキルで未来をひらく 職業訓練プロジェクト

- 期間
- 2021年11月~2024年12月(3年間)
- 事業予算
- 約1500万円(総額)
- 受益者の声
- 「自分が学業を続けられなかった代わりに、妹の学費を支援したいです」― 女子参加者
「縫製訓練のおかげで、以前より良い暮らしができるようになりました」― 保護者
「将来、貧しい女の子たちに縫製を教えるための訓練センターを開くという夢ができました」―女子参加者
「ライフスキルを学ぶことができ、自分に自信がつきました」― 女子参加者
バングラデシュの首都ダッカ西部にあるハザリバーグ地区およびカムランギルチャール地区は、環境汚染と経済的困窮が深刻で、子どもたちは児童労働や教育機会の欠如、暴力のリスクにさらされています。貧困から学校を中退したり、危険な仕事に従事したりする子どもが多く、特に少女は教育よりも家計支援を優先されがちです。地域には、子どもの権利や保護に対する意識が根付いておらず、家庭・地域・制度の各レベルで支援が求められていました。
- 14〜17歳の若者180人に対し、縫製の職業訓練を実施
- 11〜17歳の子ども250人にライフスキル教育を提供
- 児童労働や児童婚防止などをテーマとしたアドボカシー活動(啓発セッション、フラッシュモブ、世界児童労働反対デーでの寸劇等)
- 子どもとその保護者を対象に、子どもの保護やリプロダクティブ・ヘルス、衛生管理に関する啓発セミナーを実施
- 特に経済状況の厳しい世帯を対象にした、生計向上のトレーニングおよび支援を実施
- 訓練修了生へのミシンの支給と就業支援(自営業・縫製工場就職)
この3年間で、180名の若者が縫製スキルを習得し、全員が仕事を得ることができました。自宅での開業や工場への就職など経済的自立の第一歩を踏み出しました。またライフスキル教育により、児童婚や危険な労働から身を守る力を得た子どもも多く、学校への復学も実現しました。保護者・地域住民への啓発活動により、子どもの権利に対する理解が進み、地域全体での意識変容が見られました。
子どもたちの学びを止めない 学校づくりプロジェクト

- 期間
- 2021年4月1日~2021年9月30日(6カ月間)
- 事業予算
- 約1000万円
- 受益者の声
- 「ずっと木の下の石に座って授業を受けていて、中退を考えたこともありましたが、机で勉強できるようになりました」― 小学3年生
「地域全体で野外排泄が減り、生活環境が改善されました」― 校長
「この支援は子どもたちの学習環境に大きな変化をもたらしました」― 学校運営委員
ウガンダ北東部に位置するカレンガ県は、乾燥地帯でインフラ未整備、部族間の紛争や少数民族の流入などが影響し、国内でも最も貧しい地域の一つです。この小学校では、生徒1,698人に対して教室は9室、机は70脚しかなく、子どもたちは床に座って学ばざるを得ない状況で、学習への集中や健康にも悪影響を及ぼしていました。また、トイレの不足と男女共用という状況は、衛生面だけでなく女子児童の通学継続にも大きな障害となっていました。
- 小学校校舎1棟(2教室、1事務室、1倉庫)の建設
- 学習机(3人掛け)60脚の提供
- トイレ棟2棟(男子用6室、女子用5室+更衣室1室)の建設
- 24,000リットルの貯水タンクと給水ポイント(蛇口4つ)の設置
- 教員・保護者・学校運営委員への衛生研修
- 児童240名へのWASHクラブ研修とクラブ設立
この事業により、過密な教室環境が改善され、子どもたちがより集中して学べるようになりました。子どもの教育を支えるおとなの職場環境も改善されました。男女別トイレや更衣室の整備によって、特に生理中の女子児童が学校を休む必要がなくなり、子どもたちの通学継続を後押ししています。また、貯水タンクの設置により水の安定供給が実現し、子どもたちの水汲みにかかる時間が減少しました。地域全体で衛生意識が向上し、住民の間で野外排泄をやめるなど行動変容が見られ、感染症リスクの軽減にもつながっています。
復興の希望をつなぐ教室づくりプロジェクト

- 期間
- 2023年10月1日~2024年9月30日(12カ月間)
- 事業予算
- 約600万円
- 受益者の声
- 「素敵な教室をありがとうございます」―5歳幼稚園児
「新たな教室は私たちに希望の光を与えてくださり、学校へ行くことに今まで以上に積極的になりました」―12歳学生
「非常に使いやすく、インタラクティブ(双方向)な学習を促進しています」―幼稚園教師
フィリピン・レイテ州タクロバン市パラノグ再定住地は、2013年の台風30号(現地名:ハイヤン)による被災者が多く移住し、生活を再建中です。住民の多くは農業や日雇い労働、雑貨店経営などで生計を立てており、約85%の世帯の月収が国内貧困線を下回り、教育環境の整備が急務となっていました。特に教室不足のために幼稚園では午前・午後の2部制が導入され、子どもたちの学習時間が十分に確保できない状況が続いていました。
- 小学校・幼稚園用の1教室を備えた校舎1棟を建設
- テーブル、椅子、壁掛け扇風機、本棚、教師用机など、必要な備品の設置
本事業により、新たに建設された教室で子どもたちが安全かつ集中して学べる環境が整いました。これにより、2部制の緩和にもつながり、子どもたちの学習時間の確保と教育の質の向上が図られました。
環境とともに学びを育む屋外学習センタープロジェクト

- 期間
- 2024年9月1日~2025年4月30日(8カ月間)
- 事業予算
- 約500万円
- 受益者の声
- 「もっと勉強しよう、環境を大切にしようという気持ちが湧いてきます」― 小学生
「子どもたちが集中して学べる環境が整い、ごみ分別の習慣もついてきました」― 教員
「屋外学習センターは、子どもたちの人格形成にもつながる良い学びの場となりました」― 校長
インドネシア・ジャカルタ首都特別州の北部に位置する北ジャカルタ市は、港湾や工業施設が集中する都市部です。大型トラックの往来も多く、子どもたちが屋外で伸び伸びと、安心して過ごせる場所が学校内外に不足していました。特に事業の対象になった小学校の屋外スペースは草が生い茂って放置され、有効活用されていませんでした。また、環境教育への関心は高まりつつある一方で、実践的な教育や設備が十分に整っていない状況が続いていました。
- 小学校に屋外学習センター(“Green School Guideline”準拠)を建設
- 机・椅子・黒板など学習備品の提供(229冊の蔵書含む)
- 図書室の壁画装飾(児童が環境をテーマにペイント)
- 校内施設・備品等の維持管理に関する研修の実施
- 地域と連携したごみ分別・清掃・環境教育の推進
屋外学習センターの整備により、子どもたちがのびのびと学び、読書や環境教育など多様な活動を行える空間が創出されました。児童による壁画制作や再利用素材を使った装飾、学校主導の維持管理体制、ソーラーパネルの設置などを通じて、子どもたちの環境意識と創造性が育まれました。読書習慣の定着や廃棄物管理の改善も含め、地域ぐるみで持続可能な学習環境が確立されました。
その他近年実施した特別プロジェクト事例
近年支援を受けて実施した「特別プロジェクト」の一例です。
















