《新型コロナウイルス対応への寄付》世界の子どもを守るために私たちにできること
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この記事でわかること
ワールド・ビジョン・ジャパンは、新型コロナウイルスの影響を受ける途上国の子どもたちを支援するため、感染防止対策や医療体制の強化、食料支援、教育支援などを行っています。また、これらの活動を継続するために緊急募金への協力を呼びかけています。
現在、日本を含めて世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。感染者は世界で1千万人以上、死者数は約50万人に上っています(2020/6/30時点)(注1)。私たちの生活は大きく変わり、以前に比べてさまざまな活動が制限されるようになりました。さらに外出自粛による経済活動への影響も憂慮されています。
新型コロナウイルスは、開発途上国で暮らす子どもたちへも大きな影響をおよぼしています。この記事では、いま世界の子どもたちが置かれている状況と、私たちワールド・ビジョンが取り組んでいる支援活動について紹介します。
新型コロナウイルスの世界の現状

まずは、新型コロナウイルスの現状と、新型コロナウイルスにより起きる問題について説明します。
世界の感染者数
現在、世界では1千万人以上の感染者が報告されています。特にアメリカでは500万人以上、ヨーロッパでは260万人以上と世界全体の感染者の大多数を占めています。死者数は50万人を上回っています(注1)。さらにインドや中東では感染者数が増加傾向にあります。
日本での感染者は18,500人以上で死者数は970人超となっています(2020/6/30時点)。国内での感染者数は落ち着いてきていますが、第2波、第3波が来る恐れもあり、世界全体で予断を許さない状況が続いています。特に医療体制が整っていない地域の多いアフリカでの感染拡大が懸念されています。
新型コロナウイルスによって起きている問題
新型コロナウイルスは私たちの生活や国の経済に大きな影響を与えています。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、国内でも移動や外出の制限が行われました。外出制限は感染拡大を防ぐ側面がある一方で、各家庭が孤立してしまうことにより家にいる子どもたちの安全が脅かされてしまうこともあります。たとえば、以前から家庭内で問題を抱えていたり、適切な育児環境にない子どもへの身体的、心理的、性的な暴力や搾取の危険が高まっています。
ワールドビジョンでは新型コロナウイルスによる子どもへの影響を分析した緊急報告書『A Perfect Storm』を発表しました。そのなかでは今後2年間で児童婚が増加する可能性があるという予測を報告しており、経済に関する不安の増大は、児童労働、児童婚、人身売買のリスクを高める要因となると考えています。
また今年4月にバングラデシュで実施した調査によると、保護者による子どもへの身体的暴力が42%増加していることが分かりました。さらに外出禁止令により身の安全に不安を抱いている女の子は半数以上でした。
今後、開発途上国での感染が拡大したり、経済状況が悪化したりすることで、難民や開発途上国といったぜい弱な環境にいる子どもたちに深刻な影響がおよぶ可能性が考えられます。
新型コロナウイルスから子どもたちを守るには
ぜい弱な環境下で特に弱い立場にある子どもたちは、新型コロナウイルスによる影響を大きく受けてしまいます。ワールド・ビジョンではそのような子どもたちを守るため以下の4つの柱を掲げて活動を行っています。
- 感染拡大防止
- 保健システムと医療体制
- 子どものケア
- 子どもの保護を目的とした協働とアドボカシー
ここでは上記の3つの柱をもとに開発途上国で行っている緊急支援についてご紹介します。
感染拡大防止

感染拡大を防ぐためには、一人ひとりの感染予防が有効とされています。私たち日本人は普段から手洗いやうがいをすることは習慣化している人が多いですが、開発途上国では正しい手洗いの仕方を知らなかったり、水道や石けんのなかったりする場所もあります。
たとえば、難民や国内避難民の多くが生活をしている難民キャンプは、衛生環境が悪く、密集した環境にあることが多いです。このような場所ではウイルスが蔓延してしまい、多くの人の命が失われてしまう可能性があります。
そのため、ワールド・ビジョンでは手洗い場を新たに設置したり、石けんを提供したりして、手洗いの仕方を指導する支援をしています。また、新型ウイルス拡大に伴い改めて認識されるようになった、咳エチケットやソーシャル・ディスタンシングの啓発を行っています。
保健システムと医療体制
保健システムや医療体制は感染症による死亡者を減らすために必要不可欠なものです。なぜなら安定的な医療体制がなければ、本来助かるはずの命を救うことができなくなってしまうことがあるからです。
新型コロナウイルス拡大によって保健医療崩壊が進んだ場合、その他が病気の治療が受けられなくなったり、食料不足によって栄養不足になったりするなどのリスクも考えられます。そのような最悪の事態を避けるためワールド・ビジョンでは、医療体制の整っていない支援地域に対して重点的に、マスクや医療従事者への防護用・消毒キット、手袋などを支援物資として提供しています。
子どものケア

ワールド・ビジョンでは「子どものケア」に重点を置いて援助をしています。ワールド・ビジョンが新型コロナウイルスによる子ども(8~18歳)への影響をまとめた『Children’s voices in the time of COVID-19』によると、9割以上の子どもたちが学校の休校などによる心理的ストレスを感じ、困難な体験をしていると報告されています。
そのような心理的ストレスを軽減するため、社会心理的なサポートを実施しています。また、子どもたち一人ひとりに衛生に関する知識を浸透させることが大事だと考え、衛生教育を行う支援もしています。感染症予防に努めるだけでなく、貧困家庭の子どもには食糧支援も行っています。
ワールド・ビジョンが開発途上国で実施した調査では、自らできることを考えて、行動を起こしている子どもが多くいることも報告されています。たとえば難民キャンプに住む女の子が手洗いの歌の動画を作成して感染予防を呼びかける事例もありました。一方で、インターネット環境が整っていない地域もあり、情報格差や誤った情報を信じてしまうという課題も浮かび上がってきています。
新型コロナウイルスに関するワールド・ビジョンの取り組み

私たちワールド・ビジョンでは、新型コロナウイルス感染症への対応は世界中で立ち向かっていくものと考え、上記で紹介した開発途上国だけでなく、日本も含めて数多くの国々で支援活動を展開しています。
新型コロナウイルスから子どもたちを守る取り組み
ワールド・ビジョンでは以前から支援していた国や地域に加えて、医療体制がぜい弱な国や多数の難民・避難民を抱える国等を重点支援国に指定し、新型コロナウイルス対策や支援を行っています。感染拡大を防ぐための保険や医療体制のサポート、感染拡大のための悪い影響を防ぐため子どもへのケアや保護が主な支援活動です。
2020年1月から中国で支援を始めて以降、世界70カ国以上まで支援の幅を広げており、5月12日までにのべ2,800万人(うち、子どもはのべ1,100万人)以上に支援を届けることができました。
日本に住む子どもたちに向けても、「子どもたちにも新型コロナウイルスに関する正しい情報を届けたい」という思いから、ホームページやメール、SNSなどで情報発信をしています。学校が長期間休校になり、不安を抱えているお子さんに試してほしいことをまとめた動画や保護者の方へ向けたメッセージなども掲載しているので、ぜひご覧ください。
世界の子どもたちのために寄付にご協力ください
これまでワールド・ビジョンでは、スマトラ沖地震やエボラ出血熱などで緊急支援を行ってきました。今回も新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、これまで培ってきた経験を活かしながら支援活動を続けていきます。
新型コロナウイルスによる影響を受けやすい環境にある人々のため、2020年9月までに375億円の資金を集めることが必要です。国内でも新型コロナウイルスが猛威を振るい、今も元の生活に戻ることが難しい状況ではあります。世界全体で新型コロナウイルス感染症の拡大を食い止めるため、また感染症の二次被害による悪影響をなくすため、私たちは活動を行っていきます。
新型コロナウイルス感染症から子どもたちを守るため、募金にご協力をお願いいたします。
参考資料
※1 世界保健機関(WHO):WHO Coronavirus Disease (COVID-19) Dashboard
※このコンテンツは、2020年6月の情報をもとに作成しています。
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