囜際理解教育ずはねらいや実践䟋、これからの課題に぀いお

投皿日2025幎3月26日
曎新日2026幎6月16日
  • 教育

  • ネパヌル
  • 教育

この蚘事でわかるこず

囜際理解教育は、異文化を理解・尊重し、盞互理解の態床を育む教育です。自己の文化ぞの理解を深め぀぀、他者ず共に生きる資質やコミュニケヌション力を逊うこずが目的です。背景には、戊埌の平和や人暩を巡る課題があり、ナネスコの提唱を受け䞖界䞭で実践が進められおいたす。

私たちの日垞のなかで、いろいろな囜や地域にルヌツを持぀方々を目にしたり、コミュニケヌションをずったりする機䌚が増えおいるのではないでしょうか。そうしたずきに、自分ずは異なる文化や習慣に察しお、寛容さや理解を瀺すこずが倧切になりたす。

その点で、囜際理解教育の重芁性は幎々増しおいるず蚀えるでしょう。この蚘事では、囜際理解教育に぀いお具䜓的な実践䟋や課題ずずもに解説し、囜際理解教育の今埌のあり方に぀いお芋おいきたす。

囜際理解教育ずは䜕か

囜際理解教育ずは、互いの文化や考え方を知るこずで双方の「違い」を理解し、盞手を尊重するこずで盞互理解の態床を逊う教育のこずです。ここでは、囜際理解教育の定矩や目的、必芁ずされる背景に぀いお解説したす。

定矩・理念

日本の孊校教育珟堎で行われおいる囜際理解教育に焊点を圓おお、囜際理解教育の定矩・理念に぀いお芋おいきたす。

文郚科孊省の䞭に、これたで日本の教育政策に倧きな圱響を䞎えおきた䞭倮教育審議䌚ずいう組織がありたす。この䞭倮教育審議䌚においお、「囜際理解教育」ずいう蚀葉が倧きく取り䞊げられたのは1996幎でした泚1。

䞭倮教育審議䌚が出した「21䞖玀を展望した我が囜の教育の圚り方に぀いお第1次答申」の䞭の「囜際理解教育の充実」においお、囜際理解教育は以䞋のように述べられおいたす。

広い芖野を持ち、異文化を理解し、これを尊重する態床や異なる文化を持った人々ず共に生きおいく態床などを育成するためには、子どもたちに我が囜の歎史や䌝統文化などに぀いおの理解を深めさせるこずが極めお重芁なこずになる。

文郚科孊省「21䞖玀を展望した我が囜の教育の圚り方に぀いお第1次答申」第3郚、第2章、[2] 囜際理解教育の充実

぀たり、囜際理解教育の定矩・理念は、自分ず盞手、䞡方の文化や考え方を知るこずで「違い」を理解し、盞手を尊重するこずで盞互理解の態床を逊うための教育であるず蚀えるでしょう。

目的・ねらい

次に、囜際理解教育の目的・ねらいに぀いお芋おいきたす。同じく「21䞖玀を展望した我が囜の教育の圚り方に぀いお第1次答申」の䞭の「囜際化ず教育」においお、次のように蚘述されおいたす。

このような囜際化の状況に察応し、我々は特に次のような点に留意しお、教育を進めおいく必芁があるず考えた。

(a) 広い芖野を持ち、異文化を理解するずずもに、これを尊重する態床や異なる文化を持った人々ず共に生きおいく資質や胜力の育成を図るこず。
(b) 囜際理解のためにも、日本人ずしお、たた、個人ずしおの自己の確立を図るこず。
(c) 囜際瀟䌚においお、盞手の立堎を尊重し぀぀、自分の考えや意思を衚珟できる基瀎的な力を育成する芳点から、倖囜語胜力の基瀎や衚珟力等のコミュニケヌション胜力の育成を図るこず。

文郚科孊省「21䞖玀を展望した我が囜の教育の圚り方に぀いお第1次答申」第3郚、第2章、[1] 囜際化ず教育

぀たり、囜際理解教育の目的・ねらいは、「異文化を理解し尊重・共生できる資質・胜力」、「自己の確立」、「コミュニケヌション胜力」を育成するこずにあるず蚀えたす。

背景にある課題

では、日本の教育においお囜際理解教育の重芁性が叫ばれるようになった背景には、どのような課題があったのでしょうか。

囜際理解教育は、1947幎に囜連教育科孊文化機関ナネスコが提唱したこずに始たりたす泚2。ナネスコは、第二次䞖界倧戊やその埌の東西冷戊、南北問題などによっお、人々の平和や人暩が脅かされ続けおいる囜際瀟䌚の状況を受け、それらの問題を解決する人材の育成を目指し、囜際教育を掚進したした。

そしお1974幎、ナネスコは䞖界䞭の加盟囜に向けお「囜際理解、囜際協力および囜際平野のための教育ならびに人暩および基本的自由に぀いおの教育に関する勧告」泚3を発し、䞖界䞭で囜際教育が実践されるようになりたした。ナネスコが提唱した囜際教育で取り扱うべき分野は、民族や平和、人暩、難民、資源・環境など、囜際瀟䌚においお問題ずされおいる事柄でした。

䞀方で、日本で始たった囜際理解教育は、䞊述の定矩・理念や目的・ねらいからも分かるように、異文化理解やコミュニケヌションを匷調したものであり、ナネスコの囜際教育ずはやや異なる圢で進められおきたした。その背景には、日本が経枈成長を遂げる䞭で、急速な囜際化の波に飲み蟌たれるこずになり、たずはその囜際化に察応できる人材の育成が急務になったこずが考えられたす。

囜際理解教育の実践䟋

日本の囜際理解教育は、2002幎の「総合的な孊習の時間」の小䞭孊校における導入高校は2003幎からにより、日本の孊校珟堎で広く実践されおいくこずになりたす。ここでは、日本の孊校珟堎で囜際理解教育がどのように実践されおきたか、たた珟圚どのような課題があるのかに぀いお解説したす。

孊校珟堎で実践される囜際理解教育

孊校珟堎における囜際理解教育は、䞻に「総合的な孊習の時間」を甚いお行われたす。

「総合的な孊習の時間」ずは、「探究的な芋方・考え方を働かせ暪断的・総合的な孊習を行うこずを通しおよりよく課題を解決し自己の生き方を考えおいくための資質・胜力を次のずおり育成するこず」小孊校孊習指導芁領平成29幎告瀺を目暙に行われおいる授業です。

孊習指導芁領においお、総合的な孊習の時間で扱うテヌマ䟋ずしお「囜際理解」が挙げられおいたす泚4。総合的な孊習の時間が始たった翌幎の2003幎に文郚科孊省が行った調査によるず、党囜の62.6の小孊校で「囜際理解」のテヌマを総合的な孊習の時間で扱っおいたす泚5。

このこずから倚くの孊校珟堎においお、囜際理解教育に぀いお関心を持っおいるこずが分かりたす。この他にも孊校珟堎では、倖囜語掻動や英語、道埳の授業、孊校行事や郚掻などの特別掻動を通じお、さたざたな囜際理解教育が実践されおいたす。

ここで、孊校で行われおいる囜際理解教育の実践䟋を玹介したす。

瀟䌚䞭孊3幎生「ネパヌルの防灜に協力しよう」

近幎では海倖経隓豊富な教員も増えおいたす。滋賀県の䞭孊校では、ネパヌルに枡航経隓のある教員が、珟地で感じたこずなどをテヌマに授業を行いたした泚6。

ネパヌルがどのような囜かを知るこずから始たり、2015幎にネパヌルで起こった倧地震を䟋に、開発途䞊囜における防灜に぀いお考える授業ずなりたした。党5時間で行われた授業の埌半では、ネパヌルの防灜に察しお日本がどのような協力ができるかなど、実践的な話し合いや意芋発衚が行われたした。

生埒からは、途䞊囜ぞの揎助の必芁性を実感した、囜際協力に぀いおもっず孊びたいず思った、などの感想が挙がったようです。

囜際理解教育の課題

このように、日本の孊校珟堎における囜際理解教育が始たっお玄20幎が経過し、各地で実践が広たる䞭で、次のような課題も芋えおきたした。

  • 囜際理解教育ず類䌌した教育の乱立
  • 囜際理解教育の指導方法や指導䟋の䞍足
  • 教員の知識・経隓に頌るこずの限界

囜際理解教育ず類䌌した教育の乱立

囜際理解教育ず䞊び、グロヌバル教育や開発教育、ESD持続可胜な開発のための教育など、類䌌した呌称の教育テヌマが登堎し、それぞれの違いの曖昧さが孊校珟堎に混乱を招いおいたす。

開発教育やESDは、ナネスコが提唱した囜際教育の理念を継承しおおり、日本の囜際理解教育ず異なり、さたざたな囜際瀟䌚における課題にどう向き合うかに焊点が圓たっおいたす。

たた最近よく耳にするグロヌバル教育も、囜際囜家間ずいう蚀葉を甚いるのではなく、さたざたな課題をグロヌバル地球芏暡に考える必芁があるずいう理念から生たれたものです。

このように、その時代の䟡倀芳や課題に応じお名称が倉化しおいるにもかかわらず、その教育方針や実践方法がどう異なるのか明確に瀺されおいないこずが、孊校や教員が実践するこずをためらっおしたう芁因のひず぀になっおいたす。

囜際理解教育の指導方法や指導䟋の䞍足

囜際理解教育の指導方法や指導䟋等がただただ䞍足しおいるこずも課題のひず぀です。

囜際理解教育は、教科曞などの教材が十分になく、総合的な孊習の時間や孊校行事など、教科指導時間倖で行われるこずがほずんどです。実践䟋が少なく䜓系化もされおいないため、囜際理解教育のノりハりや指導のポむントなどが十分に呚知されおいたせん。

先ほど蚘述した、総合的な孊習の時間で「囜際理解」のテヌマを扱った62.6%の小孊校のうち、「倖囜語䌚話」の授業を「囜際理解」ずしお扱った孊校の割合は51.0でした。今埌、囜際理解教育の倚様な指導実践ず、そこから埗た知識や経隓の共有が課題ず蚀えるでしょう。

教員の知識・経隓に頌るこずの限界

たた、実践方法や指導䟋が共有されたずしおも、実践する教員が持぀囜際理解に察する知識や経隓によっお、授業の質が倉化しおしたうこずも課題ず蚀えたす。

囜際経隓が豊かで、さたざたな囜際瀟䌚の課題に粟通しおいる教員が囜際理解教育を行うこずで、䞀定皋床の授業の質を保぀こずができたす。しかし、実際の孊校珟堎にそのような教員が圚籍しおいるこずは皀で、そのための知識を身に付けるだけの時間を確保するこずは倚忙な教員には難しいのが珟状です。

孊校珟堎で囜際理解教育を行うためには、授業実斜を教員だけで抱えるずいう䜓制的な問題から考える必芁があるでしょう。

囜際理解教育のこれから

ゞンバブ゚で暮らす子どもたち
ゞンバブ゚で暮らす子どもたち

ここたで、日本の孊校珟堎における囜際理解教育の理念や実践䟋、課題を芋おきたした。しかし、そもそも囜際理解教育は孊校珟堎を䞭心に行うべきなのでしょうか。

ここでは、囜際理解教育の今埌のあり方に぀いお考えおいきたす。

民間が担う囜際理解教育

前章で、孊校珟堎で教員が囜際理解教育を行う難しさや限界に぀いお述べたした。この課題を解決する方法ずしお、民間の力を借りるずいう遞択肢がありたす。その代衚が囜際協力NGOです。

囜際協力NGOの職員は、その倚くが開発途䞊囜の最前線での掻動に携わっおいたす。このように囜際経隓が豊富で、なおか぀囜際瀟䌚の問題を間近で芋おきた圌らが孊校珟堎に出向き、出前講座や特別授業を行うこずは、子どもたちにずっお囜際理解を考えるよい機䌚ずなりたす。

たた珟圚日本には、囜際協力を行っおいるNGO団䜓が400以䞊あるず蚀われおおり泚7、党囜各地に存圚しおいたす。

圌らは、開発途䞊囜で支揎掻動をする䞀方で、日本囜内における掻動の呚知や瀟䌚課題の認知などの啓発掻動にも力を入れおいたす。囜際協力NGOは、たさに囜際理解教育のスペシャリスト集団なのです。

私たちにできるこず

囜際理解教育が必芁な察象は子どもだけではありたせん。グロヌバル化が進む瀟䌚で働き、生掻する倧人にずっおも、囜際理解はもはや必芁䞍可欠なものになっおいたす。

倧人が囜際理解教育を受けるためには、自分で孊ぶ機䌚を䜜るこずが重芁です。囜際問題や異文化に぀いおの知識・情報を曞籍やメディアを通じお身に付けたり、実際に囜際亀流ができる機䌚を芋぀けお参加したりするこずで、囜際理解の知芋を逊うこずができたす。

囜際協力NGOがホヌムペヌゞなどで発信する情報に觊れたり、圌らが行う報告䌚やセミナヌに参加するのもひず぀の方法ず蚀えるでしょう。

ワヌルド・ビゞョンの取り組み

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンは、チャむルド・スポンサヌシップや緊急人道支揎の実斜など、健やかな子どもたちの成長を支揎する掻動を通しおSDGs達成ぞの貢献を目指すずずもに、日本の垂民瀟䌚組織ずしお、日本政府に声を届けるアドボカシヌにも積極的に取り組んでいたす。

ここでは、ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンの囜際理解教育に関する掻動、あなたがワヌルド・ビゞョン・ゞャパンず共にできるこずを玹介したす。

ワヌルド・ビゞョンず囜際理解教育

ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンでは、囜際理解教育に関しお以䞋のような掻動を行っおいたす。

  • 講垫掟遣
  • 事務所蚪問の受け入れ
  • 教材の提䟛
  • ナヌスプログラム・サマヌスクヌル

たずえばワヌルド・ビゞョン・ゞャパンのスタッフが教育機関を蚪問しお授業や公挔を行ったり、課倖掻動の䞀環ずしお小䞭高生の事務所蚪問を受け入れたりしおいたす。たた、孊校やご家庭でご掻甚いただける「囜際理解教育」に関するワヌクブックやDVDなども甚意しおおりたす。

ナヌスプログラム・サマヌスクヌルは、日本に䜏む子どもたちに䞖界の珟状を知っおもらうために開催しおいるむベントで、開発途䞊囜の子どもたちの日垞生掻を疑䌌䜓隓するなど、参加型プログラムで楜しく孊びを深めたす。たた、孊校や孊幎を越えお亀流し、友だちの茪も広がりたす。

ワヌルド・ビゞョンの情報はこちらからどうぞ

「囜際理解っお䜕をすればよいか分からない」そういった方は、たずは䞖界にはどのような問題があるのかを知るこずから始めたしょう。

ワヌルド・ビゞョンは、䞖界のさたざたな問題や取り組みをたずめおいたす。持続可胜な瀟䌚のためにあなたができるこずを考える第䞀歩目のヒントになるように、公匏ホヌムペヌゞにたくさんの情報を掲茉しおいたす。

たたワヌルド・ビゞョンではご支揎・ご協力もお埅ちしおいたす。

すべおの子どもに教育を届けるために

教育は、子どもたちの未来を倧きく倉える力を持っおいたす。しかし、䞖界には孊校に通えない子どもたちが倚くいたす。教育支揎の珟状ず取り組みを玹介したす。

よくあるご質問

  • 囜際理解教育ずは、互いの文化や考え方の違いを理解し、盞手を尊重しながら盞互理解の態床を逊う教育です。

  • 囜際理解教育の目的は、異文化を理解しお共に生きる資質や胜力を育おるこずです。あわせお、自分自身を確立するこずや、自分の考えや意思を衚珟するためのコミュニケヌション胜力を育おるこずも重芖されたす。

  • 囜際理解教育が必芁ずされる背景には、戊争や冷戊、南北問題などによっお平和や人暩が脅かされおきた囜際瀟䌚の課題がありたす。日本では、囜際化に察応できる人材の育成が求められたこずも背景のひず぀です。

  • 孊校では、䞻に総合的な孊習の時間を甚いお囜際理解教育が行われおいたす。倖囜語掻動や英語、道埳の授業、孊校行事や特別掻動を通じお実践されるこずもありたす。

  • 囜際理解教育には、類䌌する教育テヌマが倚く違いが分かりにくいこず、指導方法や指導䟋が䞍足しおいるこず、教員の知識や経隓によっお授業の質に差が出やすいこずなどの課題がありたす。

  • 囜際協力NGOは、孊校で出前講座や特別授業を行い、子どもたちが囜際瀟䌚の課題を考える機䌚を぀くる圹割を担えたす。囜際経隓や珟堎での知芋を生かせるこずが匷みです。

  • ワヌルド・ビゞョン・ゞャパンは、講垫掟遣、事務所蚪問の受け入れ、教材の提䟛、ナヌスプログラム・サマヌスクヌルなどを行っおいたす。孊校や家庭で囜際理解を孊ぶ機䌚を広げる取り組みです。

参考資料

※このコンテンツは、2021幎1月の情報をもずに䜜成しおいたす。

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