災害・気候変動と子どもたち
世界では毎年約1億7000万人が自然災害で被災しています。
特に途上国は自然災害に対するぜい弱性が高く、大きな被害が出やすい状況にあります。
さらに、近年では気候変動の影響で、弱い立場に置かれた子どもたちや人々がより一層厳しい状況に追い込まれています。
(出典:CRED 2025)
自然災害による打撃
特に、開発途上国では、都市化が進む一方でインフラ整備の遅れや森林伐採等の人為的要因により、地域全体の災害へのぜい弱性が高く、大きな被害が出やすい状況にあります。さらに、紛争や社会不安を抱える国々では、国家機能のぜい弱さや避難・移動の制限、情報へのアクセスの困難さ等から、災害への備えや対応が難しく、被害が深刻化しやすい傾向にあります。災害と人道危機が重なり、二重の打撃を与えることも少なくありません。
抱える問題と子どもたちを取り巻く現状
Problems and Current Situation
もっとも犠牲になるのは子どもたち
自然災害は、子どもたちの命と未来を脅かします。
たとえ最初の危機的状況を生き抜くことができても、不衛生な環境、食料や安全な水の不足等により命の危機に直面します。栄養不良や下痢、マラリア等感染症の蔓延によって命を落とすことがあるのです。さらに、長期的な影響として、特に弱い立場にある子どもたちは、教育の中断や児童労働、虐待、人身取引等に巻き込まれるリスクが高まります。
そのため、適切な食料と十分な水、安全で衛生的なシェルターを迅速に提供することが必要です。また、子どもたちの心のケアや教育機会の提供等、発災直後だけでなく、日常を取り戻すための中長期的な支援も重要です。さらに、リスクを最小限に抑えるためには、災害が起きる前の備え(防災・減災)も欠かせません。


深刻さを増す気候変動の影響
気候変動により大規模な自然災害が頻発しています。
その負の影響は、開発途上国や貧困の中で暮らす人々により重くのしかかります。
彼らの多くは小規模農業や牧畜によって生活を営み、森林・湖・海等の天然資源に日々の収入を頼っているため、気候変動がもたらす干ばつ・洪水・山火事等の影響を受けやすい状況にあります。
貯蓄が無くすでに家計のやりくりが難しい家族は、農作物が収穫できなかったり、家畜が死んだりした場合、非常に不利な立場に置かれます。作物が十分にとれないために、子どもたちの栄養状態が悪化したり、水源が枯れてしまうことで、子どもたちがより遠くまで水汲みに行かなければならず、学校に通えないといった問題も起こっています。

世界の問題と子どもたち
World Problems and Children

貧 困
世界では6人に1人が極度の貧困状態で生活しています

教 育
世界では2億5,800万人の子どもたちが、学校へ通えません

水衛生
世界で10人に1人が安全な水を利用できません

紛争・難民
世界の戦争で、真っ先に犠牲になるのは子どもたちです

人身取引(人身売買)
世界には2,100万人の人身取引被害者がいると言われています。

児童労働
10人に1人の子どもが、働くことを強いられています

保健・栄養
世界では年間500万人の子どもが5歳になれずこの世を去ります

災害・気候変動
世界では毎年2億人が自然災害で被災しています




