ラオスの教育問題ずは珟状や教育支揎掻動を解説

投皿日2025幎3月27日
曎新日2026幎6月16日
  • 教育

  • ラオス
  • 教育

この蚘事でわかるこず

ラオスでは、経枈的な芁因や孊校蚭備の䞍足が圱響し、貧困局の子どもたちが教育機䌚を埗にくい状況です。ワヌルド・ビゞョンは、教育支揎を通じお子どもたちに孊びの機䌚を提䟛し、貧困の連鎖を断ち切る取り組みを行っおいたす。

ラオスの正匏名称は、ラオス人民民䞻共和囜です。50もの民族で囜家が圢成されおおり、ラオ族が党人口の半数以䞊を占めおいたす。䞻な産業はサヌビス業、蟲業、工業ずなりたす。䞭でも蟲業に関わる人口は450 䞇人を占めおおり、囜民のおよそ70.5が蟲家ずしお働く「蟲業倧囜」です(泚1)。

ラオスでは珟圚、倚民族囜家ならではの孊力栌差や教育面の課題に盎面しおおり、子どもの教育にも倧きな圱響をおよがしおいたす。本蚘事では、ラオスの教育制床や珟状、問題点に぀いお解説したす。

ラオスの教育の珟状や課題を知り、具䜓的にどんな支揎ができるかを参考にしおみおください。

ラオスの教育に぀いお

ラオスは倚民族囜家ならではの孊力栌差や教育面の課題に盎面しおおり、 子どもの教育にも倧きな圱響をおよがしおいる
ラオスは倚民族囜家ならではの孊力栌差や教育面の課題に盎面しおおり、 子どもの教育にも倧きな圱響をおよがしおいる

はじめに、ラオスの教育制床や珟圚の状況を玹介したす。ここでは、教育制床の歎史を解説したうえで、ラオスの教育の珟状に関する背景に着目しおいきたす。

ラオスにおける教育の歎史

ラオスの教育が広がった背景には寺院(ワット)で仏教や䌝統䟡倀、瀌儀䜜法、ラオス語の読み曞きを教えおきたこずがありたす。1962 幎には経枈掻動のニヌズに合わせた「教育や仏教文化の再生」を掲げた教育政策が打ち出されたした。

圓時は2぀の教育制床に分かれおいたした。1぀目は郜垂を䞭心ずしたフランス匏教育制床を継承したもの、2぀目は地方を䞭心ずした共産軍による䌝統や思想(仏教)を基にした教育制床です。

1975 幎に政府が䞭倮集暩䜓制䞋での「教育改革」「教育環境の敎備」に着手し、初等教育の普遍化ず囜民党䜓の非識字からの脱华を打ち出したした。1990 幎に実斜された「䞇人のための教育(EFA)䌚議」は、囜際的に基瀎教育の重芁性が提瀺され、ラオス政府も初等教育の充実ず党囜民に察する教育機䌚の提䟛を掚進する埌抌しずなりたした(泚2 p.17)。

ラオスの教育の珟状

ラオスでは5 歳から 9 歳たでの人口が総人口の 15.5の割合を占めおおり、政府ずしおも初等教育の充実に力を入れおいたす(泚2 p.20)。就孊率は党䜓的に䞊昇傟向ですが、䞋の衚によるず、䞭等教育に進むに぀れお就孊率が䜎䞋しおいるのがわかりたす(泚3 p.179)。

指暙各教育レベルの就孊率()
2005/62010/112015/6
初等教育玔入孊率(3-5æ­³)(%)66.485.397.8
就孊前教育就孊率(5æ­³)(%)N/A40.370.9
初等教育玔入孊率(%)66.485.397.9
初等教育玔就孊率(%)83.994.198.8
5幎生残存率(%)62.070.079.6
初等教育修了率(%)N/A67.277.9
前期䞭等教育粗就孊率(%)51.762.982.2
埌期䞭等教育粗就孊率(%)34.533.547.8

課題の芁因ずしお考えられるのは経枈的状況、環境芁因、䜿甚蚀語などです。たた、退孊ず留幎が倚く、2015/16幎床の1幎生の留幎率が11.5、䞭退率が7.2ず未だ高い数倀になっおいたす(泚3 p.182)。

ラオスの教育制床

ラオスの教育制床は、倧きく「就孊前教育」「䞀般教育」「技術・職業教育蚓緎」「高等教育」の4぀に分かれたす。䞭でも䞀般教育は、さらに以䞋の3぀に分類されたす(泚2 p.17)。

  • 初等教育(610æ­³)
  • 前期䞭等教育(1114æ­³)
  • 埌期䞭等教育(1517æ­³)

たた、初等教育ず前期䞭等教育(6〜14æ­³)は、矩務教育ずしお無償で提䟛。䞭等教育では県単䜍、高等教育では党囜単䜍で卒業詊隓が課されたす。党囜的に、初等教育〜倧孊たで、すべおの教育珟堎で「制服」を着甚するのが䞀般的です(泚4)。

このほかには、孊校に通えなかった子ども・青少幎向けに「ノンフォヌマル教育」が準備されおおり、初等教育レベルを3幎間、前期䞭等教育レベルで3幎間のプログラムを実斜しおいたす。しかし、この制床は授業時間数が異なるため、初等教育・前期䞭等教育ず同等の知識・技術に達しづらいこずが課題です(泚2 p.18)。

ラオスの教育問題ずは

ラオスの孊校で孊ぶ子どもたち
ラオスの孊校で孊ぶ子どもたち

ラオスでは䞍完党校による就孊率の䜎䞋、孊習環境芁因による課題がありたした。そのほかにも倚民族囜家ならではの課題が様々ありたす。この章ではラオスの教育の問題点を、それぞれ詳しく芋おみたしょう。

䜿甚蚀語による孊力栌差

50もの民族で構成されるラオスでは、䜿甚蚀語(母語)の違いによる孊力栌差が教育的な課題ずしお挙げられおいたす。ラオス語を母語ずする「ラオ族」の教垫が授業を行ったずしおも、ラオス語以倖を母語ずする郚族の生埒は、普段䜿う蚀語ず孊習蚀語が異なるため理解が難しい状況です。

たずえば、ラオ族のラオス語の識字率は93.3に察しお、少数民族の「アカ族」は36.2です。そのため、アカ族の倧半の子どもたちはラオス語を話せないたた、入孊したす(泚5 p.176)。

アカ族の子どもがラオス語を孊習する時間は確保されないため、特にラオス語(囜語)の時間は、理解床に倧きな差が生たれおしたいたす。

孊校の蚭備、教材の䞍足

孊校の蚭備に関しおは、矩務教育期間を最終孊幎たで提䟛できない「䞍完党校」の倚さが問題芖されおおり、芁因ずしお校舎の老朜化問題などが挙げられおいたす。地方の山岳地垯では、雚期になるず老朜化が進んだ校舎では雚挏りが発生し、䌑校になるずいった事態が発生しおいるケヌスもありたす(泚6 p.41)。

2010幎のデヌタによるず、8,968校のうち玄43の3,856校が䞍完党校ずされおいたす。䞍完党校で教育を受けるこずが難しい堎合は、孊幎が䞊がるず同時に転校を䜙儀なくされおしたうのです。

教材面では、「児童孊習達成床調査(ASLO)」の結果によるず初等教育の最終孊幎5幎生の73が十分な習熟床に達しおいない(2009幎)こずが明らかになったそうです。

この芁因は、教科曞の内容(蚘茉事項の明らかな間違い・䞍適切な指導順序・説明方法など)や䞍十分な印刷・配垃状況などによるこずが指摘されおいたす(泚7)。

たた、カリキュラム・教科曞・指導曞改蚂を担圓する囜立教育科孊研究所(RIES)の知芋䞍足も問題です。生埒にわかりやすい授業の実践方法など、教員のスキルが䞍足しおいる点も課題ずなっおいたす。

教員の䞍足

ラオスでは、教員の䞍足も課題です。教員1人あたりが担圓する児童数が増え、教育の質の担保が困難になっおいたす。たた、教員の䞍足により孊校数が䞍足し、䞍完党校が発生する原因にも぀ながっおいたす。特に、地方郜垂の教垫を志す人たちがビ゚ンチャンなどの郜垂郚の職堎を垌望するこずが芁因です(泚6 p.42)。

【ラオスの初等教育における孊校数・教員数・児童数の掚移】

2009幎2010幎2011幎2012幎
教員数29,00032,00033,57634,453
児童数909,000916,000900,123883,938
小孊校数8,8718,9688,9028,912
児童数/教員数31292726

さらに、少数民族出身の堎合、教垫(公務員)になりにくいずいう課題もありたす。

䞊蚘の初等教育における孊校数・教員数・児童数の掚移によるず、小孊校1校あたりの教垫の数は増加し、教垫1人あたりの児童数は31人から26人ぞず枛少しおいたす。しかし、児童数の枛少もあるため、根本的な解決ずは蚀えない状況です。

児童の「教育の質」を担保するためにも、教員䞍足は解決が必芁な問題です(泚6 p.42)。

ラオス教育に関するワヌルド・ビゞョンの掻動

iREAD Projectを通しお識字の重芁性を䌝える掻動を実斜しおいる
iREAD Projectを通しお識字の重芁性を䌝える掻動を実斜しおいる

ラオスの教育課題を解決するべく、ワヌルド・ビゞョンでは支揎掻動を行っおいたす。ここでは、近幎行われおいる掻動ずその結果を玹介したす。

iREAD Project

iREAD Projectは、2019幎からワヌルド・ビゞョンが実斜されおいる教垫やコミュニティ、芪子など倚くの方々の読曞スキルの向䞊を目的ずしたプロゞェクトです。実際に過去2幎間で、1幎生から5幎生たでの1,458人の生埒がこのプロゞェクトの支揎を受け、珟地教垫34名が指導のためのトレヌニングを受けたした。

たた、よりよい読曞環境の創出を目指し本の寄付掻動も行っおいたす。実際に、iREADの支揎を受けた孊校は、本の内容を理解しお読める3幎生の割合が2020幎には5だったのに察し、2021幎には28に増加したした。この掻動によっお本による理解力の向䞊に倧きく貢献しおいたす。

孊校倖のコミュニティでも、このiREAD Projectを通しお識字の重芁性を䌝える掻動を実斜。今埌も子どもたちの理解力ず分析胜力の匷化、蚘憶力向䞊、心身の安定、豊かな想像力を育み続けたす。

教育支揎

教育支揎では䞻に蟲村郚の子どもたちに向けお、物質的支揎ず孊習環境の敎備を行っおいたす。特に蟲村郚では退孊率ず退孊率の高さが課題です。そのため、初等教育課皋の修了を目指しお支揎を行った結果、97の子どもたちが小孊校を卒業できたした。

たた、孊習環境の敎備では叀い校舎を改築し、床もなく壁も隙間が目立぀朚造がコンクリヌト補に生たれ倉わりたした。珟圚、敎った孊習環境のもずで1〜4幎生76人が孊習をしおいたす。

孊習環境や゜フト面(掻動の理解など)の支揎ずしおは、村の保護者や䜏人70人に向けお教育の重芁性や子どもに関する研修を行い、孊校の改善や根本的な教育に察する理解促進の掻動を行いたした。

このように子どもたちの物的支揎だけでなく、村人の教育に察する理解床を高め、集萜党䜓で子どもの成長が芋守れるよう支揎を続けおいたす。

皲䜜・家畜飌育・家庭菜園などの生掻支揎

子どもたちの食生掻の改善を解決するべく、皲䜜・家畜飌育・家庭菜園などの生掻支揎も行っおいたす。

家庭菜園では也期に向けお安定した氎の確保が行えるように、パむプやポンプを提䟛し畑や川ダムに氎を䟛絊できるシステムを構築。たた、貧困䞖垯に向けお栜培に関する技術移転を行い各家庭の食生掻の改善に努めおいたす。412䞖垯が川ダムを掻甚しお食甚の魚を確保できるようになりたした。

家畜に関する支揎では「ダギの飌育」に関する支揎を行っおいたす。飌育に関する方法や病気になった際の察応などの研修を行い、飌育したダギ販売で20䞖垯が安定した収入を埗ながら生掻できるようになっおいたす。

皲䜜に関しおは、20䞖垯を察象に新皮の皲の提䟛や技術研修を行っおいたす。今埌もこれらの研修を5぀の村で展開しお行く予定です。これら3぀の分野での支揎により、919䞖垯で1日2回の食事が可胜になりたした。

子どもの教育支揎にご協力をお願いしたす

アゞアの子どもたちの「今」をメヌルマガゞンを通しお感じおみたせんか
アゞアの子どもたちの「今」をメヌルマガゞンを通しお感じおみたせんか

ワヌルド・ビゞョンはこれたで玹介しおきたような子どもたちを支揎するために、メヌルマガゞン”Enews”を配信しおいたす。

月に1回、配信しおおり、ワヌルド・ビゞョンが掻動する地域での支揎状況やSDGsに関する取り組みなどを玹介しおいたす。

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すべおの子どもに教育を届けるために

教育は、子どもたちの未来を倧きく倉える力を持っおいたす。しかし、䞖界には孊校に通えない子どもたちが倚くいたす。教育支揎の珟状ず取り組みを玹介したす。

よくあるご質問

  • ラオスの教育制床は、就孊前教育、䞀般教育、技術・職業教育蚓緎、高等教育の4぀に分かれおいたす。䞀般教育は初等教育、前期䞭等教育、埌期䞭等教育で構成され、6〜14歳は矩務教育ずしお無償で提䟛されおいたす。

  • ラオスでは就孊率は党䜓ずしお䞊昇傟向にありたすが、䞭等教育に進むに぀れお䜎䞋しおいたす。留幎や䞭退も倚く、初等教育から䞭等教育ぞの継続に課題がありたす。

  • ラオスの教育栌差には、経枈的な状況、孊習環境の違い、䜿甚蚀語の違いが圱響しおいたす。倚民族囜家であるこずも、子どもたちの孊びやすさに差を生む芁因になっおいたす。

  • 䜿甚蚀語の違いは、授業の理解に倧きな差を生みたす。ラオス語を母語ずしない少数民族の子どもは、入孊時点で孊習蚀語に十分な理解がない堎合があり、特に囜語の孊習で䞍利になりやすい状況です。

  • ラオスでは、矩務教育の最終孊幎たで孊べない䞍完党校が倚く、校舎の老朜化も課題です。教材面でも、教科曞の内容や印刷・配垃の䞍十分さが孊習の質に圱響しおいたす。

  • 教員䞍足も倧きな課題です。教員1人あたりが担圓する児童数が増えるこずで教育の質を保ちにくくなり、䞍完党校が生たれる䞀因にもなっおいたす。

  • ワヌルド・ビゞョンは、読曞スキル向䞊を目的ずしたiREAD Projectや、蟲村郚の子どもぞの教育支揎、校舎の改築、保護者や䜏民ぞの研修などを行っおいたす。子どもだけでなく、地域党䜓で教育を支える環境づくりにも取り組んでいたす。

参考資料

  • 泚1 倖務省ラオス基瀎デヌタ
  • 泚2 倖務省ラオスの教育セクタヌの抂況
  • 泚3 JICA第10ç«  ラオスの基瀎教育開発の進展ず「孊校に基盀を眮いた教 育行政」に向けたJICAの取り組み
  • 泚4 倖務省キッズ倖務省䞖界の孊校を芋おみようラオス人民民䞻共和囜
  • 泚5 比范教育孊研究ラオスにおける孊力調査の珟状ず栌差是正の詊み
  • 泚6 石黒 銚ラオスの初等教育問題ず日本の囜際協力
  • 泚7 JICA南郚3県を察象に実斜されたJICA技術協力プロゞェクト「理数科珟職教員研修改善プロゞェクト」2010幎〜2013幎

※このコンテンツは、2022幎5月の情報をもずに䜜成しおいたす。

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