寄付の仕方を知ろう!世界の子どもを救う寄付の方法とは?

投稿日|2025年3月27日
更新日|2025年6月12日
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この記事でわかること

寄付には「一般的な活動」への支援や「特定プログラム」への寄付があり、方法も直接・間接、現金・物資・遺贈など多様。新型コロナの影響で貧困が悪化する中、寄付を通じた支援の重要性が増しています。

世界には、未来に希望を持てず、生きるのにせいいっぱいの子どもたちがいます。そんな子どもたちを救うために私たちにできることのひとつが、寄付による支援です。子どもたちに届く寄付の仕方には、どのようなものがあるでしょうか。世界の子どもを助けるための寄付の方法について見てみましょう。

寄付の仕方と寄付金控除について知ろう

ケニアのトゥルカナ郡で暮らす三姉妹
ケニアのトゥルカナ郡で暮らす三姉妹

貧困を削減するために、世界中でさまざまな取り組みが行われています。その成果もあり極度の貧困にある人びとの数は減少傾向にありますが、2020年から広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、極度の貧困が20年以上ぶりに増加すると世界銀行は予想しています(注1)。パンデミックは困窮していた人びとを更に貧しくし、それまでかろうじて貧困から逃れていた人々を貧困層へと陥れるのです。

貧困や紛争、疫病や災害などの影響を一番強く受けるのは子どもです。COVID-19が発生する以前でも、世界の子どもの6人に1人が生きるだけでせいいっぱいの状況にあると言われていましたが(注2)、パンデミックによる子どもへの影響は計り知れません。

困窮している子どもたちを一刻も早く救わなければ、貧困の連鎖の中に簡単に落ち、抜け出すことが困難になってしまいます。開発途上国などでぜい弱な立場にいる子どもたちを救う方法はいろいろありますが、日本にいる我々が今すぐできることは、国際協力を実施しているNGOやNPOへの寄付です。

今後ますます増えると予想される、困難に直面している子どもたちを救うための寄付には、どのような種類と方法があるのでしょうか。あわせて寄付金控除についても解説します。

寄付の種類

内閣府は、NPO法人への寄付の種類を「一般的な活動に対して行われるもの」と「特定のプログラムに寄付されるもの」の2つに分けています(注3 P117)。

「一般的な活動に対して行われる寄付」とは、国際協力NGOやNPO法人などの理念や活動に賛同し、共感した人びとによるものです。支援したい団体や組織が通常行っている活動への寄付がこれにあたります。

また、支援したい団体や組織の会員となって会費を納めることも「一般的な活動に対する寄付」と言えるでしょう。団体や組織の運営を支え、その活動を広く支援することになるからです。

「特定のプログラムへの寄付」とは、例えばCOVID-19新型コロナウィルス緊急支援募金のようなもので、明確で限定した目的に対して行う寄付のことです。大きな災害や紛争などが発生した時に、緊急支援を目的とした寄付が募られるのをご覧になった方も多いことでしょう。

「特定のプログラムへの寄付」は緊急支援だけに限りません。支援したい団体や組織に問い合わせたりHPを見たりして、どのような目的で寄付が集められているか調べてみましょう。

寄付の種類は他に、「継続した寄付」と「その時限りの寄付」に分けることもできます。「継続した寄付」とは、例えばチャイルド・スポンサーシップのように、ひとりの子どもに毎月決まった額を支援し、それを継続することです。子どもの成長と地域の変化を見守っていけるという利点があります。「その時限りの寄付」の例としては、NGO等が実施するプログラムに共感して一度だけ行う寄付や、義援金を集める街頭募金などもあげられます。

それ以外の寄付の仕方として、物資の寄付、相続財産寄付、お香典の寄付、遺贈などもあります。最近では寄付の新しい種類として、ポイントの寄付、クリック募金、寄付型クラウドファンディングなどがあります。

寄付の方法

寄付について、内閣府は「直接寄付」と「間接寄付」があると述べています(注3 P117)。その内容は次の通りです。

「直接寄付」は、寄付者が個々のNPO法人に対して、直接、寄付を行うもので、「間接寄付」とは、共同募金など寄付をプールし配分する中間団体を通じて、個々のNPO法人に配分される形といえる。

(中略)

直接寄付
個々のNPO法人に対して、直接行われる寄付。

間接寄付
共同募金やユニセフなど、寄付をプールし配分する中間団体を通じての寄付。

内閣府:参考資料4.NPO法人を取り巻く支援の概況

困難な状況にある世界の子どもを支援したいという思いがあれば、国際協力NGOやNPO法人、国連の各組織などに直接寄付する方法が適しているでしょう。現地に事務所があるような組織の場合は特に、子どもをとりまく現状を把握しており、寄付が適切に活かされます。支援の報告など、何らかの形でフィードバックが得られる場合も多く、寄付がどのように使われたかを把握することも可能でしょう。

間接寄付とは、赤い羽根共同募金や、募金を目的としたテレビ番組への支援など、広く募集されることの多い寄付の方法です。フェアトレード商品を購入することも、間接寄付のひとつです。間接寄付は、分配された先の団体の活動を確実に支えています。社会に貢献しているという実感を得られるでしょう。

寄付の方法はいくつかあります。現金の寄付だけでなく、インターネットによる振り込みやクレジットカード決済など、キャッシュレスな方法も広く使われています。書き損じハガキや切手など物品の寄付や、古着や本などを現金化して寄付することもできます。

このように、現在では誰もが気軽に寄付できるような方法が整えられています。

寄付金控除

個人が寄付をした場合、一定の条件を満たせば、寄付金控除等の対象となり、確定申告を行うことで所得税等の還付を受けることができます。2011年の税制改正により、一定の条件を満たせば、寄付金控除(所得控除)または寄付金特別控除(税額控除)の、どちらか有利な方を選択できるようになりました。

一定の条件とは、どのようなものでしょうか。まず、寄付先の団体が「認定NPO法人」であることが必要です。国税庁は、認定NPO法人について次のように定義しています(注4)。

基準を満たすものとして所轄庁(都道府県知事又は指定都市の長)の認定(若しくは仮認定)を受けた認定NPO法人(若しくは仮認定NPO法人)又は国税庁長官の認定を受けた旧認定NPO法人をいいます。

国税庁:No.5284 認定NPO法人等に対する寄附金 1認定NPO法人等の意義

それから、寄付が「特定寄付金」として認められなければなりません。特定寄付金とは、国や地方公共団体、公益法人や認定NPO法人などに対して行う寄付のことで、細かい規定があります。詳しくは国税庁のホームページ「2 特定寄付金の範囲(注5)」をご覧ください。

個人が寄付金控除等を受けるには、認定NPO法人が発行する領収書と、確定申告が必要になります。詳しい手続きについては、国税庁のホームページ「4 寄附金控除を受けるための手続(注5)」をご覧ください。

ワールド・ビジョンへ寄付して世界の子どもを救おう

コロンビアで暮らす子どもたちとワールド・ビジョンのスタッフ
コロンビアで暮らす子どもたちとワールド・ビジョンのスタッフ

ワールド・ビジョンは認定NPO法人です。皆さまからのご支援やご寄付により、世界の子どもを救うための活動を実施しています。ワールド・ビジョンが募集している寄付の種類には、どのようなものがあるのでしょうか。

ワールド・ビジョンとは

ワールド・ビジョンは、1950年にアメリカのオレゴン州で設立されました。困難に直面している世界の子どもたちを救うため「開発援助」「緊急人道支援」「アドボカシー」などを活動の柱とし、世界各地で活動しています。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、約 90 カ国で活動する国際 NGO ワール ド・ビジョンを構成する支援国事務所として、1987 年に日本で設立されました。そして2002年5月1日、国税庁より「認定NPO法人」として認定。その後、NPO法の改正を受け、2014年8月1日に東京都から改めて認定を受けています。定期的に東京都へ事業報告と決算報告を提出し、外部の会計士による監査も受けています。

設立から30年を超えたワールド・ビジョン・ジャパンは、2019年度には32カ国で159事業を実施するなど、活動はますます広がりを見せています。この活動の大部分は、皆さまからの支援で成り立っています。ワールド・ビジョンの活動によって、2012年から2016年の5年間だけで、貧困に直面し困難な状態にあった2億人を超える子どもたちの生活が改善されました。

ワールド・ビジョンが募集している寄付の種類

認定NPO法人であるワールド・ビジョンは、寄付金控除等の対象団体です。次にご紹介するプロジェクトへのご支援は全て、寄付金控除等の対象となります。

【継続的な支援

定期的で継続的なご支援をいただくことで、開発途上国の人々との心のつながりや、子どもの成長、地域開発プログラムの成果を感じられます。

チャイルド・スポンサーシップ:1日あたり150円、月々4500円の継続支援で、開発途上国の子どもたちが健やかに成長できる環境を整えていけるよう、地域の人々とともに課題に取り組みます。子どもに会いに行くこともできます。

コミュニティ・サポーター:月々1000円からの継続支援で、開発途上国の貧しいコミュニティが本当に必要としているプログラムを実施します。支援地域の視察も可能です。

緊急支援・難民支援

災害、紛争、疫病など、いつ起こっても不思議ではありません。困難に直面した人々をいち早く救うため、必要とされている支援を実施しています。

危機にある子どもたちのための募金:劣悪な生活環境で暮らす子どもたちを病気から守り、健やかでより良い未来を描けるよう支援します。

難民支援のための募金:難民という非常に弱い立場になり、恐怖を感じている子どもたちを命の危険から守ります。絶望した子どもたちが未来を築くことができる支援です。

水と食糧のための募金:飢餓に苦しむ子ども、栄養不良や汚染水で命を落とす子どもを救うために、安全な水と食糧を届けます。栄養価の高いサツマイモ栽培も支援します。

COVID-19|新型コロナウィルス緊急募金:病院が無い地域や難民キャンプで暮らす人々は、感染症を防ぐことが非常に困難です。子どもたちの命を守る支援です。

【その他の支援】

他にもさまざまな方法で支援プログラムに参加いただけます、

特別プロジェクト支援:学校校舎や診療所などの建設事業と研修・啓発事業を組み合わせたプロジェクトです。記念プレートの設置や視察も可能です。

企業・団体としての支援:ワールド・ビジョンは、企業や団体の皆さまによるCSR(社会的責任)事業のパートナーとして、共に社会貢献事業を展開しています。

遺贈、遺産や相続財産などのご寄付:大切な財産や遺産を有効活用し、世界の子どもたちを救いたいとお考えの皆さまをワールド・ビジョンがお手伝いします。

マイルストーン・プロジェクト:一口当たり100万円のご寄付をいただき、複数の方々が共同で大規模事業を行います。人生の節目(マイルストーン)の記念にご利用ください。

【寄付金控除等の例】

継続的な支援でご紹介した「チャイルド・スポンサーシップ」を例に、寄付金控除等によりどのくらい還付されるかを見てみましょう。

還付額は申告者の所得やその他の控除申請の有無によっても変わります。多くの場合、月額4,500円のチャイルド・スポンサーシップが、確定申告して寄付金特別控除(税額控除)を受けることによって、実質負担月額2,767円となります。

寄付金控除や領収書などについての詳細はこちらのページをご覧ください。

チャイルド・スポンサーシップは効果的な寄付の方法

チャイルド・スポンサーからのメッセージカードに喜ぶブルンジで暮らす少年
チャイルド・スポンサーからのメッセージカードに喜ぶブルンジで暮らす少年

ワールド・ビジョンは、子どもの未来を確実に変える効果的な支援の方法としてチャイルド・スポンサーシップの仕組みを作りました。それは、長年培われた開発途上国での活動経験から編み出されたもので、現状に即した柔軟性と持続性のある、多角的な支援の形なのです。子どもやコミュニティに確実に届く寄付の仕方と言えるでしょう。

1日150円の寄付で世界の子どもの未来を変えよう

「1日150円の国際協力」で知られているチャイルド・スポンサーシップですが、先ほど述べた通り、寄付金控除を受けることによって実質は1日100円にも満たない額になります。

1日150円で何ができるでしょうか。実際、そのインパクトはとても大きいものです。ひとりの子どもの未来を変えるだけでなく、子どもをとりまくコミュニティ全体の生活環境をも改善することができるのです。

チャイルド・スポンサーシップは、地域に根差した開発援助を行うことで、子どもたちの健やかな成長を目指すプログラムです。ご支援金により、教育、保健衛生、水資源開発、収入向上などさまざまな支援活動を長期(10 ~15年) にわたって行い、子どもの人生に変化をもたらします。

チャイルド・スポンサーシップによる支援は、ひとりの子どもだけを対象にしたお金や物を提供する支援ではありません。その地域に住む子どもたちが健やかに成長できる、持続可能な環境を整えていけるよう、支援地域の人々とともに水衛生、保健・栄養改善、教育、生計向上、子どもの保護等の地域の課題に取り組むものです。また、活動の成果を地域の人々自身が将来にわたって維持し、さらに発展できるように、人材や住民組織の育成にも力を入れています。

その土地に必要な地域開発プログラムを経て、当初の計画を達成した地域は支援から卒業していきます。例えばアフリカからは、ウガンダのナラウェヨ・キシータ地域プログラムが、2019年に支援が終了し卒業を迎えました。

ナラウェヨ・キシータ地域は15年間の支援により、部族間の争いが消えて安全になりました。立派な校舎ができて教育環境が整い、初等教育修了試験の合格率が34.7%から71.1%に向上しました。井戸の数は2倍に増え、いつでも水が手に入るようになりました。地域全体が改善したことで、子どもたちをとりまく環境が、安全で衛生的なものになったのです。

このように、子どもへの支援だけではなく地域全体の問題に取り組むことで、子どもをとりまく環境が改善され、健やかに育つことができるのです。子どもが住んでいる地域全体の開発が持続的に行われることこそが、チャイルド・スポンサーシップの効果を高めているといえるでしょう。

チャイルド・スポンサーシップへ寄付をお願いします

チャイルド・スポンサーシップへ寄付することで、日本にいる誰もが、開発途上国の子どもやコミュニティと直接つながり、貧困で苦しんでいる子どもの未来を確実に救うことができます。

チャイルド・スポンサーになると、チャイルドと文通したり、訪問することもできます。チャイルド・スポンサーの存在は、チャイルドにとって大きな励みとなります。チャイルド・スポンサーにとっても、チャイルドとの交流は忘れられない大きな喜びになることでしょう。

支援地域がどのように発展し、チャイルドがそこでどのように成長しているか、毎年お送りする「プログラム近況報告」とチャイルドの「成長報告」を通じて、支援の成果を実感していただけます。

チャイルド・スポンサーの声をお聞きください。チャイルド・スポンサーシップは、開発途上国支援に役立つだけではなく、自分の支援が役立っている実感と喜びを味わえるプログラムであることもおわかりいただけるでしょう。

チャイルドからは喜びの声が届いています。ひとりでも多くの子どもが笑顔になれるよう、ご支援をお願いいたします。

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参考資料

注1 THE WORLD BANK:Poverty overview
注2 UNICEF:子ども6人に1人が極度の貧困で暮らす ユニセフと世界銀行による分析
注3 内閣府:参考資料4.NPO法人を取り巻く支援の概況
注4 国税庁:No.5284 認定NPO法人等に対する寄附金
注5 国税庁:No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)

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