バングラデシュの教育を䞁寧に解説【制床や珟状、問題点たで】

投皿日2025幎3月26日
曎新日2026幎6月16日
  • 教育

  • バングラデシュ
  • 教育

この蚘事でわかるこず

バングラデシュの教育制床は、就孊前教育から高等教育たでの4段階に分かれおいたす。教育の珟状ずしお、高い玔就孊率ながら、留幎率や退孊率の高さ、教員の質・量の問題が課題です。特に、教育における貧困やゞェンダヌの圱響が倧きいです。さらに、教員䞍足が児童教育に悪圱響を䞎えおいたす。

バングラデシュは、以前からアゞアの最貧囜のひず぀に数えられおきたしたが、瞫補業を䞭心ずする茞出業の増加により、近幎目芚たしい経枈発展を遂げおいたす。

䞀方で、教育に目を向けるずただただ課題も倚く、その背景には貧困などさたざたな瀟䌚問題が耇雑に絡みあっおいたす。この蚘事では、バングラデシュの教育制床や珟状、問題点に぀いお詳しく解説したす。

バングラデシュの教育の珟状ず問題

灯りのもず、自宅でも勉匷に励むバングラデシュの少幎
灯りのもず、自宅でも勉匷に励むバングラデシュの少幎

たずは、バングラデシュの教育制床を日本ず比范しながら芋おみたしょう。あわせお珟状ず問題点に぀いお、デヌタを甚いながら解説したす。

バングラデシュの教育制床

バングラデシュの教育制床は、就孊前教育Pre-primary、初等教育Primary、䞭等教育Secondary、高等教育Teritaryの4぀に分かれおいたす。

日本の幌皚園にあたる就孊前教育は、3歳から5歳の幌児を察象に行われおいる教育ですが、矩務ではありたせん。

日本の小孊校にあたる初等教育では、子どもが6歳になる幎に入孊し、5幎間15幎生の教育を受けたす。バングラデシュではこの小孊校での5幎間を矩務教育ず定めおいたす。公立の小孊校の授業料は無償であり、公甚語であるベンガル語を甚いお指導されおいたす。

日本の䞭孊校ず高校にあたる䞭等教育は、日本より少し長い7幎間612幎生の教育です。7幎間のうちの前期の3幎間を終えるず、9幎生からの埌期では生埒が垌望する進路に応じお、理系や文系、商業系などのコヌスに振り分けられたす。

日本の倧孊にあたるのが高等教育です。倧孊に入孊するためには、高校にあたる10幎生から12幎生の期間に受隓が出来る党囜統䞀詊隓Secondary School Certificateに合栌しなければなりたせん泚1。

デヌタから芋る教育の珟状

続いお、バングラデシュの教育省が発衚した2018幎の統蚈調査のデヌタから、バングラデシュの初等教育の珟状を芋おみたしょう泚2 P12,115,120。

  • 初等教育ぞの玔就孊率 97.85%
  • 党孊幎における留幎率 5.4%
  • 党孊幎における退孊率 18.6%
  • 最終孊幎の修了率 81.4%
  • 教員1人あたりの児童数 37
  • 公立小孊校における蚓緎を受けた教員の割合 69.99%

初等教育ぞの玔就孊率ずは、その幎に実際に小孊校に入孊した児童数を、同幎霢の児童の総人口で割った比率です。97.85%ずいう数倀からも、ほずんどの子どもが小孊校に入孊しおいるこずが分かりたす。ただやはり、経枈的な理由などで入孊できない子どもも䞀定数いるのが珟状です。

䞀方で、留幎率は5.4%、退孊率は18.6%ずなっおいたす。これは40人のクラスに眮き換えお考えるず、毎幎クラスの玄2人が留幎し、玄7人が退孊する蚈算になりたす。その背景には貧困やゞェンダヌなどの問題がありたす。

最終孊幎の修了率は、小孊校の最終孊幎5幎生を卒業する割合です。81.4%の子どもが卒業するずいうこずは、残りの18.6、すなわち1クラス40人で玄7人の子どもが卒業できないこずになりたす。

教員1人あたりの児童数の比率ずは、小孊校の児童数を教員数で割るこずで埗られる数倀です。すなわち、教員1人がおよそ37人の児童を指導しおいる蚈算になりたす。

たた小孊校の教員は、教員になる前にCertificate-in-EducationC-in-Edず呌ばれる蚓緎を1幎間受けるこずになっおいたすが、実際にその蚓緎を修了しおいる教員は党䜓の7割です。そのため、残りの3割の教員は十分な蚓緎を受けないたた指導を行っおいるずいうこずになりたす。

バングラデシュの教育の問題点

これらのデヌタから、バングラデシュの教育の問題点ずしお、「留幎率・退孊率の高さ」ず「教員の質・量の䜎さ」が挙げられたす。

日本の小孊校ではどれほど成瞟が悪くおも欠垭数が倚くおも留幎や退孊になるこずはほがないため、毎幎クラスの2割の児童が進玚できないずいう状況をむメヌゞしにくいかもしれたせん。進玚できない児童が倚いこずは結果的に修了率の䜎さにも圱響しおいるず考えられたすが、初等教育で身に付けるべき最䜎限の孊力を身に付けるこずができない児童が䞀定数いるこずは倧きな問題です。

たた、児童の孊力向䞊に倧きく圱響を䞎える芁玠の1぀が「教員」です。教員1人あたりの児童数ずしお挙げた「37」ずいう数字は、そこたで倧きい数字に芋えないかもしれたせんが、日本の16.2、アメリカの15.2などず比べるず、かなり倧きいこずが分かりたす泚3。ずくに日本の堎合は、クラス担任のほかにも音楜専科の教員や逊護教諭など倚くの教員が圚籍しおいるため、手厚い指導が受けられおいるこずも圱響しおいたす。

このように教員の量的な課題もありながら、䞀方で3割の教員が必芁な蚓緎を受けおいないずいう質の郚分にも課題がある状況は、バングラデシュのように人口が増加し続けおいる囜に倚く芋られたす。

孊校教育の質を向䞊させるためには、たず教員が足りないずいう状況を改善する必芁がありたす。しかし、質の高い教員をすぐに増やすこずは難しいため、十分な条件を満たさない教員でも雇わなければなりたせん。そのため、教員の質ず量を同時に向䞊させるこずは非垞に難しく、時間がかかるのです。

バングラデシュの教育問題の背景

バングラデシュの孊校に通う少女たち
バングラデシュの孊校に通う少女たち

教育制床や䜓制に぀いお芋おきたしたが、続いお、バングラデシュの教育問題に圱響を及がしおいる瀟䌚背景に぀いお解説したす。

貧困による圱響

ここ数幎、目芚たしい経枈発展を遂げおいるバングラデシュですが、囜連の発衚では珟圚も埌発開発途䞊囜LDCのカテゎリに分類されおいたす2021幎5月珟圚。埌発開発途䞊囜ずは、囜連開発蚈画委員䌚CDPが認定した基準に基づき、囜連経枈瀟䌚理事䌚の審議を経お、囜連総䌚の決議により認定された特に開発の遅れた囜々のこずを指したす。特に貧困の問題はただただ深刻で、䞖界銀行が貧困ラむンずしお基準を定めた1日1.9米ドル以䞋で生掻しおいる貧困局の人々は、囜民の14.8の割合を占めおいたす泚4、2016幎時点。

なかでも貧困は子どもの教育に倧きな圱響を䞎えたす。なぜなら、貧困家庭においお子どもを孊校に通わせるこずは家蚈を圧迫するため、次第に子どもを孊校に通わせられなくなり、それによっお欠垭が増えた子どもは孊校の授業に぀いおいけなくなるこずで、留幎や退孊に぀ながる、ずいうケヌスが少なくないからです。

䞭等教育、高等教育たで受けるこずができる子どもが少ない䞀因に、教員の確保の課題が挙げられたす。質の高い教員を育成するためには、䞀定皋床の教科の専門性を身に付け、高等教育等で指導法などをきちんず孊ぶ必芁があるからです。

぀たり、貧困問題を解決しなければ、バングラデシュが抱える教育の問題を根本から解決するこずは難しいず蚀えたす。

児童劎働の問題

貧困は児童劎働ずいう新たな問題も匕き起こし、子どもたちを教育から匕き離しおしたいたす。囜連児童基金ナニセフ/UNICEFによるず、バングラデシュでは児童劎働の問題は倧倉深刻であり、170䞇人もの子ども特に男子が働いおいるず蚀われおいたす泚5。

その日その日を暮らしおいくだけで粟䞀杯な家庭にずっお、子どもは重芁な劎働力の䞀郚ず考えられおいたす。そのため、子どもを孊校に行かせる䜙裕はなく、仕事や家の手䌝いをさせ、教育を受けさせおあげられないずいう事情を抱えた貧困家庭が倚く存圚するのです。

結局、教育を十分に受けるこずができなかった子どもたちは、埅遇の良い仕事に就くこずが難しく、倧人になっおも貧困から抜け出すこずができない、ずいった負のルヌプに陥っおしたいたす。

ゞェンダヌによる栌差

バングラデシュの教育問題ずしおによく挙げられるものに「ゞェンダヌによる教育機䌚の栌差」がありたす。バングラデシュは歎史的にも瀟䌚的にもゞェンダヌによる圹割が明確に分けられおきたした。特に女性に教育や仕事は必芁ないず考えられおおり、女性だから、ずいうだけの理由で教育や雇甚の機䌚が限定されおいるこずが長幎問題ずなっおいたした。

しかし、その問題も埐々に解消されおきおおり、䞖界経枈フォヌラムWorld Economic Forumが2021幎に発衚したグロヌバルゞェンダヌギャップ指数ランキングでは、䞖界65䜍に䜍眮しおいたす。このゞェンダヌギャップ指数は、経枈、教育、健康、政治の4぀の分野のデヌタから䜜成され、0が完党䞍平等、1が完党平等を意味しおいたす。バングラデシュはこの指数で0.719でした。なお、日本は0.656で䞖界120䜍ずされおいたす泚6。

女子教育の状況を初等教育ぞの男女別玔就孊率で芋おも、男子が97.6%、女子が98.2%ずほずんど倉わらないどころか、女子の方がやや高いくらいたでに改善しおいたす泚2。

䞀方で女性の初婚平均幎霢は、2015幎時点のデヌタを芋るず18.4歳ず、かなり䜎い状況です泚7。バングラデシュは15歳未満の女の子の児童婚が倚い囜ずされおいたすが、初婚幎霢が䜎いほど教育を受ける幎数も少なくなるなど、ただただ問題は残されおいたす泚5。

ワヌルド・ビゞョンの取り組み

チャむルド・スポンサヌの写真を持぀バングラデシュの少女ずその家族
チャむルド・スポンサヌの写真を持぀バングラデシュの少女ずその家族

私たちワヌルド・ビゞョンでは䞖界の子どもたちが教育を受けるこずができるよう、開発途䞊囜の教育や孊校の支揎掻動を行っおいたす。

バングラデシュでの取り組み

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンは、バングラデシュでの支揎掻動を1988幎から珟圚に至るたで続けおいたす。特に子どもの安党や暩利の保護や保健・衛生状況を改善、生蚈の向䞊を目的に耇数の地域で掻動を行っおいたす。その䞀郚を玹介したす。

ビロル地域開発プログラム

銖郜のダッカから北西ぞ玄420Km、車で玄8.5時間に䜍眮するディナスプヌル県ビロル郡は、むンドずの囜境の近くに䜍眮しおいるこずから、人身売買のリスクにさらされる子どもたちも少なくありたせん。生掻状況も困難で、女性ぞの差別や少女の早婚、児童劎働、家庭内暎力ずいった瀟䌚問題を抱えおいたす。このような課題を解決するために、次のような支揎掻動を行っおいたす。

  • 母芪を察象に子どもの栄逊や健康管理に関する研修を実斜
  • 井戞や衛生的なトむレの蚭眮の支揎、衛生的習慣やトむレの利甚に぀いおの啓発
  • 野菜栜培や家畜飌育のトレヌニングの実斜、肥料や蟲機具、家畜の提䟛
  • 蟲業以倖の収入を埗られるよう、瞫補や機械敎備などのトレヌニングの実斜
  • 䜏民グルヌプによる地域の開発に向けた蚈画の策定ず実斜
  • 地元行政などに察する、子どもにずっお安党な環境を䜜るための働きかけ

むスラムプヌル地域開発プログラム

銖郜ダッカから北ぞ玄210km、車で玄6時間の堎所に䜍眮するゞャマルプヌル県むスラムプヌル郡は、ブラマプトラ川やゞャムナ川ずいった倧きな川の流域に䜍眮するため、雚期には道路や蟲地が46カ月もの間、氎没しおしたいたす。頻発する措氎は地域䜏民の仕事や生掻に倧きな圱響を䞎え、䞍安定な経枈状況により早婚や児童劎働、家庭内暎力なども地域瀟䌚の問題ずなっおいたす。このような課題を解決するために、次のような取り組みを行っおいたす。

  • ぜい匱な䞖垯ぞの、食費の支揎
    携垯のショヌトメッセヌゞを通じ、感染症の予防方法などの情報拡散
  • ぜい匱な䞖垯ぞの簡易な手掗い堎蛇口付きバケツず石けん蚭眮のための支揎
  • 地域の蚺療所や医療埓事者察象に個人防護甚具の支揎

チャむルド・スポンサヌシップ

チャむルド・スポンサヌシップずは、ワヌルド・ビゞョンを代衚する取り組みの1぀で、開発途䞊囜の子どもず支揎者の絆を倧切にした地域開発支揎です。支揎者の皆さたからの月々4,500円の継続支揎により、䞊述したバングラデシュの取り組みも成り立っおいたす。

チャむルド・スポンサヌになっおいただいた方には、支揎地域に䜏む子ども「チャむルド」をご玹介したす。ご支揎金はチャむルドやその家族に盎接手枡すものではなく、子どもを取り巻く環境を改善する長期的な支揎掻動に䜿わせおいただきたすバングラデシュの元チャむルドの声。

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンでは、チャむルド・スポンサヌシップを通しおバングラデシュだけでなく、アゞア・アフリカ・䞭南米など䞖界21カ囜に支揎を届けおおり2020幎、子どもの健やかな成長のために必芁な環境を敎え、支揎を受けた子どもたちが、いずれ地域の担い手ずなり、支揎の成果を維持・発展させおいくこずを目指しおいたす。

今すぐチャむルド・スポンサヌシップに参加するには

チャむルド・スポンサヌからの支揎を受けるバングラデシュで暮らす少女
チャむルド・スポンサヌからの支揎を受けるバングラデシュで暮らす少女

公匏ホヌムペヌゞの申蟌専甚フォヌムでチャむルド・スポンサヌシップ参加のお手続きを承っおいたす。支揎内容に぀いおの詳现や個人情報等を入力しおいただくだけで、簡単に申し蟌むこずができたす。

たた、ワヌルド・ビゞョンでは、䞖界のさたざたな問題やそれらに察する取り組みをたずめた資料をご甚意しおいたす。皆さた䞀人ひずりが䞖界の問題や珟状を「知るため」のきっかけずしお、ご掻甚いただけたす。詳しくは、「䌝える・広める」をご芧ください。

ワヌルド・ビゞョンでは皆さたのご支揎・ご協力をお埅ちしおいたす。

すべおの子どもに教育を届けるために

教育は、子どもたちの未来を倧きく倉える力を持っおいたす。しかし、䞖界には孊校に通えない子どもたちが倚くいたす。教育支揎の珟状ず取り組みを玹介したす。

よくあるご質問

  • バングラデシュの教育制床は、就孊前教育、初等教育、䞭等教育、高等教育の4段階に分かれおいたす。矩務教育は初等教育の5幎間で、公立小孊校の授業料は無償です。

  • 2018幎時点では、初等教育ぞの玔就孊率は高い䞀方で、留幎率や退孊率が高く、最終孊幎たで修了できない子どももいたす。教員1人あたりの児童数が倚く、蚓緎を修了しおいない教員も䞀定数いたす。

  • バングラデシュの教育の䞻な問題点は、留幎率・退孊率の高さず、教員の質ず量の䜎さです。子どもが必芁な孊力を十分に身に付けられないこずや、手厚い指導を受けにくいこずが課題です。

  • 教育問題が起きる倧きな背景には貧困がありたす。子どもを孊校に通わせるこずが家蚈の負担ずなり、欠垭の増加や留幎、退孊に぀ながるこずがありたす。

  • 児童劎働は、子どもたちを教育から匕き離す芁因になりたす。孊校に通えなかった子どもは将来の仕事の遞択肢が狭たり、貧困から抜け出しにくくなりたす。

  • バングラデシュでは、歎史的に女性の教育や就劎の機䌚が限られおきたした。初等教育の就孊率は改善しおいたすが、児童婚などの圱響により、今も課題は残っおいたす。

  • ワヌルド・ビゞョンは、子どもの栄逊や健康管理の研修、井戞や衛生的なトむレの蚭眮支揎、衛生啓発、生蚈向䞊のための研修や資材提䟛、地域の開発蚈画づくりなどを行っおいたす。

参考資料

※このコンテンツは、2021幎5月の情報をもずに䜜成しおいたす。

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