ネパヌルの教育制床や珟状、裏に朜む瀟䌚問題たで詳しく解説

投皿日2025幎3月26日
曎新日2026幎5月22日
  • 教育

  • ネパヌル
  • 教育

この蚘事でわかるこず

ネパヌルの教育制床は、初等教育から高等教育たでがあり、矩務教育は5幎間の基瀎教育が無償です。男女差は少なく、教育を受ける機䌚は広がっおいたすが、留幎や退孊率が課題ずしお残っおいたす。

ネパヌルは、倚くの子どもたちに初等教育を受けられるよう、瀟䌚環境の改善に取り組んできた開発途䞊囜のひず぀です。しかし、教育から子どもたちを遠ざける問題は䟝然ずしお存圚したす。

この蚘事では、ネパヌルの教育の制床や珟状、教育に圱響をおよががす瀟䌚問題に぀いお詳しく説明したす。たた、教育の問題に察する支揎や今日から私たちができるこずも玹介したす。

ネパヌルの教育制床の珟状ず問題

ネパヌルの孊校に通う少女
ネパヌルの孊校に通う少女

たずは、ネパヌルの教育制床ず就孊に぀いおの珟状や問題に぀いお解説したす。

ネパヌルの教育制床

ネパヌルの教育制床は、就孊前教育3〜4歳、基瀎教育5〜12歳、第18孊幎、䞭等教育13〜16歳、第912孊幎、そしお、倧孊孊士コヌス以䞊の高等教育ずなっおいたす。5幎間の初等教育を含む基瀎教育の8幎間は、無償の矩務教育期間です。日本の小孊校、䞭孊校にあたりたす。

ネパヌルの䞭等教育は第9〜10孊幎13〜14歳ず第11〜12孊幎15〜16歳の2段階に分かれおいたす。第10孊幎に次の孊幎に進玚するための詊隓があり、第12孊幎には倧孊入孊資栌を取埗できる党囜統䞀詊隓がありたす。ネパヌルの第9〜12孊幎が日本の高校にあたるず蚀えるでしょう。

このほかにも、䞭等教育段階には日本における専門高校や専門職短期倧孊にあたる、技術孊校が蚭けられおいたす泚1, 2。

ネパヌルの教育の珟状

ネパヌルでは教育省が蚭眮1951幎されお以降、2016幎たでの65幎間に、小孊校ぞの就孊率は、0.9%から96.6%たでに䞊がりたした泚3, p.14。Education for All䞇人のための教育やMDGsミレニアム開発目暙ずいった囜際的な目暙に沿っお就孊率の向䞊を図った成果です。

ネパヌルの教育省が発衚した2018幎の統蚈デヌタから、基瀎・䞭等教育における就孊の珟状を芋おいきたしょう泚4, p.63, p.65。

衚1 ネパヌルの基瀎・䞭等教育の就孊率

総就孊率玔就孊率
基瀎教育第1〜5孊幎5〜9歳※初等教育118.8%96.5%
第6〜8孊幎10〜12歳94.8%88.9%
䞭等教育第9〜10孊幎13〜14歳91.6%68.1%
第11〜12孊幎15〜16歳45.0%24.7%
※幎霢は暙準的な目安

総就孊率ずは、就孊者数をその孊幎に就孊すべき幎霢の人口で割ったものです。本来就孊すべき幎霢よりも遅れる生埒もいるため100を超える堎合がありたす。玔就孊率ずは、本来就孊すべき幎霢の生埒だけを、その幎霢の人口で割った割合です。


ネパヌルの基瀎教育の総就孊率・玔就孊率を芋るずその数倀は高く、倚くの子どもたちが小孊校に圚籍できおいるこずがわかりたす。

しかし䞭等教育では、総就孊率・玔就孊率は䞋がり、䜕らかの課題があるこずがわかりたす。特に、第11〜12孊幎の総就孊率は45.0%、玔就孊率は24.7%ずなり、ほが党おの子どもが高校に入孊する日本ず比べ、倧きく異なりたす。ネパヌルでは、適切な幎霢で䞭等教育の最終孊幎たで就孊する生埒が4人に1人皋床です。

衚2 ネパヌルの基瀎・䞭等教育における総就孊率の男女差

玔就孊率
男女男女比
基瀎教育第1〜5孊幎5〜9歳※初等教育119.2%118.4%0.8%
第6〜8孊幎10〜12歳92.7%96.5%3.8%
䞭等教育第9〜10孊幎13〜14歳91.2%92.1%0.9%
第11〜12孊幎15〜16歳65.0%67.5%2.5%
※幎霢は暙準的な目安

たた、ネパヌルの基瀎・䞭等教育の総就孊率の男女差は0.8〜3.8%であり、男女間で就孊の差はそれほど倧きくないこずがわかりたす泚4, p.63, p.65。

衚3 ネパヌルの基瀎・䞭等教育の留幎率ず退孊率

留幎率退孊率
基瀎教育第1〜5孊幎5〜9歳※初等教育7.0%3.8%
第6〜8孊幎10〜12歳3.8%3.9%
䞭等教育第9〜10孊幎13〜14歳3.6%2.8%
※幎霢は暙準的な目安

ネパヌルの基瀎・䞭等教育の留幎率や退孊率を芋るず、初等教育を受ける第1〜5孊幎の留幎率7.0%を省いお4.0%未満ずなっおいたす。衚1の第9〜10孊幎の総就孊率91.6%ずあわせお考えるず、就孊したほずんどの生埒たちが第10孊幎たで日本における䞭孊校たで修了しおいるこずがわかりたす泚4, pp.67-68, p.71。

ネパヌルの教育の問題

就孊に぀いおの問題
政府の取り組みにより、特に基瀎教育の就孊率は倧幅に改善されたしたが、特定の地域、特定のカヌストや民族集団の子どもたちぞの栌差は残りたす。たた第11〜12孊幎では月額孊費が必芁になるため、貧困局の孊生がさらに孊習を進めるのは困難です泚5, p.51。

孊校むンフラに぀いおの問題
ネパヌルの山岳地域では、孊校建蚭は難しく郜垂蚈画が進んでないため、囜民が分散しお生掻しおいたす。建蚭された校舎は最䜎限の安党基準も定められおいたせん。校舎たでの歩道、トむレ、飲料氎の蚭備、電気回線などの最䜎限のむンフラも䞍足しおいたす。

教垫に぀いおの問題
倚くの教垫が政治指導者の裁量によっお、資栌、研修、経隓を考えず任呜されるため、教育の質は䜎くなりたす。たた、初等教育での教え方や孊習は、教科曞の内容の暗蚘に最も重点が眮かれおいたす泚6, p.6。

ネパヌルの教育に圱響をおよがす瀟䌚問題

授業を熱心に聞くネパヌルの子どもたち
授業を熱心に聞くネパヌルの子どもたち

前述の教育に関する問題だけではなく、教育に圱響をおよがしおいる瀟䌚問題に぀いおも解説したす。

人身売買・児童婚の問題

囜際劎働機関ILOの過去の調査によるず、教育を受ける時期にある思春期の子どもたちを売春宿などで働かせるために、ネパヌルから毎幎1侇2,000人が人身売買されおいるず掚定されたす。むンドや䞭東ぞ売られる少女たちの人身売買に、家族や芪戚が関係しおいるこずも珍しくありたせん泚7, Background, p.1。

たた、女性の教育機䌚を奪う児童婚の問題もありたす。ネパヌルの法埋で結婚は20歳以䞊ず定められおいたすが、ネパヌルはアゞア地域で3番目に児童婚率が高い囜です泚8, p.2。

少女の37が18歳未満、10が15歳未満で結婚し、少幎の玄37が19歳未満で結婚しおいたす。児童婚の割合は、瀟䌚から取り残されたコミュニティにおいお、より高くなりたす。2012幎の調査によるず、カヌスト制床にも属さない最䞋䜍の身分ずされるダリットの19 歳未満の結婚率は、テラむ地方で87%、䞘陵地垯で65%です泚9。

児童劎働の問題

貧困や文化的な習慣によっお児童劎働の問題が起こり、子どもたちは教育の機䌚を倱うこずがありたす。2021幎のILOの報告曞によれば、ネパヌルの5歳から17歳たでの子どもたち700䞇人のうち、110䞇人15.3% が児童劎働の䞭にあるずしおいたす。玄7人に1人が児童劎働をさせられおいる蚈算です。

暮らしが厳しい家庭にずっお、子どもは家蚈を支える貎重な働き手ず考えられおいたす。児童劎働をする子どもたちの9割近くが蟲業の仕事をしおおり、自分の家の仕事を手䌝うこず子どもたちもいたす。たた、就孊児童の玄7人に1人、䞍登校児童の4人に1人が仕事をしおいたす。

家族の暮らしを助けるために仕事をしお、教育を十分に受けられなかった子どもたちは、埅遇の良い仕事を芋぀けにくくなりたす。そのため倧人になっおも貧困は続き、圌らの子どもにも仕事をさせるずいう連鎖が起こっおしたいたす泚10, pp.13-14。

ネパヌルのカヌスト制床

ヒンドゥヌ教の身分制床をカヌストず蚀いたす。ヒンドゥヌ教埒が8割を占めるネパヌルでは、カヌストに基づく偏芋や差別が教育に圱響をおよがしおいたす。ダリットや貧困局は教育を受ける機䌚が少なく、識字率は䜎いたたです。

教員によるダリット生埒の無芖や劣等生ずしお扱う差別が、ダリットの生埒たちを孊校に通いづらくさせたす。生埒は勉匷に集䞭できなくなり、最終的に孊校から遠ざかりたす。䞋局階玚の子どもたちぞの教育に぀いお、政府が実斜する効果的なプログラムはありたせん。教育ぞの暩利が奪われおいるのです泚11, p.11。

ネパヌルに察する教育支揎

ワヌルド・ビゞョンのリヌディングキャンプに参加するネパヌルの子どもたち
ワヌルド・ビゞョンのリヌディングキャンプに参加するネパヌルの子どもたち

ここからは、ネパヌルの教育に関する問題に察し、どのような支揎が行われおいるのか解説したす。

囜際機関・政府・NGOの支揎

囜際機関ずは、耇数の囜が共通の目的を実珟するために䞖界の問題に取り組む組織です。教育分野や子どもを支揎察象ずする囜連機関には、UNESCO囜連教育科孊文化機関やUNICEF囜連児童基金などがありたす。

政府が開発途䞊囜に察しお経枈や瀟䌚の開発のために行う、ODA政府開発揎助ずいう経枈支揎がありたす。ODAには、囜際機関に資金協力する「倚囜間揎助」ず、開発途䞊囜を盎接支揎する「二囜間揎助」がありたす。

日本政府はネパヌルに察しお、小孊校の建蚭や運営改善、䞊䞋氎道や道路の敎備など、教育支揎だけでなく、生掻の基盀ずなる公共むンフラに関する支揎も行っおきたした。

NGONon-govenmental Organization 非政府組織は、開発、貧困、平和、人道、環境などの地球芏暡の問題に取り組む民間組織です。ワヌルド・ビゞョンも䞖界で掻動するNGOのひず぀で、2015幎の倧震灜があったネパヌルでは、孊校やコミュニティの防灜力向䞊を目的ずした「ドティ郡孊校・コミュニティ防灜事業」を実斜したした。

ネパヌル地震で被灜した孊校は玄8,000校に䞊り泚12, p.22、倚くの子どもたちが教育の機䌚を倱いたした。瀟䌚を生きる䞊で必芁な教育掻動を取り戻すこずは、優先的に取り組たれる事業ずされ、これたで囜際機関や政府、NGOがネパヌルを支揎しおきたした。

今日から「私」にできるこず

ここたで、ネパヌルの教育に関する問題や支揎しおいる団䜓に぀いお解説しおきたした。
私たち䞀人ひずりが、ネパヌルの子どもたちのためにできるこずは䜕でしょうか。

今日から今すぐできるこずは「知ろうずする」こずです。関心を持ち、問題やその解決のために必芁なこずを考える姿勢が倧切です。個人から始たる意識の倉化が、誰ひずり取り残さない瀟䌚の実珟に繋がっおいくはずです。

たた、関心を持぀だけでなく行動したい方には、NGOに寄付をする方法もありたす。NGOは困難な状況にいる人たちぞ支揎掻動を行っおおり、寄付はその掻動を盎接支揎できる有効な手段です。

ワヌルド・ビゞョンの教育支揎

ワヌルド・ビゞョンの教育支揎の䞀環ずしお、教材を莈られたネパヌルの子どもたち
ワヌルド・ビゞョンの教育支揎の䞀環ずしお、教材を莈られたネパヌルの子どもたち

ワヌルド・ビゞョンでは、開発途䞊囜の子どもたちのために、教育環境を改善する支揎掻動を行っおいたす。

ネパヌルでの教育支揎

ワヌルド・ビゞョンは、ネパヌルで教育支揎や子どもの暩利ず保護、保健・衛生環境を改善するための掻動を行っおいたす。ここでは、実斜䞭のプログラムの䞀郚を玹介したす。

西ドティ地域開発プログラム
支揎期間2009幎2026幎(予定)

銖郜カトマンズから西ぞ玄450kmの堎所に䜍眮する西ドティ郡は、ネパヌルの䞭でも特に貧しい地域です。氎道やトむレの敎備が䞍足し、衛生状態は劣悪です。たた、芪の教育ぞの理解䞍足や、カヌスト差別、性差別、貧困、孊校が遠いなどの理由で、孊霢期1〜8幎生の子どもの玄1割が孊校に通っおいたせん。教垫も䞍足しおおり、質の高い授業の実斜が困難です。このような状況を改善するために、次のような支揎掻動を行っおいたす。

  • 子どもの識字胜力を向䞊させるために教垫ぞ研修を実斜
  • 子どもの孊びに察しお家族や地域のサポヌトを匷化するための啓発掻動
  • 孊習環境の改善机やホワむトボヌド支絊、枅朔な氎が飲めるように敎備する等
  • 保健衛生の教育プログラムの実斜

バゞャン地域開発プログラム
支揎期間2019幎2031幎(予定)

ネパヌル西端のバゞャン郡で実斜しおいるプログラムです。地域の半数以䞊の女性が読み曞きができず、䞭等教育に進孊する子どもは限られおいたす。子どもや女性の暩利ず保護に察する認識が䜎く、出産・月経䞭の女性を日垞生掻から隔離する慣習も根匷く残っおいたす。短い就孊幎数や早すぎる出産は、家蚈や母子の健康状態に悪圱響を及がしおいたす。このような状況を改善するために、次のような支揎掻動を行っおいたす。

  • 行政や教垫、地域を巻き蟌んだ就孊状況の改善に向けた啓発掻動
  • 孊校の孊習環境の改善・家庭での孊習環境の改善
  • 子どもぞの䜓眰犁止の啓発掻動
  • 早婚や性差に基づく暎力など根匷く残る慣習の根絶をはかる啓発掻動
  • 母芪グルヌプの掻性化・地域の子ども保護委員䌚の機胜匷化

チャむルド・スポンサヌシップ

蚭立から70幎以䞊の歎史を持぀ワヌルド・ビゞョンが実斜する「チャむルド・スポンサヌシップ」は、1日150円月々4,500円の支揎で子どもたちの未来を切り開くプログラムです。毎月の継続支揎は、䞊述したネパヌルの取り組みだけではなく、劎働や人暩などの問題から子䟛を保護するための掻動にも充おられたす。

他にも、保健サヌビスの提䟛や安党な氎の確保、栄逊改善など、子どもが健やかに成長できる環境を敎えるために支揎金は䜿われたす。アゞア・アフリカ・䞭南米など䞖界21カ囜で実斜されおいる支揎プログラムです2020幎床実瞟。

たた、写真や手玙で支揎地域に䜏む子どもず亀流ができるので、お互いを身近に感じられたす。亀流を通じお、子どもの未来が倉わっおいくこずを実感できる支揎です。

チャむルド・スポンサヌシップに参加するには

チャむルド・スポンサヌからの手玙を受け取ったネパヌルの少幎
チャむルド・スポンサヌからの手玙を受け取ったネパヌルの少幎

1日あたり150円月々4,500円から支揎できるチャむルド・スポンサヌシップには、日本で玄5䞇人の支揎者が参加しおいたす。公匏サむトにあるこちらのペヌゞから申し蟌めたす。

たた、子どもたちが暮らしの䞭で抱えおいる囜際問題をこちらのペヌゞで玹介しおいたす。支揎する子どもたちぞの理解を深めるきっかけずしお、ぜひ䞀床ご芧ください。

皆さたのご支揎ずご協力をお埅ちしおいたす。

すべおの子どもに教育を届けるために

教育は、子どもたちの未来を倧きく倉える力を持っおいたす。しかし、䞖界には孊校に通えない子どもたちが倚くいたす。教育支揎の珟状ず取り組みを玹介したす。

参考資料

※このコンテンツは、2021幎6月の情報をもずに䜜成しおいたす。

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