貧困と世界の子どもたち

「貧困」の定義はひとつでなく、国や機関によって異なります。たとえば、世界銀行は、「国際貧困ライン(1日2.15米ドル未満)で暮らす人」を貧困層と定義しています。
世界の6人にひとりが 極度の貧困状態で生活しています
抱える問題と子どもたちを取り巻く現状
Problems and Current Situation
数字で測ることのできない、子どもにとっての「貧困」
経済的な数字で測れなくても、子どもにとって、「子どもの権利条約」にある権利が守られていない状態や、一人ひとりが持っている可能性が閉ざされてしまっている状態も「あらゆる形の貧困」に含まれます。
子どもたちの健やかな成長には、水、衛生施設、栄養、住居、教育、情報などの基本的な社会サービスを利用できる環境を整えることが不可欠です。
また、近年では絶対的貧困率の改善が見られる一方で、先進国における所得格差が史上最大レベルに拡大しています(出典:OECD 2015)。また、開発途上国でも、経済成長に伴い就業機会や人口が都市部に集中し、農村部に依然として貧困が存在している問題も深刻化する傾向が見られます。


貧困撲滅のための総合的なアプローチ
貧困を生み出す原因は、国や地域によって様々です。多くの要因が複雑に絡み合うことによって貧困が生まれます。そのため、貧困を解決する方法も多様であり、政治、社会、経済、環境など総合的な取り組みが必要です。
「持続可能な開発目標」では2030年までに「極度の貧困(生きるために必要な食糧すら手に入れられないほどの貧困)」を終わらせることを目指して、経済成長を促し、教育、健康、社会的保護、雇用機会を含む幅広い社会的ニーズを充足する戦略が必要であることが認識されています。貧困層や脆弱層の人々を守り支えるための仕組みとしての「社会的保護」や、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援すること等が目標のターゲットに設定されています。
貧困の中に生きる子どもたち
Children Living in Poverty

漁に出る子ども、セニャンちゃん
私はセニャン。カンボジアの小さな漁村で、お母さんと妹と弟の、4人で暮らしていますお父さんは、私が2歳の時にマラリアで亡くなりました。病院へ行くお金が、なかったから…苦しい生活を支えるため小さい頃から漁に出て働いています。

小さな畑を耕し、収穫を
売る子ども、キムヤンちゃん
わたしは、キムヤン。おばあちゃんと2人で暮らしています両親は、いません体が弱っているおばあちゃんを支えるためわたしも一緒に、小さな畑を耕します。でも、雨が降らない日が続き、苦労して植えた苗は枯れてしまいました。

ごみを集めて売る子ども、
セバンちゃん
わたしは、セバン。カンボジアの首都、プノンペンのスラムで祖父母と兄妹と、5人で暮らしています。両親は、いません。昼は、家事のお手伝い夜は、おばあちゃんと街に出かけます。捨てられたゴミを集めて、売るのです。

世界の問題と子どもたち
World Problems and Children

貧 困
世界では6人に1人が極度の貧困状態で生活しています

教 育
世界では2億5,800万人の子どもたちが、学校へ通えません

水衛生
世界で10人に1人が安全な水を利用できません

紛争・難民
世界の戦争で、真っ先に犠牲になるのは子どもたちです

人身取引(人身売買)
世界には2,100万人の人身取引被害者がいると言われています。

児童労働
10人に1人の子どもが、働くことを強いられています