ボランティアや寄付を通して国際協力を始めよう!《特徴や方法をご紹介》
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この記事でわかること
国際協力への第一歩として、ボランティア活動や寄付が有効です。ボランティアは自主的な社会貢献活動で、自己成長の機会ともなります。寄付は非営利組織の活動資金となり、社会課題の解決に寄与します。自分の関心や能力に合った方法で参加することが重要です。
「自分も社会のために役に立ちたい」「世界で起こっている問題のためにできることはないか」。そんな思いから、寄付やボランティアに関心を持っている方も多いのではないでしょうか。いざ始めようとすると、信頼できる組織がどこか分からなかったり、自分の寄付がしっかりと使われているのか不安に感じてしまうかもしれません。
今回は、国際協力におけるボランティアや寄付について、その特徴や方法をご紹介します。
ボランティアや寄付を行う理由

まずはなぜボランティアや寄付が必要なのか?それぞれの意義や特徴を説明します。
ボランティアの意義
国ボランティアという言葉の語源は、ラテン語で「自由意志」という意味の「ボランタス(Voluntas)」です。英語で「ボランティア(Volunteer)」は「自発的に申し出る」を意味します。そのため、一般的にボランティアの定義は「自発的な意志に基づき、他人や社会に貢献する行為」とされています(注1)。原則として強制的ではなく、自主的に行う活動なので、無償であることも多いです。
一方でボランティア活動では、既存のものや発想以外の新たな取り組みを行えるのも特徴です。そうすることで社会の新たな仕組みを作ることにも繋がります。ボランティア活動は、活動者の社会参加意欲が満たされるだけでなく、社会への貢献度も高いのです(注2)。
ボランティアの中には実費や交通費等が支給される場合もあり、「有償ボランティア」と呼ばれることもあります(注1)。現在では、ボランティア活動は環境保全や自然保護、伝統文化や芸術の普及、そして国際的な支援活動と幅広い分野で取り組まれています。
全国社会福祉協議会ボランティアセンターによると現在、ボランティア活動を行っている人は700万人以上にのぼるとされています(注2)。一方で日本でボランティア活動の経験のある人は35%程という調査報告もあります。60%近くの人がボランティア活動に関心はあるものの、時間がないことや経済的問題から参加できない現状があります。
また、ボランティアを行う人の多くは「自らの成長や自己啓発を行うため」「困っている人の役に立ちたい」という理由が多いです。このことからもボランティア活動は他者や社会に貢献する一方で、職場やそれ以外の出会いの場所として自己の成長の機会にもなりえると言えそうです(注3)。
寄付を行う意義
寄付とは、公共団体や慈善団体などの活動に対し、金銭やその他財産などを無償で贈ることです。寄付というとあまり馴染みがない人が多いかもしれませんが、日本では年間約6931億円が個人寄付として様々な組織に寄付されています(注4)。ではなぜ、人は寄付をするのでしょうか。
寄付を行ったことがある人を対象にした調査によると、約6割の人が「社会の役に立ちたいと思ったから」と回答しました。次いで「地域活動の一環として」「家族が関係している活動だから」という理由が多いことから、身近な取り組みに関心を持ち、寄付をしていることが分かります(注5)。
しかし、日本は欧米諸国と比較すると個人での寄付の割合が極端に少ないのが現状です。その要因には文化や宗教の違いなどが考えられますが、一人当たりの寄付額が少ないことが一番の要因と考えられます。寄付を行ったことがあると回答した過半数が、募金箱や街頭募金を通した寄付でした。このことから一人当たりの寄付金が少額であることが分かります。
さらに寄付を妨げる要因に、寄付先の情報がないこと、それによる不信感や信頼の低さが最も多かったです。NPO法人や公益社団・財団法人、ボランティア団体などの非営利組織の信頼性を上げることが個人寄付を広げるための要因になりそうです(注4)。
寄付は、非営利組織が社会課題の解決に取組む上で、重要な活動資源の1つです。寄付金の活用のされ方や、関心のある活動の社会への影響などを考えてみると、寄付のあり方が変わるかもしれません。まずは、身近に感じた問題や、気づいたことに近い活動に携わる団体などを探してみるのもいいですね。
ボランティアと寄付をする方法

では、実際にボランティアや寄付を行いたい場合はどうすればいいのでしょうか?ここではボランティアや寄付の種類、そしてボランティアや寄付の募集を行っているサイトなどをご紹介します。
ボランティアを始めるには?
実際にボランティアを始める前に「どのような分野の活動に参加したいのか?」「単発か継続的に続けていきたいのか?」などおおまかに条件を考えておくとボランティア先を絞りやすくなります。ここではボランティアの種類とボランティアの求人サイトをご紹介します。
国際協力に関するさまざまな団体が、自身の団体サイトや情報サイトを通じてボランティアを呼びかけています。活動内容や期間など多岐にわたるので、自分に合ったものを探しましょう。
activo
「activo」は国内最大級のNPO、社会的企業のボランティアや職員、バイトの求人サイトです。ボランティアを行うエリアや、分野、年代など様々な条件から求人を絞ることができます。単発のボランティアも紹介されているので、初心者でも気軽に始められます。また、社会人でも限られた時間でボランティアに参加できますね。
PARTNER
「PARTNER」とは国際協力機構(JICA)が運営する国際キャリア総合情報サイトです。JICAの求人以外にも国際協力系NGO/NPO、国際協力関連機関などのボランティア求人が掲載されています。国際協力の分野では高い専門性や語学力が必要とされることが多いため、よりスキルが求められるプロボノの求人も掲載されています。
②プロボノとして参加する
プロボノという言葉は耳にしたことがあるでしょうか?プロボノとは、職業上のスキルや経験を生かして行うボランティア活動です。自分の持つスキルが役に立つため、社会貢献活動をしながら、スキルアップをすることも可能です。また、プロボノを通して新たな人脈を作ることで自己成長にも繋がります。プロボノの職種には、企画・マーケティングをはじめ、営業、システム開発、コンサルタント、ライターなど幅が広いのが特徴です(注3)。
国際協力にボランティアで携わる
PARTNERに掲載されているボランティアの求人は、ある程度の語学力が求められるものや、プロボノとしての参加が多く見られます。プロボノとは、職業上持っている知見を社会貢献に活かすボランティアのことで、会社で働きながら国際協力に携わることができます。
例として、アフリカに配置薬を広める取り組みをしている認定NPO法人AfriMedico(注10)の求人を紹介します。プロボノとして配置薬事業の企画運営をはじめ、ファンドレイジングの企画、経理業務などの組織運営に関わる募集がありました。職種により応募資格は異なりますが、広報やITのポジションは、特定の分野の知識や経験がなくても応募可能となっている場合があります。
このようにボランティアやプロボノは、国際協力に直接関わりのあるキャリアでなくても、自身の専門的な知見や社会人経験を活かすことができる求人が多くあります。
寄付をする方法とは?

寄付をする方法というと街頭募金や、赤い羽根共同募金などを思い浮かべるかもしれません。しかし近年、寄付を行う方法は多様化しています。ここでは金銭と物資での寄付の方法と、それぞれの支援先をご紹介します。
①ファンドレイジングの活動を応援する
ファンドレイジングとは「非営利活動のための資金集め」のことです。NPO/NGOでは支援者の方からの寄付が大きな活動資金となっています。そのためファンドレイジングでは資金集めだけでなく、より多くの方に団体の活動を知ってもらい、支援者を増やすことも重要です。支援者が増えることで寄付金が増加するだけでなく、組織自体の信頼度も上がります。
サポーターとなると、定期的に団体の活動報告や最新の情報が届くため、寄付金がどのように役立たれたかが分かります。公益法人とNPO法人の中には税額控除を受けることのできる法人があります。所得税や住民税の確定申告をすれば寄付金控除を受けることができ、減税されることがあります。(※基本的に所得のある納税者が対象のため、一部受けることのできない方もいます)
②物資を寄付する
ファンドレイジングなど金銭面での寄付以外にも、物資を寄付をすることも一つです。物資を寄付する方法には、NPO団体などを介して行う方法が挙げられます。個人で直接、物資を送ることは可能ではありますが、場合によっては支援先の負担になることも考えられます。特に被災地への支援の場合などでは、様々な問題が発生してしまうことがあります。
ここでは、集めた物資を寄贈する活動を行っている「NPO法人もったいないジャパン」について紹介します。「NPO法人もったいないジャパン」では企業や個人から衣類、文房具、雑貨、日用品や食品など様々なものを集めています。基本的に未使用品のものを受け付けており、お家で眠っている不用品を寄付することで社会に還元ができます。また、Amazonのほしいものリストから必要な物資を寄付することも可能です。
上記で挙げた団体以外にも、様々な分野や地域で活動を行うNGOやNPOがあります。まずはあなたが共感できるビジョンや活動を行う団体を見つけて、ボランティアや寄付を行っていないか調べてみましょう。
ワールド・ビジョンでの活動
私たちワールド・ビジョンは開発援助・緊急人道支援・アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行う国際NGOです。ワールド・ビジョン・ジャパンでは現在、300名以上のボランティアの方と48,000人を超えるチャイルドスポンサーの方々に支えられています。さいごにワールド・ビジョンの行っているボランティアや寄付についてご紹介します。
ワールド・ビジョン・ジャパンでボランティアを始めてみませんか?
ワールド・ビジョン・ジャパンではボランティアの方に、事務の仕事や開発途上国の子どもたちからの手紙の翻訳(チャイルド・スポンサーシップの方のみ)の仕事を担っていただいています。これらの仕事は、開発途上国の子どもたちと国内のチャイルドスポンサーを繋ぐ重要な役割となっています。
ワールド・ビジョン・ジャパンのオフィスは子どもたちの困難な状況を変えたいと思う方々の熱い気持ちで溢れています。「社会貢献や国際協力に関心があり、子どもたちや世界のために何かしたい」という思いを持った方をお待ちしております。社内のスタッフやインターンが日々ブログを書いています。ワールド・ビジョン・ジャパンの社内やスタッフの雰囲気を知ることができます。ぜひご覧ください。
※ワールド・ビジョン・ジャパンは2020年5月現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止への対応として、事務局の体制を大幅に縮小しています。それに伴い、ボランティアの募集、およびボランティア活動も休止をしています。
チャイルド・スポンサーシップで子どもたちを支援する
世界で約100カ国に拠点をもつワールド・ビジョンでは「チャイルド・スポンサーシップ」を通じて、開発途上国の子どもたちに向けた支援活動を行っています。
「チャイルド・スポンサーシップ」は寄付をするだけではなく、開発途上国の子どもとつながりを感じることができるのが特徴です。例えば、「チャイルド・スポンサー」になると、年に1度、子どもの成長をうかがえる写真や支援を行っている活動の報告書が送られてきます。また、あなたから手紙を送ったり、実際に会いに行くことも可能です。年に一度、団体の活動状況と寄付金の使い道を記載した年次報告書も届きます。
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンは2002年5月1日、国税庁により「認定NPO法人」として認定され、その後のNPO法の改正を受け、2014年8月1日に東京都により改めて認定されています。皆さまからの支援金が寄付金控除等の対象になります。
世界にはまだ、明日の生活が困難な子どもたちが多く存在します。
- 児童労働を強いられる子ども
- 学校に通えない子ども
- 安全な水が飲めない子ども
私たちはこれからも「チャイルド・スポンサーシップ」を通じて、これらの問題を抱える子どもたちの未来を紡ぐ活動を行っています。
ぜひこの機会に、あなたも「チャイルド・スポンサーシップ」にご参加ください。
- 今、あなたの力を必要とする子どもたちが待っています。
- 今、子どもたちはあなたの力を必要としています。
- あなたの力は、未来の希望へつながります。
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